レッツスタート!Chapter.1
呼吸法講座編「Brass Breath」
管楽器演奏の呼吸法には、いろんなアプローチがあります。実際の演奏状態に近いものから、身体づくりを目的とした基礎的なものまで。非常に複雑かつメカニカルな方法もあれば、シンプルで奥深いものもあります。
本連載は、主にブラス奏者を対象とした、シンプルな基礎的呼吸法をご紹介したいと思います。まじめに取り組めば、おもしろいように身体が変わっていくのを感じられることでしょう。金管楽器を主としておりますが、木管やリズム奏者が取り組んでも役立つ内容です。
二つのまま呼息 バックナンバー
<ふくまま&へこまま>
第三の腹式呼吸「ふくふく」を利用した管楽器奏法を「ふくまま呼息」、第四の腹式呼吸「へこへこ」を利用したものは「へこまま呼息」と呼ぶことができます。
クラウド・ゴードンのチェストアップは、この「へこまま呼息」という腹式呼吸であると考えられます。
また、ボビー・シューの指導する「ヨーガ完全呼吸(※)」も、息を吐く部分にだけ注目すれば同じく「へこまま呼息」です。吸息のほうにいろんなくふうを加えてありますけれども、本質的にはチェストアップのバリエーションと考えてよいでしょう。
ボビー・シューのヨーガ完全呼吸
<へこまま呼息への道>
筆者のプロデュースするハイノート講座「タングマジック」でも、へこまま呼息を基本にしています。http://www.wpjapan.com/mtarchives/000211.html
理想的なへこまま呼息を実現するためには、
1.胸部から上をゆるめること
2.腹部から下を安定させること
の両方を実現する必要があります。
胸部から上をゆるめるためには、本連載第二回でご紹介した「外柔芯剛」のトレーニングが役立ちます。第三回のJIT、第四回のFWATなども、胸部のリラックスを助けます。
腹部から下を安定させるためには、第七回でご紹介したボトミングが重要なトレーニングとなります。「すいあげーはきあげ」の状態をきちんとキープできるようになれば、へこまま呼息が楽にできます。
会陰を引き上げ(ボトムアップ)、腹をへこませた状態で息を吸います。この時、胸部から上は十分に柔らかく使います。
そして、息を吐く時は、ボトムアップをキープして、腹をへこませた「まま」吐きます。
この「へこまま呼息」を使って、連載第五回でご紹介したMOTをやると、管楽器演奏にふさわしい呼吸能力が身についていきます。
Brass Breath の連載はこれで最終回です。
次回からは、ハイノート講座「タングマジック」で行なっているトレーニングについて解説します。お楽しみに!
著者Profile
水行末(すいぎょうまつ)
ハイノート講座「タングマジック」プロデューサー。「まま呼息の発見」「楽呼吸法 ~インナー・ウォームアップの方法~」「ウォーター&ブレス」など呼吸法関連の論文多数。雑誌「楽器族。ブラストライブ」では「音楽家のためのメディテーション "ねこ気功" 入門」を連載中。合奏音楽のための国際音楽プロダクション「ワールド・プロジェクト・ジャパン」代表。
http://www.wpjapan.com/
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