レッツスタート!Chapter.1
呼吸法講座編「Brass Breath」
管楽器演奏の呼吸法には、いろんなアプローチがあります。実際の演奏状態に近いものから、身体づくりを目的とした基礎的なものまで。非常に複雑かつメカニカルな方法もあれば、シンプルで奥深いものもあります。
本連載は、主にブラス奏者を対象とした、シンプルな基礎的呼吸法をご紹介したいと思います。まじめに取り組めば、おもしろいように身体が変わっていくのを感じられることでしょう。金管楽器を主としておりますが、木管やリズム奏者が取り組んでも役立つ内容です。
JIT[ジット]折返点観察呼吸法 バックナンバー
メトロノームを60にあわせ、4拍ごとに鈴が鳴るようにセットします。
やることは、これだけです。吸い続ける間および吐き続ける間は、空気の流れが一定になるよう心がけてください。息のスピードをなるべく一定に保つ。息の量も一定に。
そして、なめらかに、なめらかに、ひたすらなめらかに呼吸を繰り返してください。
これが「折返点観察呼吸法 JIT(ジット)」です。呼吸を「じっと」みつめることら、この名前をつけました。
慣れてきたら、6秒吸って、6秒吐き、6秒吸って、6秒吐きを繰り返します。8秒吸って、8秒吐き、8秒吸って、8秒吐くという呼吸を、なめらかに続けられるようになるのが、当面の目標です。
折返点は、折り返す瞬間という「時間的な点」です。その瞬間に、自分の身体に何が起きているか。それをていねいに観察してください。
「息を吸う」のと「吐く」のとでは、筋肉の使い方が180度逆ですね。まったく正反対の運動をしていることを身体で理解するのが、JITの重要な目的のひとつです
次回は、FWAT(フワット=折返点延長呼吸法)です。
著者Profile
水行末(すいぎょうまつ)
ハイノート講座「タングマジック」プロデューサー。「まま呼息の発見」「楽呼吸法 ~インナー・ウォームアップの方法~」「ウォーター&ブレス」など呼吸法関連の論文多数。雑誌「楽器族。ブラストライブ」では「音楽家のためのメディテーション "ねこ気功" 入門」を連載中。合奏音楽のための国際音楽プロダクション「ワールド・プロジェクト・ジャパン」代表。
http://www.wpjapan.com/
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