スタジオfの録音レポート

TSUGUME

つぐめ

no.07

澄み渡る高音と魂揺さぶる低音で魅了するボーカリスト・つぐめさん。

過去に富士通テン主催のチャリティコンサート、神戸ミュージックステーションにも出演したことのある、ボーカリストのつぐめさん。今回は彼女のソロアルバムの制作風景をお届けします。高校生の頃から弾き語りを始め、澄んだ高音からソウルフルな低音でさまざまなジャンルを歌うつぐめさんはこれまでに何枚ものアルバムをリリースしています。2006年に発表されたファーストアルバムは音楽誌ADLIBの「アドリブ・アワード2006」にて国内ニュー・スター賞を受賞し、翌年の初ソロアルバムではiTunesで先行配信を行い、同年3月上旬のジャズ部門にてトップアルバム4位にランクインするなど、高い評価を獲得。そんなつぐめさんがピアニスト石川武司さんとともに作った今回のニューアルバムは、日頃から一緒にライブを行なってきた旧知の二人だからこそ表現できる優しい音が詰まっています。収録曲はナット・キング・コールのから高田渡、はっぴいえんどまで幅広い名曲が揃った一枚。一人でも多くの方に聴いていただきたい今作が、どのように作られたのかをお伝えしていきたいと思います。

苦労しながらも一日で録り終えた、
ボーカルとピアノの絶妙なハーモニー。

「ピアノとボーカルのデュオというのは実はほぼ裸の気分なんですよね(笑)。ごまかしの効かない、とてもキツイ状態。石川さんとは日頃から二人でライブをすることも多いのですが、スタジオに入ってから4時間ぐらいは何故かお互い納得がいかなくて、休憩のたびに二人して落ち込んだりしてましたね」とシンプルな構成故の苦労を話してくれたつぐめさん。しかし、午後からは石川さんのこんな一言からレコーディングは順調に進んだそうです。「『大丈夫!絶対に今からよくなるはずや!俺の経験上!』という、とても石川さんらしい言葉ですね。そこから気合を入れなおして、結局一日でレコーディングを終えることができました。一回でも間違えたら、一からやり直しですから本当に気合入りましたね」。お互いのことをよく知る二人だからこその信頼感で、その後は息のぴったり合った演奏でレコーディングは無事終了しました。
「そんな状態だったのに、実は朝から皆で食べられるようにとオニギリを作って持って行きました。ピクニック気分(笑)」という、とてもつぐめさんらしいエピソードも。

ミックス終了後、メンバーの皆さんに
レコーディングの感想を聞いてみました。

つぐめさん
「ここをこうして」というのが上手く言えなかったので、石川さんが代わりにいろいろ伝えてくださって、万波さんに作り上げていただきました。もう少しこんな感じで、と一度意見を伝えはしましたが、次に試聴したときにはとても素敵で「なんて優しい音なんだ」と思いました。とても満足しています!今回のアルバムテーマはずばり「優しい」ということだったので、それが全面に出た音楽に仕上がったと思います。目を閉じると風景が浮かんでくるような、素敵な曲ばかりを選んだのでそういう部分も楽しんでいただけたらと思います。

万波 幸治さん(レコーディングエンジニア)

つぐめさんの歌は以前コンサートで聴かせていただいた時の印象がとても強烈に残っていました。表情に幅のある、伸びやかで優しい歌声に私はすっかり魅了されました。
今回のアルバムはピアノの石川武司さんとのデュオ形式ですので二人の表情のバランスを如何に上手く録音・ミックスできるかがとても重要でした。つぐめさんの歌のダイナミズムをしっかり包み込むことができるピアノサウンドの収録がエンジニアの立場としての要です。
石川さんの奏でるピアノサウンドは完璧で、まずはその音の表情、要素を余すことなく収録出来るマイクアレンジに十分時間をかけさせていただきました。具体的には通常のピアノマイクに加え、マイクピアノから少し離したオフマイクなど、複数のマイクのそれぞれの距離・高さの調整です。実際にCDをお聴きいただくとよく解るのですが、今回の深く優しく仕上がったピアノサウンドはスタジオフォルテのルームアンビエンスをこれら複数のマイクにより十分に生かせた結果です。

二人の奏でる音が交じり合い、絶妙な音楽を奏でる「SomA」。

全編にわたり、石川武司さんのピアノとのデュオで構成された今回のアルバム。最低限の編成だからこそ聴くことのできる空間と素材感をベースにして、「優しさ」をテーマにつぐめさんが選んだ曲が巧妙に交じり合って、独特の世界観を作り出しています。デュオという小編成でありながら、アルバム全体を表情豊かに聴くことができるのは、スタジオの響きを生かしながら二人の立ち位置や音色感が絶妙にコントロールされているからでしょう。
ちなみに今回のアルバムはジャケット制作もつぐめさんが自ら制作を手がけています。「普段よく見る景色や動物、空気。そんな当たり前のことをもう一度見なおそうという意味をこめて、ジャケット裏は子どもの目にしてみました」とのこと。音楽はもちろん、ジャケットにまで「優しさ」が詰まっていて、とても心地よいアルバムに仕上がっています。

つぐめ

高校生の時にベッド・ミドラーの「The Rose」を聴いて、弾き語りで歌い始める。10代の頃から実妹の森川七月と共にライブハウスやジャズフェスティバルなどに出演。2006年2月に森田葉月&森川七月名義で1stシングル「Amazing Grace」でデビュー。7月には同名義で1stアルバム『Jazz cover』をリリース。2007年4月には初のソロアルバム「“HAZUKI”-Jazz for the next generation-」をリリース。その後、名前を森田葉月から「次女[つぐめ]」に改名し、ソロ活動をする。

■ 石川武司(ピアノ)
1963年生まれ。ジャンルを問わないスタイルで関西を中心に活動するピアニスト。2008年1月にはソロアルバム「Thoughts」、2009年9月には「Thoughts 2」、2010年11月に「Door 2 You」をリリース。
[公式ブログ]http://yaplog.jp/piano_jazz_tak/

SomA

伸びやかな声で幅広い年齢層から支持されるボーカリストつぐめとピアニスト石川武司による初ピアノデュオ集。「優しさ」「自分らしさ」を元にさまざまな名曲をカバーした全11曲入り。心にやわらかく響く歌声とピアノが心地よく、デュオの醍醐味をじっくりと味わうことができる一枚。
[2011年4月29日発売中/¥2,500]

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