スタジオfの録音レポート

The Links Jazz Trio

ザ·リンクス·ジャズ·トリオ

no.08

つながる感性が生み出した、The Links Jazz Trio 1stアルバム。

今回は2009年よりオリジナル曲を中心に活動してきたThe Links Jazz Trioのファーストアルバムの制作風景をお届けします。メンバーは名古屋に活動の拠点を置きながらも、全国的に活躍しているピアニストの宮川純さんとドラマーの河村亮さん、そして神戸出身の若手ベーシスト出宮寛之さんの3人。作曲は宮川さんと出宮さんのお二人によるものです。
6月からはリリース前の発売記念全国ツアーも行われ、各地で魅力ある演奏が繰り広げられました。メンバーの苗字が出宮(DE-MIYA)、宮川(MIYA-KAWA)、河村(KAWA-MURA)とリンクしていることからバンド名がつけられたとのことですが、その名前のとおり感性ががっちりとつながったメンバーによって作られたこのアルバム。
「音楽が人に与える印象にはさまざまなものがある。美しい、新しい、懐かしい、明るい、悲しい…そのなかでも特にジャズという音楽が持っている、格好良いとか楽しいといったシンプルでストレートな魅力にこだわっています」というThe Links Jazz Trio、いったいどんなアルバムに仕上がったのか、お伝えしていきたいと思います。

各メンバーの音楽への情熱で、密度の高いレコーディング。

それぞれ活動拠点が違うため、住んでいる場所もバラバラな三人。今回は二日間という限られた時間の中でのレコーディングとなりました。さぞかしハードなスケジュールになるのではと思いきや、さすがは「Link」を大切にするバンド、息のぴったり合った演奏でスムーズに進み、ほぼ一日でアルバムの全曲を録り終えることができました。ちなみに、このThe Links Jazz Trioというバンド名は、メンバー同士の音楽的な繋がりはもちろんのこと、他のミュージシャンとの繋がり、そしてリスナー、観客の方々との繋がりなど、色々な繋がりを大切に活動していきたいという願いがこめられているそうです。
普段は和気あいあいとした和やかな雰囲気の皆さんですが、いざ録音に入るとストレートに意見を交わし合い、各メンバーの音楽へのこだわりや情熱が感じられる熱いレコーディングとなりました。特に今回のアルバムは変拍子やフリーテンポの曲もあり、バンドのグルーブを維持しし続けるのが大変ななか、終始緊張感のあるハイレベルな演奏が続けられました。

ミックス終了後、レコーディングの感想を聞いてみました。

出宮寛之さん
最初は「二日間でレコーディングで終わるのか?」と不安だったのですが、実際にレコーディングしてみたら、一日でほぼとり終わってしまいました。レコーディングは体力と集中力がいるので、2日間とも有馬温泉すずらんの湯で三人で疲れを癒しましたね(笑)。
三人とも住んでいる所がばらばらなので、三人ともそろってミックス・マスタリングできる日がなかったにもかかわらずなんとかメールでやりとりしてもらい無事マスタリングまで出来ました!大変面倒だったと思いますが、エンジニアの長島さんありがとうございました。

長島直乗さん(レコーディングエンジニア)

シンプルなピアノトリオの録音ということで、録音時には常に各楽器のマイクのセッティングなどに気を使いながらの作業となりました。
楽器の数が少ないということは逆に一つ一つの音がハッキリと分かるということなので、後の編集でできるだけMixingConsoleで音を触らないで良いようにと注意を注いでいました。MixingConsoleで音を「補正」するよりは、求める音が録音できる場所にマイクを立てて、機械で触わるのを極力減らした方が、よりリアルなサウンドとなるわけです。
ミックスはベースの出宮さんが名古屋から駆けつけてくれての作業になりました。ここでもベースのサウンドなどは、極力補正に頼らず、三本立てたマイクのバランスを非常に細かく調整して…というスタイルをとりました。
出宮さんが録音したピアノの音について「俺はもう少しBrightなピアノサウンドが好きだけど」と言ったときに、宮川さんが「いや、このスタジオのピアノの良さは充分に発揮されてるよ」という会話があったほど、生のサウンドに気を配った仕上がりとなりました。

生っぽさをとことん追求したサウンドと
渾身の演奏、楽曲が詰まった1stアルバム。

初日に全9曲中7曲を録り終える非常にハイペースな録音で、心地よい緊迫感のあるレコーディングでした。ジャズということで全曲もちろん一発録りなのですが、グルーブやニュアンスなど、それぞれのメンバーのベストとなるテイクが異なったりしたため、どのテイクをバンドとしてのベストな演奏とするのかを選ぶのにとても苦労されていたのが印象的でした。私たちが聴いているレベルでは、どれも素晴らしいものに聴こえるテイクばかりだったのですが…。
ミキシングの段階でも慎重に作業が進められ、各楽器の音量バランスはもちろんのこと、音の輪郭や奥行き感も楽曲ごとに細かく指示されていました。言葉で表現しにくい部分では、図に描いてイメージを伝える場面も。
そんな家庭を経て仕上がった本作は、メンバーの意気込みや楽曲の良さはもちろんのこと、サウンドの生っぽさも相まってとてもフレッシュな音が詰まったアルバムとなっています。

The Links Jazz Trio

音楽が人に与える印象にはさまざまなものがある。美しい、新しい、懐かしい、明るい、悲しい…その中でも特に「Jazz」とういう音楽の持つ「かっこいい」とか「楽しい」といった最もシンプルでストレートに伝わる魅力にこだわり、宮川純、出宮寛之のオリジナル曲を中心に2009年より活動開始。メンバーは宮川純(ピアノ) 出宮寛之(ベース) 河村亮(ドラム)。

piano
宮川 純
[ 公式サイト ]
bass
出宮 寛之
[ 公式ブログ ]
関西若手ミュージシャンが語る、ジャズへの熱い想い
「TALKING JAZZ」VOL.2(出宮寛之さん登場!)
こちら
drums
河村 亮
[ 公式ブログ ]

The Links Jazz Trio/The Links Jazz Trio

2009年からライブなどで活動を続けてきたバンドが満を持してリリースするファーストアルバム。全9曲中、8曲がオリジナルという意欲作でストレートアヘッドはもちろん、変拍子、ファンク、はたまたフリーテンポと非常にバラエティに富んだ内容となっている。楽曲、演奏とともに、レコーディング時にこだわったリアルなサウンドにも注視したい。[2011年9月15日発売中/¥2,000+tax]

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