スタジオfの録音レポート

MUTO JAZZ QUARTET

ムトー・ジャズ・カルテット

no.03

ライブイベントを機に結成されたMUTO JAZZ QUARTET。

今回は、関西の若きアルトサックスプレーヤー、武藤浩司さん率いるMUTO JAZZ QUARTETのデビューアルバム「FIGARO」のレコーディング風景をお届けします。MUTO JAZZ QUARTETは昨年大阪で行われたライブイベント「JAZZ LAB.」の出演をきっかけに始動したバンドなのだそう。
「昨年の春にJAZZ LAB. RECORDSの藤岡宇央さんからレコーディングのお話をいただきました。初めてのリーダーアルバムということで、不安と喜びが入り混じるなかチャレンジさせていただきました。これまでオリジナル曲はほとんど書いたことがなかったのですが、これを機に少しずつ曲を書きためてきました。尊敬する杉山悟史さん、権上康志くんに加え、東京からわざわざ来てくれた永山洋輔くん。素晴らしいメンバーとレコーディングに臨ませて頂けるということで、これまで勉強してきたハードバップだけでなく、8ビートなどを交えた新しいサウンドにしたいと考えました」と武藤さん。関西若手ジャズシーンを凝縮したようなメンバーが集った今回のアルバムレコーディング、一体どんな音楽が生まれるのでしょうか。

良い緊張感に包まれて、順調に進んだレコーディング。

リーダーの武藤さんはこのデビューアルバムが初めての公式レコーディングだそうで、スタジオに入った当初は少し緊張気味の様子。しかし、いざ録音が始まるとアルトサックスのエネルギッシュで朗々とした音色が次々と繰り出され、最初の少し不安げな雰囲気からは一変。昨年8月に行われたライブからスタートしたばかりのバンドとは思えない4人の息の合った演奏でレコーディングは順調に進んでいきました。レコーディング中は楽曲の解釈や細かな表現について、ジョークを飛ばしながらも活発に意見が交わされ「武藤さんらしさ」をより発揮できる方向でベストテイクが選ばれていきました。「レコーディングでは右も左も分からずに不安な気持ちでしたが、良い緊張感で臨むことができました。同時に自分の体力、集中力の足りなさも痛感しましたね」とレコーディング後にお話いただきました。

ミックス終了後、メンバーの皆さんに
レコーディングの感想を聞いてみました。

武藤 浩司さん (アルトサックスプレーヤー)
オリジナルの制作に試行錯誤する中、メンバーからたくさんのアイデアを頂き、想像以上の作品に仕上げることができました。ミックスやマスタリング作業中も家で何度も音源を聴き、親に聴かせ、猫にも聴かせました。猫といえば、タイトルとジャケット写真の「フィガロ」は我が家のペルシャ猫(♂18歳)です。猫に敬意を払い、CD全国発売日は「ネコの日(2月22日)」にしました。今回は関係者の皆様に本当に感謝です。多くの人にこのアルバムを聴いていただきたいです。

杉山 悟史さん (ピアニスト)
武藤くんとは学生時代から一緒に演奏していますが、昔から熱くて素晴らしいプレーヤー。11月のライブでは、このメンバーで初めてとは思えない衝撃がありました。直後にレコーディングしたCDには、その衝撃覚めやらぬ勢いのある演奏が残せたと思っています。M.J.Qで、これからさらに良い音楽ができると思っています。

権上 康志さん (ベーシスト)
MJQの魅力は野性味溢れるアグレッシブな演奏です。GINGERBREAD BOYSのCDに入っている「POINT OF NO RETURN」という僕の曲も、更に尖ったサウンドになりました。男子校の運動部のようなM.J.Qのライブを体感しに是非お越しください!

藤岡 宇央さん (プロデューサー/JAZZ LAB.)
ずっとワンホーンのアルバムを作りたくて、「JAZZ LAB.」という看板を一緒に作ってきたニューヨーク在住の広瀬未来くんと打ち合わせをしたのが2010年の春。そのときに候補にあがったのが、アルトサックスの武藤浩司くんでした。いくつかのライブを経て、じっくりと楽曲やメンバーについて詰めていきました。地元関西の有能なミュージシャンのデビューをプロデュースできて大変光栄に思っています。
(*藤岡さんの活動については、2007年掲載の「ジャズピープル vol.6」でも紹介しています。ぜひご覧ください)

長島 直乗さん(レコーディングエンジニア)

今回の作品はサックスの武藤さんの作品ということで、サックスのマイクには特に注意を払ってみました。作品の方向性として、GINGERBREAD BOYSとは違った仕上がりにしようという意図がありましたのでサックスはあえてブース(個室)に入って、Ambienceよりも楽器の生の出音を重視するといった録音方法でした。
サックスに使ったMicも計4本。On Micでの力強さと、Off Micでの全体の繊細なニュアンスを上手く混ぜ合わせるといった方法での音作りとなっています。マスタリングもGINGERBREAD BOYSの時とは対極的にスタジオfの機材を駆使して、すべてDigital領域での音声処理で原音を出来るだけ損なわない様に注意を払ってます。音作りに対して真逆のこの二つの作品を聞き比べてみるのも面白いと思います。

神戸発M.J.Qのデビューアルバム「FIGARO」。

レコーディング開始から最終のマスタリングまで各メンバーをはじめとして、プロデューサーの藤岡さん、エンジニアの長島さんのそれぞれの立場でのこだわりをぶつけ合って作り上げられた武藤さんのデビューアルバム「FIGARO」。メンバーのコメントにあるとおり、鋭さを感じさせる演奏に仕上がっていますが、攻撃的に尖った音というのではなくどちらかというと精巧に研ぎ澄まされた音といった感じでしょうか。

武藤 浩司

1986年2月4日生まれ。中学校からサックスをはじめ、吹奏楽部で6年間クラシックを学ぶ。関西大学ジャズ研の入部をきっかけにジャズを聴きはじめ、大阪の老舗ジャズクラブ「SUB」西山満氏のもとジャズを学び、「SUB」に集う同世代のミュージシャンたちとライブ活動をはじめる。2010年8月、ライブイベント「JAZZ LAB.」出演を機に、リーダーバンド「MUTO JAZZ QUARTET」を始動。東京在住の永山洋輔(ds)との再演を果たしたその熱いステージは大好評を博す。

[ライブ予定]
3月8日(火) 元町 cafe萬屋宗兵衛
予約連絡先:tricrotism@hotmail.co.jp ウェブサイト:http://soubei.net/

alto sax武藤 浩司http://mutoobb.exblog.jp/
piano杉山 悟史http://sound.jp/sugisatoshi/
bass権上 康志http://jazz-bass-gonjo.seesaa.net/
drums永山 洋輔 

ジャズレーベル「JAZZ LAB. RECORDS」「BLUE LAB. RECORDS」
http://www.jazzyanen.com

FIGARO

武藤浩史のデビューアルバムであり、自身初のリーダーアルバム。デビューアルバムをリリースしたばかりの杉山悟史(p)と、「GINGERBREAD BOYS」のリーダー権上康志(b)を迎え、2011年2月にJAZZ LAB.RECORDSよりリリース。オリジナル5曲を含む全9曲のハイテンションな演奏を収めた傑作。
[JAZZ LAB. RECORDS(JLR1102)/2月22日より発売。]

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