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ジャズピープル

ますますパワフルになった「世界のヒノ」

今年で12年目を迎えた東京・世田谷区の中学生とのコンサート「Jazz for Kids」をはじめ、14年目になった「神戸元町イーストジャズピクニック」名誉実行委員長など、若きジャズメンの育成を行う傍ら、自らも精力的に国内外でのライブ活動を行う日野皓正さん。ジャズピープルには2009年以来二回目のご登場、変わらずパワフルな日野さんにお話をうかがいました。

person

日野皓正さん
[トランペット奏者]

1942年東京生まれ。9歳の頃からトランペットを学び始め、13歳の頃には米軍キャンプのダンスバンドで活動を始める。国内外で公演を行うかたわら、チャリティー活動やジャズ教育などの方面でも活躍。大阪音楽大学短期大学部客員教授、尚美学園大学客員教授。2004年には紫綬褒章を受章。2009年「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」大会実行委員。最近では熊本震災チャリティCD「SHINJUKU MADNESS」に楽曲を提供。

interview

「音楽には人としての行き方が表れる」。
変わらない日野さんのスタイル。



── 今回、KOBEjazzが10周年を迎えるということで、2009年以来7年ぶりにお話をおうかがいにきました(笑)。

「10周年おめでとうございます(笑)。ジャズが日本に渡ってきてもうすぐ100周年ですからね。ジャズの街神戸としては“神戸元町イーストジャズピクニック”もそうですが、より一層グローバルに頑張ってほしいと思います」

── 日野さんはお変わりないどころか、ますますパワフルになってるようにお見受けします。

「そんなことはないですよ。でも健康には気をつけて、塩分控えたり玄米食べたり(笑)」

── 年齢を重ねるなかで音楽に対する考え方は変わっていくものですか?

「人生と音楽は同義。それは人として生きている以上、何かを感じるたびに変わっていくのが自然です。それは音楽をしない人でも誰でも一緒。だからやっぱり人としての生き方が音に表れるので、ちゃんとしないといけないよということは子供たちにも言いますね」

── 演奏スタイルもお変わりなく?

「練習はしなくなったね(笑)。今まで死ぬほどやったからね。一応練習しないとなとは思ってるから『俺はトランペット吹きだ』ってコレをやることっていうメニューを書いたものを写真撮ってスマホに入れてるんだけど、やっぱり本番に勝る練習はないんですよ。昔はライブに行って、『ちょっとやらせて』って人のステージに勝手に立って人を傷つけてきたわけだけど(笑)、最近はライブのコンセプトを荒らしても悪いなと思ってやらなくなった。でも家でミュートはめて音出しても何の足しにもならない。ステージに立って吹くと力の入り方が全然違う。だから休みが多いとダメなんですよ」

── なるほど。やはり聴衆がいてこそのミュージシャンなのですね。

「あとミスを芸術にするっていうのがやりたい。調子が悪くても、それでもあの人すごいよねって言われたいわけですよ。ホロヴィッツが間違えて隣の鍵盤触っちゃっても悪く言う人はいないし、マイルスの“プラグド・ニッケル”だってプスプスしててもやっぱり格好良いでしょう。死んでから出たCDなので、まあ生きてたら出さなかったと思うけど(笑)。でもそういうライブ感もいいと思う」

年々レベルが上がっていく学生バンド
14年間見守る「神戸元町イーストジャズピクニック」

── 今年で14回目を迎えた「神戸元町イーストジャズピクニック」ですが、今年の学生さんたちはどうでしたか?

「日本全国の学生バンド自体、音のレベルは相当上がってると思います。神戸の子たちも本当に上手い。中高生もそうだし、大学生ともなるとアンサンブルはプロ並みだと感じます。ただやはりプロはソロでの魅せ方を知っていますからね、お客さんの楽しませ方が違う。ソロパートで自信を持ってもっと自分を出すようになったらもっと良くなるのになと思います」

── 気になる部分はありますか?

「これはどこに行ってもそうなんだけど、最初はみんな本当に声が小さいし、何か尋ねると必ず隣の子を見るの。でもグローバルな、世界に通用するような音楽をやる、そういう人間になるためには、自分の言葉でちゃんと伝えていかなくちゃいけないからね。そこは毎回必ず怒りますね(笑)」

── 最後にジャズを志す学生さんたちにメッセージをお願いします。

「“常識を持て”。最初にも言いましたが、人間として、愛があったり正義があったり、正しい人間だったらそれが音に出る。だから、音楽の練習も大事だけど、まずは自分という人間をしっかり持って育って欲しいと思います」