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ジャズピープル

現代のセッションの新しいカタチ。音楽アプリから始まったボーカルギターデュオ。

 今回、ご紹介するのはシンガー堀桂さんとギタリストの舩冨光曜さん。お二人は5月にボーカルギターデュオ作品「Leave Love Behind」をリリース。お二人はこれまで互いに音楽活動を続けていくなかで、音楽アプリ”nana”を通じて出会ったそう。そこでは90秒という時間の中、オンライン上でセッションのようなことが行われているようです。舩冨さん曰く「自分の楽器の音に相手が会わせてくれるので、音楽づくりのイメージがしやすい」とのこと。オンラインでの制作と現実でのライブを重ねていく中で、本作の制作に至ったそうです。お二人のこれまでのキャリアから今回の作品まで、いろいろとお話を伺いました。

person

堀 桂

同志社女子大学 表象文学部 英語英文学科卒業。幼少の頃から音楽に親しみ、5歳から歌手を志す。洋楽、黒人音楽に共感し、Soul, R&B,洋楽ポップスを得意とする。大学時代からオリジナルバンドmocafeeにてボーカル/英語での作詞をスタート、またカバーバンド活動や、祇園老舗のクラブでシンガーを勤める等、在学中から勢力的に音楽活動を開始。卒業後もcafe&music Kirsche、LiveSpot RAG等、京都中心に関西でライブ活動を行う。
2016年、東京に活動拠点を移す。
2017年春、草津音楽の森国際コンサートホールにてピアノデュオスタイルでジャズ中心の定期ライブを行う。8月末に音楽アプリnana(株式会社nana music)主催の、nanaフェス2017メインステージライブに出演。同年秋には同アプリ、nanaバーチャルシェアハウス企画の第1期生に選出。現在はジャズスタンダードを独学で学びながら、自身でソングライティングも開始し、東京、関西をまたぎ活動している。




舩冨光曜

 1985年生まれ。大阪市平野区在住のギタリスト。ミュージシャンである父親の影響で幼い頃よりブルースやジャズなどの音楽に親しみ、高校時代より独学でギターを弾き始める。2003年にTeen's Music Festival 関西・沖縄大会でTeen's大賞を受賞。2007年には自己のバンドを結成し、その翌年に名古屋~東京~北海道ツアーを行うなど、様々な活動を経てプロ活動を開始。2013年、サックスプレーヤー井上歓喜のリーダーバンド「The jubilax」に正式加入。現在は関西圏を中心に演奏活動を行っており、ポップスやジャズなどのポピュラーミュージックから雅楽やクラシックなどの古典音楽まで、様々なジャンルのミュージシャンと共演している。


interview

誰かに教わるわけでなく、自然と音楽が好きに。

── 普段はお二人のデュオで活動されているのですか?

堀「普段の活動も二人でやることが多いですね。ただ、活動拠点は私が概ね東京で、彼が大阪です。」

── 堀さんはいつから歌い始めたのですか?

堀「大学在学中に京都の老舗のクラブシンガーと軽音楽のサークルでバンド活動をしており、ソウルやジャズのような楽曲を唄っていました。その後、大学を卒業して、一度就職したのですが、音楽をやりたいと思いまして。退社して拠点を変えて東京でやってみようと思って、東京に行きました。」

── 楽器はされなかったのですか?

堀「幼少のころに少しだけピアノをやっていましたが、色々習い事をする過程で忙しくなって辞めてしまいました。特に両親が音楽関係者だったわけでもなく、ただただ音楽を聴くのだけは好きでした。」

── 歌を唄おうというきっかけは?

堀「高校生のころ、カラオケで歌った時に友人から、"文化祭で唄ったらいいんじゃない"と勧められました。京都会館(現ロームシアター京都)で文化祭があってそこで唄った時、学校から表彰されました。それがきっかけで歌手で何かをしたいという気持ちが強くなりました。ただ、その当時は何からしたらいいかわからなかったですね。私自身はそれまで歌の勉強などもしたことがなかったので。」

── 学生時代にクラブシンガーをされていたと先ほどおっしゃっていましたが。

堀「特に誰かから紹介されたのではなく、お店のホームページに書いてある電話番号に電話をかけまして。それである店でレパートリーを持って来てと言われて、唄える曲のリストを持っていくと、"こんなにたくさん唄えるのか"と言われました。ただ、そこでは"譜面や歌詞を見ないで暗譜して欲しいと言われ、毎日ずっと音楽を聴いていましたね。当時のレパートリーはPOPSが多かったですが、祇園のクラブでしたので、お客さんから好まれたのはオールディーズやブルース、ソウル、カントリーなどで、それらを一生懸命覚えました。お店の方からもっと唄って欲しいと言われて、週に3~4回唄っていましたね。」

── そのまま歌手を目指さなかったのですか?

堀「大学を卒業して、広告業界に就職をしました。母親が倒れたのもあったのですが、仕事をしていくうちに、”今の自分のようになりたいと思っていたっけ"と自問するようになりました。その後、母親が回復したのもあり、好きなことをやろうと。何も考えずに東京に出て行きました。」

── 舩冨さんはいつからギターを?

舩冨「私は高校生からですね。父親がギターを弾いていて、中学卒業するくらいで、始めました。」

── 最初はどんな曲を?

舩冨「珍しいかもしれませんが、ブルースから入って、ビートルズを聴いてコードを覚えましたね。USENに張り付いて、ギターをずっと弾いていました。家ではJ-POPとかを聴かず、父親が古い音楽をよく聴いていたので、洋楽やレゲエやブルースを家では聴いていましたね。高校に入ってからは軽音楽部があったので、 J-POPとか流行りの音楽をやりましたが、肌に合わず、2年くらいで軽音楽部を辞めることになりました。その後、学校内で気が合う仲間と自分のやりたい音楽をやってみたり、学外で演奏するようになりました。」

── プロになるきっかけは?

「私は高校卒業して、大学は行かずに就職しました。1~2年ほど働いた時に、このサイクルがずっと続くのは精神的にしんどいなと思いました。働きながらも趣味でバンド活動はやっていました。趣味でやっていた演奏活動も続けていくと、色々な人の紹介などもあって、いろいろなつながりができてきました。その中で、音楽を仕事にする人たちに出会いまして。そういった方々からレッスンの仕事をもらったり、演奏の仕事をもらったりするようになりました。それで、音楽でも生活できるんじゃないかと思って、仕事を辞めて今にいたりますね。」

── 過去と比べて音楽性は変わりましたか?

「そうですね。昔とは全く異なりますね。今は、何をやっても楽しいです。言われたもの、頼まれたものをこなして来ましたので、結構、何でもやりますよ。デュオでやることが多いですが、クラシックのフルートの方とか、雅楽の龍笛の奏者の方とか歌の方もそうですし、ジャズのサックス奏者の方などとの演奏をしました。」

音楽アプリを通じて活動開始。

── ところでお二人はどこで出会ったのですか?

堀「音楽のアプリでnanaというのがあるんですが、私も誰かしらに音楽を聴いてもらえたらなと思って。そのアプリは音源を1分半あげることができて、声以外にもベースやギター等、様々な楽器をオーバーダビングすることもできます。オンラインで音楽を録音、公開出来るアプリです。それで舩冨さんのギターを見て"この人のギターがすごくいい"と思い、そこから連絡をとると、関西で活動していると聞きました。私は東京で活動していましたが、ぜひとも一緒にやってみたいと思い、互いの活動地域である関西・関東に来る機会に合わせてライブをするようになりました。」

── 現代風ですね。制作の過程でスカイプなどのコミュニケーションツールを使うというのは聞いたことはありますが。実際に会ったこともなく、オンラインで連絡取り合い、ライブ活動につながるのはすごいことですね。

舩冨「紹介されて会うより、音を聴くことができるので、相手のことを理解しやすいですね。自分が投稿した音源に彼女が声を被せるので、楽曲の仕上がりをイメージすることもできました。」

── ちなみにお二人は普段どんな活動をしていますか?

舩冨「いろいろな方のサポートをしますし、演奏活動以外にも音楽教室やスタジオ、スカイプなどでレッスンを行っています。高校の軽音楽部にギターを教えに行ったりもしていますね。」

堀「月2回くらいライブをやっています。直近では、リリースがあったので、あちこちで演奏はしました。7月は兵庫県の三田や京都で演奏もさせてもらいます。1つ1つのライブを大切に、丁寧に行うよう心がけています。」

お世話になった方々へ。作品を通じて伝えたいこと。

── 今回リリースされた作品について教えてください。

堀「全国のCDショップとライブ会場で主に販売させていただいており、CDを手に取ってもらいたくてブックレットなども力を入れて作りました。3月からツアーで関西・東京をあちこち周りました。今回は全曲カバーで制作しています。」

── 作品のコンセプトは?

堀「歌でやっていくと決めて、自分の中でCDを作ることを一つの目標としていました。これまでお世話になった方々への感謝と愛を一つのカタチとして残すという想いで作品を作りました。ですので、アルバムタイトルもLeave Love Behindで愛を後ろに残すとしています。楽曲も家族にあてたメッセージだったり、自分の過去の経験にまつわるものだったり…コンセプトを決めて選曲しています。アルバムのブックレットの中の挿絵なども友人に手伝ってもらって制作しています。あと、最近では珍しいかもしれませんが、16ページの大作ブックレットにしました。」

── 最近だとパッケージとジャケットを一緒にしているものが多い中で、確かに珍しいですね。

堀「全てにこだわりを持って、しっかり作ろうと。それもあってか買ってくださった方からはうれしいお言葉をいただいています。曲の解説も入れていますので私の作品を聴いて原作を聴こうとか少しジャズの要素もあるので、新しくジャズも聴いてみようとか、そんな風に誰かが、新しく音楽を聴くきっかけになればと思います。」

── 聴いてほしいところはたくさんあると思いますが、”ここは”というところはありますか?

堀「アレンジは舩冨さんにお任せしていますが、最終的にどういう風に聴いてもらいたいかというのは二人で相談して、決めました。カバーアルバムですが、自分の解釈を加えた原曲とは異なるアレンジになっています。」

舩冨「あとは重ね録りなどは極力せずに、ライブ感を大切にしています。 二人で録音しているので、息の音だったり、空気感なんかも感じでもらえるといいですね。ですので、ヘッドフォンでもしっかり聴いてもらいたいですね。」

── 舩冨さんが全曲アレンジされたと聞きました、どのようにして曲をアレンジしましたか?

舩冨「普段からデュオでやることが多く、いろいろなアレンジを依頼されることがあります。原曲はオーケストラの入ったものだったりするとデュオでやる時はとても悩みます。アレンジとしては基本的に曲をデフォルメすることになります。ギターはピアノのように旋律と和音を同時にできる幅が限られていますので。できるだけシンプルなカタチで曲の核になる部分は残しつつ、自分の解釈にするというか、自分が培ってきたやり方を盛り込みながらですね。"ぱっ”とアイデアみたいなものが浮かぶ時もありますが、そうではないことが多く、とにかくひたすら独りで弾き続けますね。メロディーやコードの和音を少しずつ変えてみたりしますね。今回は彼女と何度かライブもやっていましたので、ライブの時に即興で思いついたようなものを盛り込んだりしました。」

── アレンジ作業ってすごく時間がかかりますね。

舩冨「確かに今回の作品のためにとなると、すごく時間がかかったように思いますが、出会って作品作りまで1年あって、その間、ライブも何度かやっていましたので、それが作品につながっていますね。音源のストックもあったので、割と短期間で出来たのは、そういう積み重ねがあったからですかね。」

── これからやっていきたいことは?

堀「今回はカバーアルバムを制作したので、次はオリジナルでアルバムを作りたいですね。シンガーとしての展望はまだ模索中ではありますが、歌をただ唄っている人というより、歌を通じて人間性や人生観を伝えていけるようなシンガーになりたいですね。」

── これからの活躍がとても楽しみなお二人。次の作品がとても楽しみです。本日はお忙しいなかお時間いただきありがとうございました。

information

[ RECOMMEND MOVIE ]

If I Ain't Got You / Alicia Keys Cover


You've Got A Friend / Carol King Cover


No More Blues 20180414 "Leave Love Behind" リリースツアー @京都Cafe & music Kirsche



[ Live Information ]

堀桂、舩冨光曜デュオライブ


◆日時:8月31日(金) 18:30開場 19:30 開演
◆出演:堀桂、舩冨光曜
◆会場:京都祇園 ボンズロザリー
◆お問い合わせ
https://www.horikatsura.com/home-news

◆日時:9月28日(金) Open18:00 1st:19:00
◆出演:堀桂、舩冨光曜
◆会場:梅田 Azul Terrace Southern Breed ライブ O.A



[ Release ]

堀桂『リーヴ・ラヴ・ビハインド』
シンガー堀桂(ほりかつら)初のアルバムがリリース。新旧、洋邦問わずにセレクトした、自身の人生の転機となった名曲11曲をアレンジし収録したソングブック。

過ぎ去ったあの頃のあなたを思い描く名曲11曲。
ポップス、ラテン、JAZZ等、新旧問わぬ楽曲のセレクトを、ギターDUOアレンジで演奏。
「Leave Behind」という言葉には「置き去りにする」という意味があります。だとすると、このタイトルを直訳すれば、「置き去りの愛」となるわけですが、この言葉には「~を追い越す」「(傷や痕を)残す」という意味があります。
―――置き去りにされた愛
―――愛を追い越して
―――愛の痕を残して
あなたにとっての大切な人を想い起すアルバムとなりますように。そして、「Love」という言葉を言わずとも、伝わる愛がありますように。

【参加メンバー / 楽器】
堀 桂 (Hori Katsura) - Vocal
舩冨光曜(Funatomi Koyo) - Guitar

【収録曲】
1.Just the Two of Us
2.No More Blues
3.Close to You
4.Time After Time
5.Deed I Do
6.元気を出して
7.Skipped Beat
8.やわらかな夜
9.恋しくて
10.If I Ain't Got You
11.You've Got A Friend

【Credits】
Produced by Katsura Hori
All Arrangements by Koyo Funatomi & Katsura Hori
Vocal & Chorus : Katsura Hori
Guitar : Koyo Funatomi

Recorded at 夢スタジオ(YUME Studio), Gunma, JAPAN
Recording and Mix engineer:Etsuo Masukawa
Recording Date:January 26 and 27, 2018
Mastered:Etsuo Masukawa

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