コンサートレポート バックナンバー
OSAKAJO JAZZ FESTIVAL
大阪城 ジャズ フェスティバル
学生ビッグバンド春の風物詩
ジャズフェスティバルに相応しい楽しい二日間。
今年もやって来ました、関西の大学生ビッグバンド春の風物詩"大阪城ジャズフェスティバル"。このイベントは、1991年に始まり、今年で19回目を迎えました。現在では企画・運営・司会等を出演者である大学生達が行っています。今のような時代背景に対して自分達に何が出来るかを真剣に考え、「音楽を通じて地域を元気に、みんなを笑顔に」を目標にこのイベントを開催しているそうです。
 この大阪城ジャズフェスティバルは、各大学の演奏もさることながら、演奏者と観客が一緒になって楽しめるようにと学生達による細やかな気配りがされています。
 まずは昨年から始まったプレゼント企画。お客さんに少しでも楽しんでもらおうと学生達が考えたものです。一日目は「ハイトーンバトル」と題して、このジャズフェスティバルに参加する大学生の中から、ハイトーン(高音)に自信のある6人が集まり、誰が一番になるかを予想します。それを事前投票で受付、見事予想があたった人にプレゼントを贈呈するというもの。二日目は「絶対音感クイズ」と題し、ジャズフェスティバルに参加する大学生の中で、聴力に自信のある大学生がエントリーし、「音を言い当てる」クイズを行います。そこでお客さんは事前に彼らの誰かに投票し予想が当たった人にプレゼントを贈呈する企画。
 その他にも、コーヒーの無料配布・会場案内・ごみ拾い・チケット販売やチケットもぎりなどなど、学生達が出来る最高の"おもてなし"にお客さんも気持ちよく演奏を楽しむことが出来たことでしょう。
<一日目> <二日目>
1. 大阪大学 The New Wave Jazz Orchestra   1. 京都大学 Dark Blue New Sounds Orchestra
2. 関西学院大学 K.G.Swin Charioteers   2. 大手前大学 BIG WEDENESDAY JAZZ ORCHESTRA
3. 龍谷大学 Jazz Bird Orchestra    3. 同志社大学 The Third Herd Orchestra
4. Girl's Band    4. 神戸大学 KOBE MUSSOC JAZZ ORCHESTRA
5. 天理大学 ALS Jazz Orchestra    5. 佛教大学 R3 JAZZ ORCHESTRA
6. 立命館大学 R.U Swingin Herd Orchestra    6. 甲南大学 New Port Swing Orchestra
7. guest Double Force Jazz Orchestra    7. Neibhoborhood Big Band
8. guest Pedro Giraudo Jazz Orchestra    8. Selection Band
迫力満点!圧巻のフィナーレ。
 もちろん各大学の演奏も個性豊か。デュークエリントンにこだわり、デュークエリントンのナンバーを中心に演奏する京都大学や毎年コスチュームが個性的な神戸大学、ビッグバンドの概念を覆すようなロックサウンドを取り入れた同志社大学、スタンダードなビッグバンドにこだわった甲南大学などなど、出演している大学はどれも個性豊かなものばかり。 そして、さすがは関西と言わんばかりに演奏だけでなく、MCが面白い。昨年度ゲストにいらっしゃった方は、「こんなに面白いのは関西だけですね。」とおっしゃったほど。

 2日目の最後、ゲストミュージシャンと第19回大阪城ジャズフェスティバルセレクションバンドの共演が終わり、いよいよフィナーレ。昨年からゲストを交えての壮大な試みです。これを楽しみにしてきたお客さんもいたのではないでしょうか。
 なんと二日間に出演した全大学の学生達がステージに集結。当然ステージには上がりきれないので、舞台の前~客席の後方までお客さんをぐるっと楽器を持った学生達が囲みます。総勢100人以上の学生達による演奏。これだけの人数の"ビッグバンド"の演奏が聴けるのはこの大阪城ジャズフェスティバルだけではないでしょうか。
 ものすごい迫力で、とにかく元気。学生達の熱気に圧倒されてしまいました。来年に同じ企画があるどうかはわかりませんが、聴かれたことがない方には是非ともお勧めの演奏です。

 フィナーレを終えて、本当にうれしそうで、満足した顔をしたお客さんが会場を後にしていきます。KOBEjazzでは、このイベントを追いかけて3年になりました。この大阪城ジャズフェスティバルは、毎年新しいことが生まれ、今年より来年、来年より再来年とどんどん進化しているように感じます。来年のことを言うと鬼が笑うなんて言いますけど、来年の"大阪城はどんなことが起こるのだろう?"と今から楽しみになって来ました。
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音楽はお客さんと演奏者とのコミュニケーション
今年の大阪城ジャズフェスティバル実行委員長である堀田昂佑さん(同志社4回生)の開会時のコメントがとても印象的でした。 
「音楽で大切なことはコミュニケーションだと思っています。ですからお客様である皆さんもそのことを意識していてください。演奏している僕たちがソロの時や、良い演奏をした時は掛け声をかけたり、拍手をしてください。そうしてもらえると演奏している僕たちも嬉しいです。僕たちも皆さんに向けて精一杯の演奏をしますので、僕たち演奏者とのコミュニケーションを感じて欲しいです。」
スチューデントジャズライブ2008
2009年4月25日(土)甲南高校講堂
 大学生ビッグバンドの春の風物詩は"大阪城ジャズフェスティバル"。中高生ビッグバンドはというと毎年、甲南高校講堂で開催される"STUDENTS JAZZ LIVE"。今年で11回目を迎えるこのイベントは、学生時代にビッグバンドを経験したOBが中心となって、企画・運営を有志で行っています。関西の中高生のジャズシーンを活性化したい、また中学生・高校生・大学生・社会人といった世代を超えた交流の場として活用して欲しいとの思いがこめられたイベントです。今年は遠く愛知県から「名古屋青少年ビッグバンド」、「愛知中学高校吹奏楽団」が参加しました。
  このSTUDENTS JAZZ LIVEは毎年8月に開催される中高生ビッグバンドの祭典「STUDENT JAZZ FESTIVAL」に向けた第1歩となる大会だそうです。中高生達はそれぞれの学校が今年はどんな楽曲を演奏するなどライバルの動きに注目しつつ、他校の良いところは手本にしようと相手の演奏もしっかり聴いていました。舞台袖で次の出番を待つ学生に「緊張してますか?」と聞くと「演奏が楽しみです。」と答え、緊張しないくらい一生懸命練習してきたのでしょうか、カメラを向けるとピースをしてくれました。
 そして、今年ははるばる愛知県から2団体が参加。一つは2007年STUDENT JAZZ FESTIVALで「富士通テン賞」を受賞した名古屋青少年ビッグバンド。元気いっぱい、ステージ上ではお祭りが行われているような雰囲気でした。もう一つは愛知中学高校吹奏楽団です。中高合わせて80名もの部員が在籍しているようです。とても息の合った演奏で、まとまりがよく、大人顔負けの演奏でした。
最近は愛知県も神戸に負けないくらいビッグバンドが盛んな地域になっているようです。
出演バンド
西宮市立西宮浜中学校 マリナシティ・ジュニア・ジャズ・オーケストラ
南中学校 甲南ブラスアンサンブル部
神戸市立原田中学校 HARADA BLUE JAZZ ORCHESTRA
兵庫県立高砂高等学校 Big Friendly Jazz Orchestra
名古屋青少年ビッグバンド Free Hills Jazz Orchestra
愛知中学高校吹奏楽団
甲南高校 甲南ブラスアンサンブル部
【ゲスト】The E・R・O Jazz Orchestra