毎年恒例のJAPAN STUDENT JAZZ FESTIVALも今年で24回目。今年は中学生の部17校、高校生の部25校合計42校と過去最多数の参加校が集い、熱演を披露してくれました。楽器を始めてまだ数ヶ月という一年生からこの舞台を最後に引退するという三年生まで、そして結成一年目の初参加校から毎年参加のベテラン校まで、ひたむきに演奏する姿がどのバンドも魅力的でした。毎年、一般の観客が増えているのも彼らの一生懸命な演奏を楽しみたいと思うからこそ。今年もお昼を過ぎる頃には両日とも立ち見客が出るほどの盛況ぶりでした。「出演する子どもたち皆に楽しんで欲しい」と主催のJAJE代表理事である日下雄介先生の言葉どおり、舞台に上がった彼らの演奏は堂々としていてとても晴れやか。このイベントのためにと毎日一生懸命練習してきた成果が充分に発揮されていました。 なかでも今年は兵庫県外からの参加校が増加。開催地でありジャズ文化のお膝元である神戸近郊の関西勢はもちろんのこと、今年は愛知をはじめ広島、和歌山、東京、静岡、山口と全国からの参加校が目立ちました。全国規模になってきたこのイベント、今から来年、再来年が楽しみです。また、若さ溢れる学生たちの後には第一線で活躍するゲストが登場。中高生とプロの音楽を一緒に楽しめるのもJAPAN STUDENT JAZZ FESTIVALならでは。 一日目の中学生の部では古谷充さんとザ・サンダーバーツ・スペシャル・バージョン、昨年度の高校生の部優秀校である高砂高校とアメリカUCLAコンテンポラリー･ジャズ･ラージ・アンサンブルが登場。二日目の高校生の部にはバークリー音楽大学の選抜バンド、そして世界を代表するトランペッター、エリック宮城さんと関西を中心に活動を続けるグローバル･ジャズ･オーケストラが素晴らしい舞台を見せてくれました。最後の表彰式では、なんと中学の部、高校の部ともに甲南中学校、高等学校が神戸市長賞を受賞。学生とは思えないハイレベルな演奏で会場を圧倒していた彼ら。会場の割れるような拍手に応えるように満面の笑顔を浮かべる学生たちが印象的でした。ほかにも、この舞台を最後に引退する３年生もおり、表彰式は毎年涙あり笑顔あり。最後まで見どころが詰まった二日間、学生の皆さん、感動をありがとうございました。

	JAPAN STUDENT JAZZ FESTIVALには以前にも呼んでいただいたことがあるのですが、子どもたちと同じ舞台に立てるというのはとても光栄なことです。彼らはびっくりするぐらい成長が早くて、ちょっとプロの演奏を聴いただけでも、すぐに音が変わります。音楽は理屈ではないっていうことを彼らは実践していて、本当に素晴らしいと思います。そんな学生さんたちに僕から伝えたいのは、若いうちにいろんな音楽を聴いて、できれば会場で生の音にもっともっと触れてみて欲しいということ。目で聴くということはとても大切です。演奏者の表情を見ることも音楽を聴くことの一つですし、拍手をするということで演奏者とコミュニケーションができるんです。今は単純に音楽を聴くという点では、家の中でいくらでも聴くことができるけど、生の音楽というものにどんどん触れていって、もっと音楽の楽しさを知って欲しいと思います。音楽はずっと楽しんでいけるもの。そうやって音楽の楽しさを見つけて、おじいちゃんおばあちゃんになってもずっと音楽を楽しんでいってください。

	「一人一人がきちんと音を出す｣ことを目標に、基礎的な練習に力を入れました。少しずつ曲の完成度が上がっていくことに喜びを感じるとともに、お客様に楽しんでいただけるよう工夫しました。 このような素晴らしい賞をいただくことができ、嬉しく思っています。毎日努力してきたことが報われました。3年生にとっては最後の大会、これまでの集大成として結果を残すことができて、大変満足しています」	今年は部活の改革をしようと4月から練習方法を変えたり、ステージ数を増やしたりと新しいことに挑戦したので、楽しさと同時に苦労もありましたが、まさかこんなに良い賞をいただけるとは思ってもみなかったので最初は信じられませんでした。表彰されて、｢本当なんだ｣と思ったら嬉しさがこみ上げてきて、涙が止まらなかったです。3年間のジャズ生活の中で最高の日になりました。ありがとうございました。

毎年ハイレベルな演奏で会場をうならせる甲南中学校・高等学校が神戸市長賞を受賞。全体のアンサンブルはもちろん、ソロパートも学生とは思えない演奏力で会場を心をがっちりと掴んでいました。さすがプロミュージシャンも数多く輩出している名門校、素晴らしいステージを見せてくれました。