Denso Ten

Concert Report

H ZETTRIO
こどもの日Special in 大阪野音 – Virtual World (Jazz) –

2019年4月27日 大阪・大阪城音楽堂

Written by Mika Ogura
Photo by Yoshihiro Mori

子どもも大人も、みんながハッピーな一日。

12ヶ月連続配信リリース、下半期の全国ツアーも決定して、2019年も快進撃を続けるH ZETTRIO。4月27日に大阪城音楽堂で開催された「こどもの日Special」は、「親子で楽しめるように」と企画された毎年恒例のライブイベントです。「関西でもやってほしい!」というファンの声に応えて、今年は東京、大阪でのダブル開催となりました。
大阪城音楽堂は、大阪城公園の敷地の中にある緑に囲まれた野外のコンサートホール。青空の下でオリジナルのスーパーボールすくいや輪投げなどの屋台が並び、まるでお祭りのような雰囲気に。「こどもの日Special」だけあって、小さなお客さんたちがいっぱい。親子で楽しんでいる様に、H ZETTRIOファンの幅広さを実感します。

太陽が西に傾きかけた頃、ステージにメンバーが登場。足を高く上げて行進するように現れたMさんのコミカルな動きがさっそく子どもたちの心を掴みます。1曲目は童謡でおなじみの「ゆかいな牧場」、そして流れるように「Make My Day」へ。ピアニカを親指だけで弾いたり、掲げるように観客に鍵盤を見せながら弾いたりと、演奏が上手いのはもちろん、パフォーマンスとして目でも楽しませてくれるから、ライブ開始早々、ステージから目が離せません。
「こどもの日Special、初の大阪です」という挨拶の後、新元号が書かれた紙を見せて「新しい元号は、令和」と旬の話題で会場の笑いを誘います。MCの後は12か月連続配信リリースの第一弾となった1月配信曲「Journey」。ラテンの雰囲気が漂う穏やかな一曲です。そして「Mysterious Superheroes」、「晴天-Hale Sola-」に続きます。ファンにはすっかりおなじみの二曲、合わせて大きく手を振る観客の中には、もちろん子どもたちの姿も。演奏中のKOUさんの笑顔にこちらも自然と笑みがこぼれます。盛り上がった後には、しっとりとした「どこか遠く」。疾走感溢れる曲も魅力ながら、心に染み入るようなメロディと音の粒が奏でられるのもMさんのすごさ。春の空気感に鳥の鳴き声、野外ならではの自然の演出も曲に華を添えます。

MCをはさんで、こどもの日にちなんだカバー曲を披露。「It's a Small World」では、ベースのNIREさんがメロディをとり、KOUさんはコミカルにリズムを刻み、Mさんはエアピアノと彼ららしいアレンジに。そしてTVとYoutube両方で楽しめる番組”SPEED MUSIC - ソクドノオンガク”で披露されたばかりの「およげ!たいやきくん」はダーティーで怪しさいっぱいの大人アレンジ。曲は確かに子ども向け、でもアレンジやテクニックは大人の本気。それがH ZETTRIOが幅広い層のファンに支持される所以なのでしょう。
「夢と希望のパレード」「Get Happy!」に続いて「MESHI KUTTE YEAH!」。ステージと客席が一体となって盛り上がるライブに欠かせない曲、この日ももちろん大盛り上がりで前半を締めくくりました。

15分の休憩をはさんで、ライブは後半戦へ。Mさんは黄色、NIREさんは青、KOUさんは赤のチェックの衣装に着替えて再登場。「H ZETTRIO~!」というお子さんの声に嬉しそうに応えるメンバーたち。後半1曲目は「炎のランニング」。日が暮れ始めて寒くなる気温に反して、演奏はどんどん熱くなっていきます。ステージ後方にあった垂れ幕が取り外され、始まったのは3月の配信曲「Lovely」。そして5月の新曲「Virtual World(Jazz)」。彼ららしさとオリエンタルな雰囲気が融合した一曲。ライブに行くたびに新曲がいち早く聴けるのは毎月配信してくれるからこそ。4月配信の「Relax Time」と続き、NIREさんのベースとともに映像に表れたのは「NIRE The Bassman」の文字。この日初めて披露された新曲はタイトルどおり、NIREさんが主役となってステージをさらに盛り上げます。そして2月配信の「幻想ノスタルジック」と惜しみなく今年の新曲を聴かせてくれ、「次の曲はなんだろう?」というところで突然の「ありがとうございます!」の声に思わず「え~!?」と言ってしまうお客さんたち。
アンコールはこれまた6月に配信予定の新曲「気分上々-Woo-he!!-」を初披露。7月から始まる全国ツアーのタイトルにもなっているこの曲、配信されてじっくり楽しめるのが今から楽しみです。そして、ラストはやっぱりこの曲、「Dancing in the mood」。鍵盤の重さを感じさせない、まさに“無重力ピアノ”という言葉がぴったりのMさんの奏法に最後まで釘付けの一日でした。
少し肌寒い日でしたが、帰る頃には子どもから大人まですっかり満ち足りた気持ちになれた「こどもの日Special」。また来年もぜひ大阪で開催されることを願いながら、会場を後にしました。

INFORMATION

H ZETTRIO コンサート情報

公式HP:http://www.hzettrio.info