第33回神戸ジャズストリートが、10月11日（土）・12日（日）の2日間、三宮、北野町、トアロード界隈で行われました。前日にANAクラウンプラザホテル神戸で開催された、前夜祭の余韻が冷めやらない中、午前11時から阪急神戸三宮駅北側広場で始まりを告げるパレードがスタート。ジャズヴォーカリストの熊田千穂さんを先頭にマーチングジャズバンドによるデキシーランドジャズの演奏で練り歩き、ジャズファンや訪れた観光客を楽しませてくれました。

　神戸に本社を置く富士通テンが音を通じて社会に貢献するという理念のもと、2004年から継続して今年も神戸ジャズストリートに協賛。北野工房のまちでは、今年も演奏者として富士通テンビッグバンドが出演し、2ステージを披露しました。結成4周年を迎え、バンド結成時に取り組んだジャズのスタンダードナンバー『Moanin'』でオープンニングを飾りました。

　DAY by DAYでは、第15回神戸新開地ジャズヴォーカルクィーンコンテストで神戸ジャズストリート賞を受賞した、上杉亜希子さんのステージをはじめ、結成33年を迎えた神戸を代表するデキシーランドジャズバンドのロイヤルフラッシュ・ジャズバンド、ホットなデキシースイングを聴かせてくれる岡山デキシーブレンド、姫路を拠点に活動するキャッスル・ジャズバンドが登場し、ニューオリンズの街角で耳にするようなデキシーランドジャズのオンパレードで、ジャズの神髄を見せてくれました。

　神戸外国倶楽部の11日のエンディングステージでは、アメリカから来日したブルックス・テグラーをドラムスに迎え、Mom Dieuのスイング感あふれるジプシージャズの演奏で会場を沸かせました。ジプシーの伝統音楽とアメリカのスイングジャズが融合したスタイルと、ヴァイオリンが奏でる情熱的でありながら哀愁漂うメロディーに酔いしれました。

　今年もアメリカ、ドイツ、オランダ、フランスなど、世界各国のミュージシャンが多数参加。秋満義孝、北村英治、花岡詠ニら日本ジャズ界の大御所から若手まで総勢150人を超えるプレーヤーが集結しました。ジャズストリートならではの、夢のセッションや、この日のためだけの特別編成バンドも多数登場しました。

「ギネス級のベテランバンドの味のある演奏もあれば、神戸出身の若手トランぺッターのプレイも楽しめます。加えて、海外からのミュージシャンを迎え、神戸ジャズストリートでしか味わえないプログラムが魅力です」と話す、実行委員長を務める川崎啓一さん。
　台風の影響で天候が心配されましたが、2日間とも晴天に恵まれ、プログラムを片手に会場をハシゴするジャズファンや、ジャズの音色に足を止める観光客であふれ、どの会場も賑わいを見せた2日間でした。