さてさて、ちょっと久しぶりの神戸ジャズ探訪。関西ミュージックシーンには欠かせない、そして誰もが知っている「チキンジョージ」である。もうあまりにも有名すぎて、歴史ありすぎて、あらためての説明なんか何も要らないライブスポット。ってことでみなさん、サヨナラサヨナラ、サヨナラ、と終わるわけにもいかないのがツラいところだ、いくら淀川長治センセが神戸のご出身だったとはいっても。
まあね、三宮を山手に少し上って、生田神社を右手に見ながらコンクリート打ちっ放しの階段を降りたらすべてがわかるわけですよ、チキンジョージについては。
タワー・レコードとのコラボ・ポスター、一面に貼られたたくさんのフライヤー、そしてディスプレイされたこれまたたくさんのLPジャケット。サイン入りのものも少なくない。
それらが語りかけてくるのは、ミュージシャンがチキンジョージを愛しているし、ずっと愛してきたということなわけで。
かつて、この神戸の街も、誰もが想像すらしなかった震災で壊滅的な被害を受けた。そのことが信じられないくらい今の神戸はにぎやかで華やかだけど、大きな被害を受けたのはチキンジョージも変わらない。
お話をうかがった取締役の児島勝さんによると、震災の少し前に建て替えをしたばかりだったのだそうだ。それだけにダメージは大きく、一時休業をせざるをえないことになる。
名前は「チキン」だけれど、そのエネルギーはフェニックスのようだったに違いない。
もちろんそれは、お店のエネルギーだけでなく、音楽を愛し、この店を愛したたくさんのミュージシャンや音楽ファンによるものでもあったのだろう。ビルそのものの立て替えを経て、みごとチキンジョージは復活した。1980年の開店以来、去年でなんと堂々30年の歴史を迎えることになったのだ。