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ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.151
Record Bar BRAQUE

粋人達が愛するレコードの深い味わい
@神戸・元町

神戸っ子なら誰しもが通ったことのある賑やかな元町通。オシャレな洋食屋さんに立ち飲み屋さんが並んでも自然と馴染むのだから不思議なものです。異文化が混在するこの通りにあるのが今回ご紹介する「Record Bar BRAQUE」さんです。ビルの2階にあるお店へ階段で上がっていくと、踊り場の壁には洋邦ジャンル問わず懐かしのレコードが飾られています。「あ、これ昔流行ったよな〜。」「よく聴いたなぁ、懐かしい。」と言いながら階段を行き来するお客様もきっと多い事でしょう。お店に入る前から良い空気感を醸し出しています。
お店に到着すると物腰柔らかく穏やかなマスターの稲村秀樹さんが迎えてくれます。
入るやいなや、ゆったりとしたソファー(カリモク製!)、趣味良く飾られているレコードジャケット、そして様々なジャンルが詰まった約5,000枚のレコードが収められたレコード棚が視界に飛び込んできます。音楽好きには堪らない空間!

元町界隈、いや関西の音楽好きには既にご存知の方も多いこちらのお店。
生粋のレコード好きの稲村さん。2,500枚集めたらレコードバーを開きたい!という夢を実現、オープンされてから2019年12月で10周年。「BRAQUE」という名前の語源は稲村さんが大好きなフランスの画家、ジョルジュ・ブラックから。「当初はBRAQUEをブラキューと読まれる事もありました(笑)。ブラックという語感も好きですし、ブラックミュージックとも繋がるかなと思って命名しました。」と稲村さん。
これだけレコードを愛する稲村さんが初めて買ったレコードは?
「小4の時に買ったビートルズのホワイトアルバムですね。お年玉を貯めてなんとか買いました(笑)。収録曲のBlackbirdが好きで。」
おぉ、そこにも「ブラック」にまつわるキーワードが。なんだか今に繋がる縁を感じます。

稲村さんは来店されたお客様の年齢層に合わせてレコードをチョイス、そのレコードへのお客様の反応を見ながら更にセレクトしていく、まさにDJスタイル。お酒を作りながら主にシングル盤を選盤するのでレコードの交換も頻繁。忙しい作業ですが、その動作がとても好きな時間だとか。数あるレコードコレクションの中から、ジャズで自慢の一枚とリクエストした所、大事に取り出してくださったのは、ソニー・クラークの「クール・ストラッティン」オリジナル盤!す、すごく貴重ですよ、これは。なかなか拝めるものではございません。ターンテーブルに時折乗るそうですので、オリジナル盤の音を聴けた方は幸運ですよ〜!
「オープンしてから、あっという間の10年でした。」と稲村さん。印象深い出来事の一つとしては、作詞家の松本隆さんがテレビ番組のインタビューのロケ先にBRAQUEさんを選んでくれた事だそうです。レコード、そして音楽を愛する、街を行き来する粋人達からBRAQUEさんが愛される理由がこういったエピソードからも窺えます。
シングルモルトやベルギービールなどお酒も豊富な種類が取り揃えられており、お酒好きのツボを刺激してくれます。そして、あらゆるジャンルの詰まったレコードコレクションから稲村さんによる絶妙の選曲選盤で、きっとあなたの音楽の“ツボ”も大いに刺激される事でしょう。