スタジオfの録音レポート

Straight line

Straight line

no.31

平光広太郎さん愛用楽器紹介 — ピアノ

●メーカー、型番
YAMAHA CX-3
●選定理由、入手経緯、思い入れ
普段色んな場所で弾かせてもらいますが、グランドピアノで演奏する機会が多いので、練習するときもなるべく同じ状況で練習したほうがいいかと思い昨年購入を決意しました。グランドピアノを所有するのは1つの憧れでもあったので、30代になり気合いを入れるためにも、ちょっとがんばって新品で購入しました。(それまでは幼少期に両親が購入したヤマハのアップライトピアノを30年間使ってました)
●好きなところ(もし嫌なところもあれば・・・)
柔らかく丸い音がするのと、鍵盤の動きもスムーズです。新品の購入なので、癖がなく弾きやすいです。購入してからまだ1年半経ちますが、まだ木の匂いがして、気分がいいです。
●メンテナンス法、練習法
3、4ヶ月に1度調律してもらっています。夏や冬は練習の30分前くらいからエアコンを入れて、室温に楽器の状態を馴染ませてから弾くようにしています。
日頃の練習は、クラシックでも定番のハノンを使ってウォーミングアップするのが日課です。1〜30番と、スケール12キーを片手ずつやって30分〜1時間ですね。あとはその時々によって思いつきでアレコレ弾いてます。曲を作ったり、色んな人の演奏を聴いて譜面に書き写したり、色々ですね。
●今後手に入れたい楽器、理想の楽器は?
今の楽器が理想です。
●今回もご使用頂いたスタジオのピアノの感想
スタジオに置いてあるピアノは中々年季が入ってますね。鍵盤の動きにクセがあるので、簡単なピアノではないというのが正直な第一印象ですが、音色に関しては、調律師さんのこまめな調整と、エンジニアさんのマイキングのお陰か、意外にも(と、言ったら失礼ですが。。)透明感のある音色で、知らずに音源を聞いた人には、年代物のピアノで録ったとは気づかないんじゃないかと思います。ただ、その中にも枯れたコロコロした音色をしている感じはどことなくあって、まさに今回のバンドのサウンドにはハマっていると思います。
●お客様に届けたい音、聴いてほしいポイント
アコースティックサウンドにこだわった音づくりです。今回左右にトランペットとサックスを振り分けてミックスしたり、マスタリングでもエンジニアの長島さんに拘って作って頂いたので、個々の楽器が自然に聞こえやすくなっていると思います。
●その他今お使いになっている楽器にまつわるエピソードなど
仏壇のように毎日ピアノを磨いています。1年半立ちましたが新品同様にきれいです。

レコーディングの感想

平光広太郎さん
●今回のアルバム制作に対する想い
前回のアルバム制作から2年が経ち、それぞれの演奏スタイルが変化して来たので、そろそろ録音して今のバンドの状態を残しておきたいと思い制作を決意しました。コンセプトは1stアルバムと同じくストレートアヘッドですが、前作よりも幅広い曲調で楽しんで頂けるかと思います。前回のアルバムは私個人名義のアルバムとして、クインテットにしてはピアノがフィーチャーされる場面が多かったのに対し、今回のアルバムからは「Straight line」というバンド名をつけて、よりバンドサウンドを意識しました。それぞれメンバーがフィーチャーされる場面が増えています。
●レコーディング裏話
同じ場所、同じスタッフの方々にお願いして2回目のレコーディングだったので、前回よりもリラックスして演奏できました。一応立場的に私がリーダーのバンドですが、迷ったときはメンバーの意見にかなり助けて頂きました。
●ミックス/マスタリング終了後の感想
無作為に僕の所有してるCDを50枚ほど持って行ったのですが、これがかなり役に立ちました。往年のブルーノートの名盤から、最新のNew Yorkサウンド、普段一緒にやっているメンバーのCDなどランダムに詰め込んで聴き比べをしながら作業をすすめました。ミックスの日はひどい渋滞で、実は1時間以上到着が遅れてしまったのですが、その間に車の中で、同行したメンバーと色んなCDを聴きながら音づくりについて話合う機会ができたのが良かったです。(お待たせしてしまったスタッフの方々には申し訳なかったですが。。)特にドラムの海野さんはレコーディングの経験が豊富なので、とても的確にアドバイスして頂き感謝しています。
長島直乗さん(レコーディングエンジニア)

前作よりは、トリオの音が前に出ている感じにしたいな、と平光さんからオーダーが有りましたので、今回は少し変わったマイクアレンジになってます。ベースに関しては、大体いつもはマイク二本で録音するのですが、今回は、最近流行りのDPAのコンタクトマイクも使用してます。より楽器に近い位置で録音した音を混ぜる事によって、ミックス時にベースの位置を自在にコントロール出来るようにというのが狙いです。ピアノに関しても普段はコンデンサーマイクでの録音が大半なのですが、今回はダイナミックマイク(REー20)をメインにしています。これはピアノに被る管楽器の音のアンビエント感の問題ですね。コンデンサーマイクだと、感度が高いので音の被りも多くなります。対して、ダイナミックマイクだと鈍感なので、管楽器の被りの音も控えめで自然に聴こえます。ドラムに関しては、耳で聴こえる感じに近いサウンドにしたいという事で、オンマイクはあまり使わず、オーバーヘッドのマイクを強めにミックスしてます。全体的には、後付けのリバーブは控え目にして、アンビエンスのマイクをふんだんに混ぜて、スタジオでの生の響きを中心にまとめてあります。

今回で2作目となる平光さんのリーダーアルバム。

今作からはバンド名義ということで「バンドとしての音」を意識されたとのこと。録音当日も、まさにバンドの各メンバーの配置から丹念に組み立てられていきます。管楽器の配置と空気感、バンドの音の厚みと輪郭など一つずつ課題をつぶしながら調整が進み、正午過ぎには楽器もスタジオの空気になじみ、バンドとしての音が落ち着き始めました。午後からは一気に録音が進み、各曲2〜3テイクずつ収録し5曲ほどを終了した時点で折り返し地点を迎えることになりました。2日目の録音も順調に進み、全9曲を録りきる事ができました。ミックスでは各パートの音量バランス、響きや空気感、全体の雰囲気などを細かに微調整されていきました。今回の録音で一貫されて気を配られたのは、「耳で聴いた雰囲気、存在感、生っぽさ」ではなかったでしょうか。「ナチュラルな」とか「オーガニックな」というと、優しげな柔らかな雰囲気を受けがちですが、今回の生っぽさは、バンド名にふさわしい真っ直ぐな勢いを帯びた生っぽさを感じました。

Album Info.

「Waterfall」Straight line

  1. 01.
    Groovin'
    5:34
  2. 02.
    Out for a walk
    6:55
  3. 03.
    I'm wondering…
    6:41
  4. 04.
    Night
    6:17
  5. 05.
    Ugly beauty
    6:47
  6. 06.
    Deep ocean
    6:23
  7. 07.
    Waterfall
    6:46
  8. 08.
    Original jam
    7:10
  9. 09.
    Spring can really hang you up the most
    6:51

Live Info.

【New CD "Waterfall" 発売記念ライブ】

2016/1/29(金)三重県 四日市 Club Pazzo tel.0593-55-7088
20:00 start
三重県四日市市浜田町13-8 東海ボウル1F
http://www.club-pazzo.com

2016/1/30(土)愛知県 みよしカーデン tel.0561-35-5015
14:00 start
愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1
http://www.fm-beat.com/carden/

2016/1/30(土)愛知県 津島くれよん tel.0567-25-3272
19:30 start
愛知県津島市蛭間町字宮重582-2
http://www1.clovernet.ne.jp/j_crayon/

2016/1/31(日)東京 吉祥寺Strings tel.0422-28-5035
18:30 start
東京都武蔵野市吉祥寺本町 2-12-13 (TNコラムビル地階)
http://www.jazz-strings.com

2016/3/29(火)愛知 名古屋栄 Jazz inn LOVELY tel.052-951-6085
19:30 start
名古屋市東区東桜1-10-15
http://www.jazzinnlovely.com

2016/3/30(水)岐阜 BAGU tel.058-264-0224
20:00 start
岐阜県岐阜市神室町1(柳ヶ瀬レンガ通り)
http://www.bagu-jazz.jp

2016/3/31(木)石川 金沢もっきりや tel.076-231-0096
金沢市柿木畠3-6
http://www.spacelan.ne.jp/~mokkiriya/

2016/4/1(金)富山 入善タイム tel.0765-72-0051
富山県下新川郡入善町入膳5230-1
http://tabelog.com/toyama/A1602/A160203/16005709/

2016/4/2(土)静岡 浜松ビーフラット tel.053-435-5644
静岡県浜松市東区半田山 5丁目16-17
http://homepage2.nifty.com/b-flat/

☆会場により開始時間が異なりますのでご注意下さい。

Member Info.

平光広太郎 (ピアノ)
幼少のころよりクラシックピアノを始め、岐阜大学New Stars Jazz Orchestra、Liebe Parzeに所属したことをきっかけにジャズピアノに転向する。在学中よりジャズピアニストである水野修平氏に師事する。2009年4月から本格的に演奏活動を開始する。同年7月にはシアトルで開催されたCentrum Jazz Workshopに参加し刺激を受ける。現在、自己のグループを率い、各地で定期的に活動を続けている。その他にも様々なミュージシャンのサポートを行う等、東海地区を中心に活動中である。色彩豊かな力強い音色と繊細なフレージングには定評がある。
2012年9月『金沢ジャズストリート2012コンペティション』にてグランプリを受賞。2013年7月自己名義による1st CD “STRAIGHT LINE” をリリース。同年9月には韓国仁川で、10月には中国南京で演奏を行う。2015年からは名古屋を拠点とするミュージシャンが自ら企画するジャズフェスティバル”Jazz connnection in NAGOYA”を主宰するなど、活動の幅を広げている。

側島万友美 (アルトサックス)
高校在学中、「神戸スチューデントジャズフェスティバル」にて優秀ソリスト賞を受賞。大学卒業後土岐英史氏に師事し、アドリブ奏法を学びながら、ライブハウスでの演奏を重ねる。アルトサックスらしい艶と、独特のやさしい音色に定評があり、現在は東海3県を中心に活躍している。

小松悠人 (トランペット)
1983年生まれ。静岡県浜松市出身。 名古屋音楽大学器楽学科管楽先攻を首席で卒業。現在は活動の拠点を東京におき、自己のカルテット、ビッグバンド、ロックバンド、シンフォニーオーケストラ、アーティストサポート、レコーディング等で日本全国で活動中。 ブラックエレファンツ、氷川きよしコンサートツアーサポートバンド、C.U.G.Jazz Orchestraのメンバー。

日景修 (ベース)
1968年、秋田出身。名古屋を中心とした活動の他、吉田正広グループにて全国各地でのツアーを行う。大坂昌彦、川島哲郎、TOKU、納谷嘉彦、アレンファーナム、ジェフキーザー、ブルースバース等との共演の他、多数のレコーディング・ツアーに参加。小濱安浩グループにて韓国公演にも参加する。現在は、納谷嘉彦をはじめ数々のレギュラーグループ、多くのセッションで活躍中。名古屋音楽大学非常勤講師。

海野俊輔 (ドラム)
1979年、富山県魚津市生まれ。 大学在学中からプロとしての活動を始め卒業後に活動を本格化。2012年、堀秀彰(P)トリオで韓国テグInternational Jazz Festivalに出演、2013年に中川英二郎(Tb)カルテットでパリ公演を行うなど海外でも活躍の場を広げている。現在、中村健吾、金子健、植松孝夫、石崎忍、中林薫平、などのグループの他、サックストリオユニット"UNE"、自己のバンドやセッションなどで都内を中心に幅広く活動中。