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腹式呼吸を習うとき、以下のように教わる人が多いのではないでしょうか。 |
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これが第一の腹式呼吸「ふくへこ」です。 |
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腹式呼吸には二種類あるとする文献を見かけることがあります。「順式」と「逆式」です。 |
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順式とは、第一の腹式呼吸「ふくへこ」のことです。一方、逆式とは、 |
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この逆式呼吸こそが、第二の腹式呼吸「へこふく」です。 |
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ここで衝撃的な話をしなくてはなりません。残念なことに、第一の腹式呼吸「ふくへこ」も、第二の腹式呼吸「へこふく」も、どちらも管楽器演奏にはふさわしくないと考えられるのです。 |
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管楽器演奏に役立つと考えられる呼吸のひとつが、以下に紹介する「ふくふく」です。 |
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つまり、ずっと腹はふくらんだままです。尺八の奏法では、これを「密息」と呼ぶそうです。また、ヨーロッパの管楽器奏者はこの呼吸を使う人が多いとか。 |
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もうひとつ管楽器演奏に役立つと考えられる呼吸が「へこへこ」です。 |
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これは、太極拳の拳勢式呼吸などに見られるほか、クラウド・ゴードンの指導するチェストアップもこれに相当すると考えられます。 |
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ちなみにゴードンによる腹式呼吸批判は有名ですが、これは第一の腹式呼吸「ふくへこ」を批判したものだとすれば理解できます。「ふくへこ」は演奏に適さないからです。 |
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しかしながら、ゴードンの推奨したチェストアップもまた、広い意味では腹式呼吸の一種であると考えるのが合理的だといえます。 |
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そもそも「腹式」は「胸式」に対する概念。呼吸において腹部に影響が及ばないほど浅いものを胸式と呼び、腹部との連動が生じるほど深い呼吸を腹式と定義するならば、腹式には上記の四種類が基本形として存在するからです。 |
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次回は、どうして「ふくへこ」「へこふく」が管楽器演奏に適さないのかについてご説明しましょう。 |