レッツスタート!Chapter.1
呼吸法講座編「Brass Breath」
管楽器演奏の呼吸法には、いろんなアプローチがあります。実際の演奏状態に近いものから、身体づくりを目的とした基礎的なものまで。非常に複雑かつメカニカルな方法もあれば、シンプルで奥深いものもあります。
本連載は、主にブラス奏者を対象とした、シンプルな基礎的呼吸法をご紹介したいと思います。まじめに取り組めば、おもしろいように身体が変わっていくのを感じられることでしょう。金管楽器を主としておりますが、木管やリズム奏者が取り組んでも役立つ内容です。
PWIT[プイット]折返点漸離呼吸法 バックナンバー
折返点(すは点とはす点)が、だんだんと離れていく呼吸法です。すは点くんとはす点さんが「プイッ」とそっぽを向くイメージから、PWIT と命名しました。
とろ~んとした外柔芯剛の身体になり、鼻から吸って鼻から吐く「ニーノ」でやります。
息を1秒吸い、2秒吐き、3秒吸い、4秒吐き、5秒吸い、6秒吐き、7秒吸い、8秒吐き、9秒吸い、10秒吐き …という具合に、秒数を伸ばしていきます。29秒吸い、30秒吐くところまでやったら1セット終了です。
吸い続ける間および吐き続ける間は、空気の流量および息の速度が一定になるよう心がけてください。
肺を「ひとつの大きな袋」として感じるのではなく、無数の微小な袋(肺胞)の集合体であることを思い出しながらやるとよいでしょう。小さな小さな隙間に空気をしみわたらせるように吸い、その細かい隙間からしぼり出すように息を吐く練習です。
肺の容量は、自分で考えている以上に大きいと気付かれることでしょう。また、「もう吐けない」と思っても、そこからまだ吐く息が残っていることにも。
PWIT にはいくつかのバリエーションがあります。
1.すはさる(吸気を伸ばす)
1秒吸って、1秒吐いて、2秒吸って、1秒吐いて、3秒吸って、1秒吐いて、4秒吸って、1秒吐いて …というふうに、呼気の長さは一定で、吸気だけをどんどん長くしていきます。すは点が去っていくから「すは去る」です。30秒吸うところまでで1セット。
2.はすさる(呼気を伸ばす)
1秒吸って、1秒吐いて、1秒吸って、2秒吐いて、1秒吸って、3秒吐いて、1秒吸って、4秒吐いて …というふうに、吸気の長さは一定で、呼気だけをどんどん長くしていきます。はす点が去っていくから「はす去る」です。30秒吐くところまでで1セット。
3.ともさる(吸気、呼気ともに伸ばす)
すは点もはす点もともに去っていくのが「とも去る」。
a.パラレル
1秒吸って、1秒吐いて、2秒吸って、2秒吐いて、3秒吸って、3秒吐いて、4秒吸って、4秒吐いて …というふうに、吸気と呼気を同じ秒数にしながら、どんどん長くしていきます。30秒呼吸までやったら1セット。
b.ジグザグ
1秒吸って、2秒吐いて、3秒吸って、4秒吐いて、5秒吸って、6秒吐いて、7秒吸って、8秒吐いて …というふうに、吸気と呼気を交互にどんどん長くしていきます。
冒頭でご紹介したPWITは「ともさるジグザグ」だったわけです。
次回は、管楽器演奏に重要な「ボトミング」というトレーニングについてご説明します。
著者Profile
水行末(すいぎょうまつ)
ハイノート講座「タングマジック」プロデューサー。「まま呼息の発見」「楽呼吸法 ~インナー・ウォームアップの方法~」「ウォーター&ブレス」など呼吸法関連の論文多数。雑誌「楽器族。ブラストライブ」では「音楽家のためのメディテーション "ねこ気功" 入門」を連載中。合奏音楽のための国際音楽プロダクション「ワールド・プロジェクト・ジャパン」代表。
http://www.wpjapan.com/
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