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ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.98
JACK ROSE

やっぱりここは、あこがれの北新地。
@大阪・北新地

折しも時は黄昏時。
紅い灯・青い灯がポツポツともり始める頃である。
しかも天下の北新地、ドレスアップしたお姉さん方がごくナチュラルに行き交う夜の街。
近いうちにうかがいますね〜なんて顔見知りの焼き鳥屋のご主人や寿司屋の女将に言いながらちっとも行けていないという、僕にとっては不義理のカタマリのような街でもあるのだが(笑)。

華やかで、また賑やかな新地の中にJACK ROSEはある。
新地の中では東寄りと言っていいのかな、大きなホテルのそば、ほらあの、歴史のある感じのタクシーの会社があるじゃないですか、あの近くですよ。
レンガの外装も美しいビル、1階にはいかにもおいしそうな洋食のお店がある。
エレベーターで5階にあがればもうそこがジャックローズである。

お話をうかがったのが現オーナーの寺沢富士子さん。富士子さんが二代目で、ボーカリストでもあったロージー寺沢さんが初代ということになるのではあるが、残念ながら昨年、多くの人に愛されたロージーさんは鬼籍の人となり、富士子さんが遺志を継いだという形である。
音楽シーンでの活躍だけにとどまらず、テレビ出演も多かったロージーさん。
人徳といういうものはこういうことなのだろう、今でもロージーさんを慕うお客様は多く、ジャックローズに集う人は単に「ジャズが好き」という音楽ファンだけでないようだ。新地とはいいながらもお店自体はぐっと気さくで、新地的な気取りなどまったくないあたり、そのお人柄が偲ばれる。
いや、それについては僕が多くを語る必要もないのだろうが…。

ライブは毎日、ジャズだけではなくポップス、ラテン、ボサノバなど、ジャンルは幅広い。
あの上田正樹氏が登場したこともあるそうで、あの声がここで、手が届くくらいの距離で聴けるなんてのはちょっとない機会だろう。
曜日ごとにレギュラー出演しているミュージシャンも、関西ジャズに詳しい人なら「あ、あの人が!」という重鎮揃いである。

文化的な部分では、関西圏でもつい軽んじられがちな(この意味、おわかりですね)大阪の街。
こういう厚みのあるお店を見つけるたび、お、けっこうやるじゃん!と思うのである。

昔に比べればぐっと低くなった北新地の敷居。
とはいえ、今でもオトナの街であることに変わりはない。
「気軽にライブを楽しむ」ということをきっかけに、この街と音楽を再発見していく。
そんな楽しみの出発点としても大いに『アリ』なお店なのかもしれない。

人生なんてあっという間である。ムダにできる時間などないのだから。