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ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.73
Motion Blue yokohama

すべてが絵になる赤レンガ倉庫のライブスポット
@神奈川・横浜

これ以上ロマンチックな風景ってあるんだろうか。
海、空、風、埠頭、桟橋、豪華客船、ベイブリッジ、観覧車、公園、汽車道、街路樹、モダンな高層ビル…。
そしてこの風景の極めつけ、「ロマンチックのシンボル」ともいうべき横浜赤レンガ倉庫。
今回ご紹介する『Motion Blue yokohama』はこの赤レンガ倉庫2号館の3階にある。
赤レンガ倉庫は保税倉庫として明治44年に竣工。平成14年には広場と公園を備えた商業施設として、ベイエリアの代表的な観光スポットに生まれ変わる。エレベーターに向かう通路には、多くのお店が立ち並び、平日だというのにカップルや家族連れ、観光客で賑やかだ。
3階に着くと入り口には入場カウンター。クールな出で立ちは今日も変わらずオシャレ。
「周辺が再開発された10年前に、大人のためのスタイリッシュなジャズ・ライブレストランとしてオープンしました。お客さまに感動して頂ける場所をめざし、ジャンルを問わず、あらゆる音楽が演奏されています」とMotion Blue yokohama広報宣伝の新沼耕太さん。
なるほど、手元のライブスケジュールを見ると、ジャズ、J-POP、R&B、レゲー、ファンク、ロック、ワールドミュージックとさまざまだ。またジャズも「Jazz」表記以外にCrossoverとかSmooth Jazz、Club Jazz、Latin Jazzなど誰にでも内容が分かるように表示されている。

「CDが売れなくなったこの時代、ライブハウスの役割はむしろ明確になったのではないでしょうか。アーティストがいてお客さまがいる。音楽があって食事があって、海と街が織り成すパノラミックな夜景がある。そんな分かりやすい「場所」に、まずはいらしていただき、そこではじめて演奏されている音楽に興味をもっていただく。特にジャズの場合、『聴いてみたいけど難しそう』というイメージから、一般の方は、いままではなかなか足を運びにくかったのでは。魅力的な空間があるからこそ、ごく自然に音楽に接することができる。間口を広げることでファンも増え、ホンモノの音楽もまた育っていく、と考えています」と新沼さん。

ううむ、そういえば思いあたることがある。
夏の初め、ここで聴いた『EQ & 村田陽一SOLID BRASS』のライブでのこと。EQ:小池 修(ts) 青柳 誠(p) 納 浩一(b) 大坂昌彦(ds)。村田陽一SOLID BRASS:村田陽一(tb) 西村浩二(tp) 菅坡雅彦(tp)竹野昌邦(wood-winds) 山本拓夫(wood-winds) 佐藤 潔(tuba)という顔ぶれから、さぞコアなジャズファンばかりが来ているだろうと思いきや、ほぼ満席の観客の7割が女性。しかも派手な声援つき、という意外な客層だった。演奏する側もきっと新鮮に感じたにちがいない。盛り上がったライブだった。

「あの時もEQをご存じない方が、かなりいらしたはず。彼らの音楽を知っていただくいいきっかけになったと思います。これからもそうした場をつくり続けていければ」。
そうですよねえ。まずみんなにジャズを聴いてもらわなくちゃ。ジャズファンとしては。
「音楽が趣味、という方が大勢ご来店される一方で、ディナーを楽しむカップル、結婚記念日のご夫婦、会社帰りの友人同士、と本当にお客様はさまざまです。フードメニューも、フレンチベースのコース以外に、軽いおつまみやボリュームのあるサイドメニューと、お客様のシーンに合わせてご用意しています。Motion Blue yokohamaではどなたでも気兼ねなく、音楽と食事を楽しんでいただける場所。クリスマスにはスペシャルなライヴとディナーをお楽しみいただけます。これからの季節、この周辺は本当にきれいですよ」と新沼さん。
ステージ両脇の窓からは海と客船、ベイブリッジが見えている。絵画のような美しい風景の上にイルミネーションがきらめいて、夕暮れはいっそう華やかだ。
あーあ、音楽もいいけど、なんだかここにいると、うっかり恋をしてみたくなるなァ。
チェット・ベーカー『I Fall In Love Too Easily』のように。