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ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.61
グラバー邸

宙に浮かぶジャズとお酒の空中庭園
@大阪・谷5

大阪城からもほど近い大阪は谷町五丁目。正直言って、ちょっとジャズのお店って感じではない立地である。
しかもビジネス街にあるビルの、しかも9階というフロアなのだ。ジャズ探訪記でも路面店・地下店以外のお店はほんの数軒しかない。この9階という高さはレコード・ハイといっていいだろう。

エレベーターを降りると、いや、これが実に気持ちいい空間で…。
窓も広く視線をのびのびと遠くまで投げることができる。ナントカと煙は…なんていう悪口もあるけど、やっぱりこんな場所って自然に気持ちがほどけてきますね。ここ数年多くなってきているテラス席のあるカフェやバル、あんな感じかもしれないなあ。

さて、オーナーの辻崎英晃さんはなんと36歳(!)、ジレとネクタイがオシャレに決まるハンサムガイ。しかも元・証券マンというから異色ですよねえ。
ジャズとの出会いはいわゆる「ジャケ買い」、リー・モーガンのレコードを聴いたのがジャズの魅力にハマるきっかけになったんだそうだ。その後エラ・フィッツジェラルドの「マック・ザ・ナイフ」とか、好きな曲がどんどん増え、ついにお店を開くことになったというから運命とは不思議なモンです。しかも開店の後押しをしてくれたのが奥様なのだとか。いやあ、なんとも奥様もオトコマエだ。

そんな奥様とお客様に支えられてはや4年と少し。常連のお客さんも趣味人が多いのか、壁に飾られた絵画や版画もそんなお客さんの提供ということだ。そんなふうに、「この店をもっと素敵な店にしたい」と思う人が多いってことでしょうねえ。いや、お気持ちはわかります、こんな気持ちいいお店は多くありません。オープンな感じというかコージーな感じというか。そのうえなんとも清々しい印象なんですよねえ。

ライブはほぼ毎日、カウンターに置かれたスケジュールを見ると「今、観ておかなきゃ!」というミュージシャンが並んでいる。こんな気持ちいい空間で好きな音楽を間近で聴けるなんてすばらしい!
オススメは「ピュア・ラブ」というカクテル。フランボワーズを使ったもので、これはどこでも飲めるってわけにはいかないようだ。そんなお酒こそ、好きな人と、いい音楽を聴きながら飲みたいじゃあーりませんか。
グラバー邸は、実にそんなふうなお店なんでした。

ところで不思議だったのは、ちょっとジャズっぽくないお店の名前「グラバー邸」の由来だけど、これは辻崎さんのお母様が長崎出身だからとのこと。グラバー邸を上空から見ると、四つ葉のクローバーの形をしているんだそうだ。お店のロゴが四つ葉のクローバーなのもそれにちなんでいるらしい。なんとも平和で、ラッキーカムカムないい名前じゃありませんか。