ジャズ探訪記 バックナンバー
●JK CAFE
降っても晴れても、朝から晩まで@高槻
阪急高槻市駅を降りて、商店街を歩く。
駅周辺には東西南北、縦横に商店街が並んでいてとてもにぎやかだ。さて、これから訪ねるのは、高槻ジャズストリートの発祥の地ともいうべきJKカフェ。
いい感じに時代のついた白木造りの外観は、ジャズのお店と言うよりちょっと山小屋とかロッジふう。店の前は全面が大きなドアと窓というしつらえで、とーっても開放的な印象だ。

店内も広々。いや、おおげさじゃないんです。
カウンターの長さはゆうに10メートルを超えてるんじゃないかな?その他にも、ゼッタイ居眠りしてしまいそうな、革張りの巨大なソファ席も4席。しかもまだ二階席もあるというのだから驚きである。

実は、僕は数年前にもこのお店に来たことがある
そのころ僕はジャズよりもエスプレッソにハマっていて、どこかおいしいエスプレッソが飲める店はないかなあ?と探していたのである。そんな時にたまたまライブを聴きに来たのがここで、頼んだエスプレッソの味が実においしくて、驚きもし嬉しかったのをよく覚えている。
「ああ、そりゃ嬉しいですねえ。『やるんだったらちゃんとやろう』というのが僕たちの方針なので」
というのは店長の中野さん。なんとオープン前には、オーナーと先代の店長さんが本場イタリアにまでバリスタ修行に行ったという凝りよう。アルコール類も、系列店のバーテンダーさんと相談しながら出しているということだ。




でもそれなのに、フードもソフトドリンクも、どれも300円(笑)。でも安いからいって油断しちゃあいけません。味はホンモノなんですからね。
その証拠というかなんというか、とてもクールで繊細な感じの中野さんなのだけど、店を語る言葉はだんだん熱を帯びてくる。それはこのお店にかける気持ちの熱さでもあるんだろう。

お話をうかがっていて素晴らしいと思ったのは、「この街でカフェをやっている」という姿勢。
単なる飲食店、ライブスポットではなく、地域の交流拠点としてやっていきたいという気持ち、これが嬉しいじゃありませんか。だってカフェってそもそもそういうものだったんですもんね。

ライブは毎日、土日祝にはふたつのバンドのライブを聴くことができるんだけど、おもしろいのはミュージックフィー。ライブを終えたミュージシャンはバケツを持って客席にやってくる。つまりこのバケツに、それぞれに「チップ」みたいにしてお金を入れていくのだ。

朝は10時から開いてるし、スペースはゆったりだしエスプレッソはおいしいし、毎日ライブが楽しめるし。
いいことづくめで、いや、まことに気分がヨロシイ。
お店を出ると、雨はいくらか激しくなったようだ。でも、そんなことは気にならないほどいい気分で駅への帰り道を辿ったのである。こんな雨の日は、ミステリでも読みながら夕方までねばっていてもよかったかなあ…。

JK CAFE
●大阪府高槻市城北1-2-8
●TEL:072-671-1231
取材日:2010.6.18

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