ジャズ探訪記 バックナンバー
BAR Wishy-Washy
今回のお店は「うしわし」です。
「今回のお店は『うしわし』。」
電話で打ち合わせしたときのことである。
「うしわし」?牛鷲?グリフォンとかキマイラみたいみたいな、とってつけたような想像上の怪物を思い浮かべてしまったのだけれど、名前だけではなんとも判断のしようがない。まあともかく行ってみるべ…と思って出かけたのは西梅田、桜橋の交差点近く。
ビルの3階と聞いているので、看板でもあるかな?と頭上を見上げながら歩くと、あ、ここか!
うしわし、ではない、「Wishy-Washy」なんである。いや、だからといって意味がわかったわけではないんだけど…。

エレベーターを待ってるとクリスさんと鉢合わせ。やっぱりココでよかったんですよね。一緒に3階に上がると、こぢんまりとした店構え。小窓から見える灯りがなんとも暖かい感じだ(いいお店って、だいたいこの辺りでわかるモンなんですよねえ)。
ドアを開けると、ゆるく孤を描く木のカウンターと林立するお酒のボトル。磨き上げられたグラスも整然と並んでいる。迎えてくださったのは、杉本謹一郎さんと奥様の京子さんである。

こちらのお店はいつ頃から?
「2001年のオープンなので今年で3年半になりますね、クリスさんもその頃からのお客様で、ブラインドフォールドテスト大会の初代チャンピオンなんです」
ブラインドフォールドテスト大会って、ソムリエさんがワインの産地とかブドウの品種を当てるアレですよね。それをジャズで、曲を聴いてプレーヤーの名前とか曲名を当てようというテスト大会で、いまやWishy-Washyの名物だそうだ。
えー、そりゃおもしろい(もちろん僕は一問だって正解できないだろうけど)!でも、お聞きすると、チャンピオンですら、正解率は4~5割。最高でも7割に届くかどうか…?というからかなりの難関である。

こんなマニアックなクイズはオリジナルの手書きジャズ新聞にも掲載されている。ブラインドフォールドテストに参加できない人もけっこう楽しめるわけだけど、例えば、ってことで引用すると。

 

「次の五枚のアルバムには、DANCEという文字のついた、それぞれのピアニストのオリジナル曲が入っている。その曲名をカッコから選んで番号で答えてくだされ」

 

…………

 

わかるかいっ!!!
ここにちゃぶ台があったら晩ご飯ごとひっくり返すところである。
いや、きっと僕にわからないだけで、「あー、それはね」なんていうマニアが、ジャズの猛者がいるんだろうなあ。ふと横を見るとクリスさんも「えー、なんだったかなー??」なんて言ってる(笑)。




わわざわざ東京から帰阪するして参加する人もいるという、超マニアックなこの大会を企画しているのは京子さん。
なんでまたこんな企画を(笑)?
「ジャズ界にはたくさんのミュージシャンがいて、それぞれに楽器に精通してますよね。なかには複数の楽器を弾きこなす人もいたりして。ひとつの楽器にも精通できていない自分が悔しくて…(笑)。かわりに。曲や演奏には精通してやれ!ってことで」
まあジャズ好きが高じてマニア度が高くなった…と素直に聞いてもいいんだけど、考えようによっては、京子さんは「ドS」なんじゃなかろうか。
しかし、京子さんも謹一郎さんも明るいんですよ。口の端を歪めて笑っているようなヒネたマニアさはみじんもなくて、店内には笑いが絶えない。ジャズだけでなく「フュージョンも積極的にかける」という姿勢もちょっとめずらしい。このあたりもマニアと思えない(笑)やわらかさ。
これも関西のエエとこですねえ。

音楽ソフトのコレクションはおよそ2000枚。映像ソフトも豊富で、現在500本ほどあるそうだ。BSなどでチェックした映像もだんだん増殖しているようで、アニタ・オデイとかの珍しいものあるのだとか。こちらは謹一郎さんの担当で、お二人の分担(?)がお店の雰囲気に相乗効果を及ぼしている…といったところかな。音だけでなく、映像もコミで楽しめるってのは楽しそうだ。さらにまた、映像からのマニアネタも増えそうだなあ。

お酒ももちろんマニアックなところまで充実しているが、オススメワインなんかを黒板に書き出してあるのもお客さんには親切な心遣い。一人で来られる女性のお客様も少なくないそうだ。自家製のアイリッシュ・ソーダブレッドやホットサンドをつまみながらジャズ話をしていると確かに時間を忘れそう。もっとも「ジャズ初心者の方も疎外感がないように…」という心遣いがあればこその明るい雰囲気なんだろうな。

さて、いつになったら、この「Wishy-Washy」という不思議な店名の由来がわかるんだ?なんて思ってる読者の方。それはヒミツです。
…いや、ぜひお店でご確認ください。
ちなみに、ネタ元はある人のセリフ。いかにもクイズ好きな京子さんのネーミングだけど、C.BROWNとだけ言っておきます。でもマニアな京子さんのことだから、素直に「クリフォード」なんかじゃありませんよ(笑)。

BAR Wishy-Washy
●大阪市北区曾根崎2-2-5 第3シンコービル3F
●TEL:06-6346-3238
取材日:2009.4.13
●http://www.sutv.zaq.ne.jp/wishy-washy/
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