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ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.148
ジャズの聴ける理容室 JIMMY JAZZ

店主の「こだわり」が随所に詰まった寛ぎの空間
@大阪・西淀川

 大阪からも尼崎からもアクセスの良い、JR東西線「御幣島駅」。
駅から降りて地上に出ると、なんだか初めて来たのに懐かしさを覚える街の風景。
昔からありそうな会社や工場もチラホラ見かけます。駅から歩いて約5分、府営住宅の1階にお昼間から煌々と輝く赤いネオンの看板に引き寄せられると今回のお店、「JIMMY JAZZ」に到着です。外観からして理容室というよりジャズクラブのような佇まい。ジャズ好きにはこの時点でたまらなくくすぐられる雰囲気です。

 オーナーの貴堂行雄さんがご実家の理容室から独立して自分の城を構えたのが1988年。そもそも貴堂さんのジャズとの出会いは、ご実家で働いている時の経験がキッカケ。
どんな曲を店内に流したら一番フィットするだろう、その問いに答えてくれたのが「ジャズ」だったのです。それから独立に至るまで、時間がある時は当時の趣味であったオートバイを駆り、ジャズスポットガイドを片手に全国のジャズスポットを回って、来るご自身のお店のオープンまで見聞を広められたそうです。「静岡県焼津市にあった、ジャズの聴ける旅館、“志太温泉旅館 元湯”にも行きました。“ジャズの聴ける理容室”の元ネタですね(笑)。」と貴堂さん。電話や飾ってある写真など、一つ一つのアイテムにこだわりを感じます。お店自慢のスピーカーと共に目に飛び込んでくる、堂々と飾られている鹿の剥製には、これまた貴堂さんの想い出が。こちらについてはお店に行かれた際にご本人に直接聞いてみてはいかがでしょうか。いや、鹿といえば…と思い当たる方は相当なベテランジャズファンの方でしょう。

 店名からして、ジャズファンのお客様が多いイメージがありましたが、そういったお客様は意外にも全体の1割にも満たないそう。しかしオープン当初、ジャズ喫茶と間違えて入って、そのまま散髪してから常連になった方もいらっしゃるそうです(笑)。ジャズの部分はもちろん魅力ですが、貴堂さんの理容師としての確かな技術と、きめ細やかな配慮が多くのお客様に支持されているんだなぁと感じました。最近は世界的なバーバーブームで若いお客様も増えてきているそうです。
「若い頃は売り上げを伸ばそうとか周りの人に負けたくないとかあったけど、今は楽しくやれるのが一番ですね。」とおっしゃる貴堂さん。そんな貴堂さんが今とてもハマっているのがスイングダンス。「ジャズが好きで何十年も生業にしてきたのに、何で今まで巡り合わなかったんだ!」とおっしゃるほど、その魅力にドップリとのめり込み、スイングダンスのイベント等で神戸にも頻繁に行かれているそうです。また最近は登山にも挑戦、近々の野望は富士山の頂上で仲間と共にスイングダンスを踊ることだとか。実現した際は是非お店のブログにアップしてくださいね~、貴堂さん!(笑)。