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ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.123
Music Academy BACKSTAGE

力を抜いて、小粋にいきましょ。
@兵庫・宝塚

手塚治虫記念館や、もちろん宝塚大劇場にも近い、阪急今津線は逆瀬川駅。西宮北口からこちらに向かう電車の車窓からも綺麗な桜の花が臨まれる住宅街だ。梅田からでも30分と少し、意外なくらいご近所さんなのである。
そんなところに今回のお店「Music Academy BACKSTAGE」がある。「駅を背に、坂道をほんのちょっと歩いたところの緑色のテントが目印」と聞いた通り、すぐに見つかった。

入口から地下に。
ひょっとして薄暗いようなお店なのか?と思ったけどさにあらず。いくつもある窓からは明るい光が差し込んでくる。清潔感のある、きれいで落ち着いた空間だ(ちょっと安心)。こんなところなら気持ちよくレッスンが受けられそうだ。
リッチな感じのテーブルに椅子、CDがびっしりと並ぶカウンター。お酒のボトルが並んでいないのはちょっと不思議な感じ(いや、ライブの時とかもちろん飲めるんですよ)がする。

お邪魔した時もちょうどボーカルレッスンの途中、「酒とバラの日々」を歌う心地よい声が聞こえて来た。なるほどMusic Academyである。

オーナーの松岡一平さんにお話をうかがう。
松岡さんが脱サラしてお店を開いて早や13年。それまでは23年もお勤めだったのだそうだ。
ご自身もサックスプレイヤーで、あの古谷充さんにも師事されたとのこと。その時にやたら「歌え!」と言われたらしい。「サックスを習ってるんだけどなあ」と思いつつも歌っていると「楽器でもそれと同じようにやれ」と。
この意味、とてもよくわかる。松岡さんの今の音楽との向かい合い方はこの辺にもルーツがあるんじゃなかろうか。
とはいえ、お父さまもジャズドラマーだったそうで、「おやつの時にはエリントン、ゴハンの時にはベイシー」みたいな家庭ではあったらしい。そういう意味では英才教育を知らず知らずのうちに受けていたわけですね。

「日本人は、ジャズを難しいもの・敷居が高いものと考えがち」とおっしゃる通り松岡さん、ご自身でもプレイされ、ライブの企画や指導もされて、さらに中古楽器の販売も手がけるというゴリゴリの音楽漬けの生活のはずなのに、ジャズと向き合い方が堅苦しくないのがおもしろい。というのも、波乱万丈の人生、そのひとつ「大学で落語の研究」をされてたことも関係ありそうだ。なにしろ楽しいのである、お話ししていると。

ジャズボーカリストを講師とするボーカル専科の他に、「カラオケみたいにジャズを気楽に歌いましょ」という松岡さんが指導するボーカル副科。こういう発想は、ちょっとないような気がする。
そしてもちろん、ピアノやギター、サックスなど他の楽器のクラスもある。
おもしろいのは、妙に人気のあるワクというのがあるらしい。
種明かしをすると、「夏の夜の最終レッスン」。ま、その秘密は、直接松岡さんに聞いてみてほしい(笑)。レッスン内容やライブ予定はぜひホームページをチェック!とーっても意外なクラスもあります(笑)。

音楽をどこまでもマジにやるのも悪くはないけど、「まず楽しむ」ことはとても大事だと思うのだ。そしてその楽しみが自分の幅を広げ、人生を豊かにしてくれる。楽器を演奏することもきっと同じだ。逆にいうなら、その人の音楽を広げ、深めてくれるのは、きっと「人生を楽しむこと」だろうと思うのだ。