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ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.120
DEAR LORD

読みにくいけど行きやすい。
@大阪・放出

「読みにくい」って言っても「空気を…」なんて意味ではなく。地名の話である。
関西にもいくつか難読地名があるけど、「放出」ももちろんそのひとつ。
「十三(じゅうそう)」、「水走(みずはい)」、「杭全(くまた)」…。
他にもきっとあるんだろうけど、ちょっと考えただけでこんなにある。関西の人間にだってそうなんだから、他の土地の人には読めないんだろうなあー。
とはいえ、距離的には大阪駅からだってすぐ近く。とってもご近所な街なのだ。

放出駅北口を出て、通りを横断。営業中なら小さな看板が出ているけど目印がちょっとわかりにくいかな、でも改札が見える距離。これがなにより目印になるかもしれない。
まずは階段を4階へ。
ドアを開けると、なんともこぢんまりとしたお店である。でも一つ一つの席を見ると「なるべく数を突っ込みました」みたいなかんじではなく、実にゆったりとした椅子が並んでいる。こんなところでジャズ聴きながらお酒でも軽く飲んじゃうと昼寝でもしたくなりそうだ。

迎えてくださったのはオーナーの酒井さん。ボブの似合う、ステキなマダムである。
お聞きすると、そもそものきっかけは京都のジャズ喫茶でアルバイトをしたことなんだそうだ。以来お店からは遠ざかっていたものの、ご主人がジャズ好きでご自宅にもレコードプレイヤーがあったり、ドラムの練習をされたりジャズの話をしたりという日々が続いていたらしい。
そしていわゆる「子育て」も落ち着いた5年前の秋、DEAR LORDの開店となったというわけだ。
なんでも、犬の散歩の途中でたまたまこの店が空いていたいるのがわかり、つい家賃を聞きに行ってしまったというのがおかしい。それから後は坂道を転げ落ちるように開店をきめてしまった、とも(笑)。

ライブは年に10回ほど、でも音源を持ち寄っての「リスニング大会」も開かれているらしい。

スピーカーは小ぶりながらJBL、さすがにいい音だ。そして、なんというか特等席みたいなところもあるのである。お気に入りの一枚を持って、この席に陣取っていい音楽を聴いてみたいものだ。

そして、もうひとつ特筆すべきはスイーツである。あれ、こういうお店にしてはえらく完成度の高い…と思っていたら、なんでも通りを挟んだお向かいにあるパティスリー・アルモンドさんからの仕入れなのだそうだ。女性には嬉しいところだなあ、甘いもの好きなオトコ(僕のことです)にもとても嬉しい。

じつはスピーカーや客席と反対側には天井まで届くCDラックがあったり、ジャズ関連の雑誌・書籍もびっしりと並んでいる。ジャズビギナーにもマニアにもなにかと嬉しいお店である。
昼営業ももちろんされているが、ちょこっと時間のある午後や夕方、環状線や片町線に乗る機会があったらぜひ立ち寄ってみてほしい。
神様とすばらしい椅子に体も心も一時あずけて、ゆーったり音楽を楽しもうじゃありませんか。