KOBEjazz.jp

ジャズを愛するすべての人へ。こだわりのジャズ情報を富士通テンがお届けします。

ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.107
HIMEJI JAZZ SPOT LAYLA

ゆったり構える反骨のココロ。
@兵庫・姫路

いやあ、ついに来ましたね、ここは姫路市。改装も終わってピカピカに輝く白鷺城のお膝元である。関西圏に限れば、ジャズ探でも極北ならぬ極西の地、神戸や大阪にはないのんびりした空気に包まれたのどかな街である。
そんな街を北上。白銀通、塩町通、魚町通、と通りの名前も楽しいですね。

さて、白銀通りを西に折れ、しばらく歩くと小さな公園。その手前の歴史のありそうなビルの3階が目指すLaylaである。
「ライラ?レイラ(クラプトンの)じゃないの?」と思ったアナタ。正解!おそらく多くの人がそう思うんじゃないかな、でもこれにはワケがあるのです。ま、それは置いといて…。

とりあえずは階段で3階へ(お店と関係はないけれど、この階段の手すりがいいんですよ。今時こんな木の手すりなんかなかなかお目にかかれません)。2階にも美味しそうなお店があるんだけど、ここでひっかかっちゃあいけません。赤いサインがかがやくドアが入り口である。

オーナーは楳井(うめい)さん。
なんとこの店を開いてもう44年になるという。しかも、その前職は某・信用金庫。そのお仕事を5ヶ月で辞め(笑)店を開いてそのまま今日に至る…ということらしい。当時23歳!爾来このお店だけ、他の店や仕事は一切していないというからすばらしい。いや、なかなかこうはいきませんよ。

高校時代からジャズにハマり始め、大学時代から少しずつレコードを集めるようになったという楳井さんを驚かせたのは、スタン・ゲッツの”JAZZ SAMBA”。今となってはなんの不思議もない、心地いいジャズだけれども、当時「こんな音楽は聴いたことがなかった」のだそうだ。僕自身は当時のジャズシーンを知らないのだけど、その感じはよくわかる気がする。
楳井さんにとってはある意味、その後の人生を変えた一枚だったのかもしれない。そういうことがあるんですよね、出会いってのは。
いまでもこんな感じのがお好きですかと?と聞くと、今でも好きなのはマイルスだとおっしゃる。なるほど、先進的、革命的なニュアンスがありますもんね。

とはいえ、楳井さんご自身はまったく気難しい雰囲気のないヒトで。
「店を開ける…というより、自分がジャズを聴きに、お酒を呑みにやってくるって感じですかね」なんておっしゃる。さすがにグラスを傾ける手つきもキマっているのですね。そして話せばいろんな話ができる。きっと楳井さんと話に来るんですよね、多くのお客様が。
歴史が長いせいもあるけど、30年ぶり40年ぶりにお店を訪ねるお客様もいるとか、ライブのある日には大学のジャズ研のコたちが「ライブが聴けるだけでいい」と手伝いに来てくれる…なんてのもきっとお人柄ですね。

取材を終えて、ぼちぼち失礼しようか…と思っていると、「まあ元気で楽しくいきましょ」とひとこと。このひとことの深さたるや。
あ、そうそう。
店名のLaylaとは。
パレスチナ解放を訴えて活動した女性革命家の名前。チェ・ゲバラと双璧の、革命戦士の名前なのだそうです。

ライブも定期的にあり、週一でセッションデーも。姫路界隈のジャズファンには貴重な貴重なお店である。