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ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.105
PianoCLUB

小さなちいさな木漏れ日のような…
@兵庫・西宮

実は初めてなのである。「さくら夙川」駅に降りるのは。
駅としてはとても新しいこの駅、なんともおだやかないかにも夙川らしいたたずまい。天気のいい日に、川沿いのどこかでピクニックにでも来たくなるようなところなのである。心地いい川風に吹かれながら駅から歩いてほんの数分、迷うことなどない、2号線を渡ればすぐそこにPianoCLUBのサインが見える。

階段を降りると、もうそこがお店である。
オーナーはみね栄二郎さんと岩崎恵子さん。
なんでも去年の6月にオープンしたとおっしゃるから超・新店と言っていい。この連載も100回を超え、歴史のある老舗を紹介することも多いので、かえって新鮮である。

さてお二人は、ともにジャズミュージシャン。みね栄二郎さんはサックスプレイヤー、岩崎恵子さんはピアニスト&コンポーザーである。
なんというか、人と人が繋がっていく基地が欲しいねえ…と話していたのがこのお店を開くきっかけだったのだとか。なるほど、人と人、音と音のつながりこそが音楽といえるかもしれない。その延長というべきか、3枚めとなるオリジナルCD「岩崎恵子門下生 コンポーザーズアルバム」は富士通テンのスタジオで録音され、なんとビッグバンドもフィーチャーされたアルバムになっている。みねさんはその昔、いろんな音楽番組の伴奏に欠かせなかったビッグバンドのコンマスでもあったそうで、そのご経験もここに生かされているのかもしれない。お二人を介して、いろんな人が繋がっていってるわけですね。

さて、驚いたのは奥に鎮座しているピアノ。
この「ジャズ探訪記」比較的初期に紹介した元町・JUST IN TIMEにあったピアノなのだとか。
残念ながらジャストインタイムはクローズとなったけど、縁というべきか運命というべきか、ここにやってきて第二の(?)人生を歩むこととなった。不思議といえば不思議な巡り合わせである。そして、このピアノ、ヨーロッパの泣く子も黙るブランド…ってわけじゃないけど、「いいピアノ」として知る人ぞ知る良い楽器なのだとか。
そして、それもこれもミュージシャンたちのつながりによってここにやってきたというから、いやあ、人生とは結局、人と人とのつながりなわけですねえ。

そうそう、音楽の話ばかりじゃなく、呑兵衛としては言っておかなきゃいけないことがあって。
このお店にいわゆる「ビール」はないのである。
置いてあるのはみねさんが選んだベルギービールがほぼ10種。
このごろでこそよく知られるようになったベルギービールのいろんな味わいがここに来れば10種ほどは楽しめるわけである。
ビールサーバーから注がれる生ビールもベルギービール、シロクママークもかわいいVEDETTである。人気はあるあらしいけど、あの「超・乾いてる」とかではないわけで、ホントのビール好きにも嬉しいところ。
さらにフードも充実していて、ピッツアやパスタ、ほかのおつまみもいかにも美味しそう。乾きモノがいけないわけじゃないけど、やっぱりあったかい食事って幸せですよね、とくにこれからの季節には。スコッチもラフロイグやボウモアなんてのが揃っているのがいいですねえ。

味わい豊かなベルギービールを飲みながら、あるいはスモーキーなスコッチのグラスを傾けながら。
あまりむつかしいことなんか考えず、ゆっくりジャズを味わうのもいいじゃありませんか。こんな秋の夜にはね。