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ジャズピープル

飾らない、カッコよさ。

現在流れている携帯電話のCMで颯爽とサックスを吹く姿が印象的な矢野沙織さん。16歳にしてSAVOYレーベルからセンセーショナルなデビューを飾って以来、国内外でライブを中心にTV番組のテーマソングやCM曲を手がけるなど、幅広い活動で活躍されています。今回は6月30日、大阪の老舗ジャズライブハウス・ミスターケリーズでの演奏で、素敵な音で酔わせてくれたばかりの矢野さんにお話をうかがいました。

person

矢野沙織さん [サックス奏者]

1986年生まれ、東京出身。9歳でアルト・サックスを始める。チャーリー・パーカーに衝撃を受けジャズに傾倒、14歳からライブ活動をスタート。2003年、16歳でジャズの名門SAVOYレーベル日本人アーティストとしてデビュー。2007年花王ASIENCEのCMに出演し、同CMで使用されたオリジナル曲を収録した「矢野沙織 BEST ~ジャズ回帰~」は第22回日本ゴールドディスク大賞 ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。2015年に11枚目のアルバム「Bubble Bubble Bebop」をリリース。

interview

「場の空気によって全然違った演奏になる」、その瞬間、その空気を音楽にするライブ。




Photo by Syuntaro Maeda

── ライブお疲れ様でした。すごく熱い演奏で、カルテットの息もぴったりで楽しかったです。

矢野「ありがとうございます。ミスターケリーズさんには3年ほど前からちょくちょくお邪魔してます。アットホームでお客さんも熱くて、素敵なライブハウスですよね。ライブの編成は地域によって変わるのですが、ピアノの後藤(浩二)さんは名古屋の方で、名古屋ではいつもご一緒させていただいてます」

── 大阪の街やファンの方ってどうですか?

矢野「いろんな人がいますよね、圧倒的に(笑)。お客さんも土地柄でわりと似た感じの雰囲気をお持ちだったり、だいたいこんな年齢層の方が、というふうに傾向があるんですけど、大阪はそれがないんですよね(笑)。バラエティ豊かにいろんな方が聴きに来てくださるのが楽しいですね」

── メンバーだったりファンの方々の雰囲気で、ライブのアドリブって変わったりするものですか?

矢野「全然違いますね。たとえば今日の大阪のメンバーだと盛り上げてくれるのが本当に上手なんですよ。だから何も考えずにノッていけばいいやという感じで、楽しく演奏させていただきました」

── 今日の演奏はすごく熱い感じでした。こういうのもやはり土地柄が影響するんでしょうか。

矢野「しますします。大阪だからだと思いますね。メンバーもそうだし、お客さんもそう。会場の雰囲気もそうだし、やっぱり場の空気というのは大きいですね。ライブの醍醐味ってそういうものだと思いますし、その日その日で全然違ったりしますね」

── 同じ関西ということで、矢野さんは2013年の「神戸元町ジャズピクニック」に日野皓正さんとクインテットとして神戸にも来られていますよね。神戸の街の印象とか覚えてますか?

矢野「もちろん覚えてます。そのときのこともそうですが、私はジュエリーやアパレルも好きなので、ファッション関係は神戸が発祥、本店のお店ってすごく多いじゃないですか。だからオフでも行きましたし、好きな街です」

── 発祥といえば、神戸は「日本のジャズの発祥の地」でもあるんですよ。…横浜と神戸で争ってる気がしますが(笑)。

矢野「どちらでの街も港町で風情があっていいですよね。全然違った印象だし、神戸は神戸の、横浜は横浜のいいところがあるので両方とも好きな街です。」

── 確かにどこが発祥とかよりも、今ジャズが盛り上がってるかどうかの方が大事ですね(笑)。是非また神戸のライブで、神戸ならではの矢野さんの音を聴かせてください。

「これまで支えてくださった方に、ありがとう」、来年15周年を迎えて、さらにパワーアップ。


Photo by Syuntaro Maeda

── 2003年にデビューされて、来年15周年を迎えられます。中学校を卒業して渡米、CDデビュー後は高校に通いながらのプロ活動、とても大変だったと思います。振り返ってみて、どうですか?

矢野「うーん、本当にあっという間でしたね。気がついたらこんなに経ってたという気がします(笑)。でも、これだけ長い間演奏してこれたのも支えてくれた方、応援してくださった方がいたからこそなので、感謝しかないです」

── 最近はライブ活動をメインにご活躍されてますが、来年に向けてアルバム制作とか期待してもいいのでしょうか。ほかにもなにか企画されてますか?

矢野「乞うご期待ください!」

── 最後になりますが、矢野さんに憧れる若いサックス奏者の皆さんに一言お願いします。

矢野「私自身もそうだったのですが、プロになりたいと思う子は、たぶんどんな環境からでも出てくるんです。逆に、趣味や部活で演奏を楽しむことも、それはそれですごくいいことだと思うんです。だから、その人なりに自分にとってベストなカタチで音楽やジャズと付き合っていければいいんじゃないかなと思います」

── それってすごく大切なことだと思います!今日はどうもありがとうございました。

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