Denso Ten

Jazz People

米澤美玖 インタビュー
~やりたい事をあきらめない~

2019年発売、5枚目のアルバム「Dawning Blue」がAmazon日本のジャズ部門で93日間のトップセラー1位を獲得するなど、活躍から目を離せない若手サックスプレイヤーの米澤美玖さん。今秋行われたツアーで神戸を訪れた彼女に、これまでの活動や今後の展望、プライベートに至るまでざっくばらんにお話を伺いました。

Person

米澤美玖

北海道旭川市出身。8歳よりテナーサックスを始め、11歳でビッグバンドに入りジャズを始める。尚美ミュージックカレッジ専門学校ソロプレイヤーズコンテスト金賞受賞。現在、自らのリーダーライブでは青柳誠、松本圭司、岡田治郎、川口千里、則竹裕之など、国内のトップミュージシャンとの共演を重ねるほか、世界的に活躍するキーボーディスト氏家克典スーパープロジェクトの正規メンバーとしても活動。デビッドマシューズビッグバンドやGLAYのTAKUROのソロプロジェクトのツアーにも参加。そのほかスタジオワーク、サポート、セッションなど多くの一流ミュージシャンとのライブ共演も多く年間のライブは150本以上にも及ぶ。ジャズ~ファンクを中心としつつもジャンルにとらわれない幅広い演奏活動をする今最も注目されている若手女性サックス奏者である。2018年5月4日に発売した3rd AlbumはAmazon日本のジャズ部門29日間ベストセラー1位、iTunes Store Jazzのトップアルバムを記録。さらに2019年リリースのジャズバラードアルバムはAmazon同チャート93日間のトップセラーを記録した。現在ラジオのパーソナリティとしても活躍中。

Interview

インタビュー協力:神戸 SwingJazzCruise2019実行委員会副委員長 青木寿太

初めてテナーを吹いたときにビビビッと来た

── 実はずっと以前から伺ってみたかったんですが、マウスピースが黒デュコフですよね。あまり市場に出ていないものなのにどうやって確保しているんですか。

休みの日にマウスピースの旅をしていた時に(笑)渋谷でたまたま入荷したのに出会ったんです。色んな性格を持っている感じが好きで使っているんですが、確かに手に入りにくい物なので落としたら終わりですね(笑)

── 長年キャノンボールをお使いですが、何かこだわりがあるんでしょうか。

これは使用して4年目ぐらい…ですかね。エレクトリックサウンド、フュージョン系が多いので。音が好きというのが一番の理由です。

── 米澤さんはテナーサックスをずっと演奏されています。テナーって珍しいなと思うのですが。

アルトも持ってるんですが指定されない限りはテナーですね。自分の曲にはソプラノの方が合うなという時もあるんで、曲を作るときにソプラノも使ったりします。

── 凄く早くテナーサックスを始められていますよね。

小3から吹奏楽をやっています。中低音域が好きだったみたいで、初めてテナーを吹いたときにビビビッと来たというか(笑)今もベースとかの音が好きだったり、中低音域に惹かれるみたいですね。小学校から入れるビッグバンドがあって5年生から始めて、吹奏楽とビッグバンドを並行してやっていました。たまたま旭川のその吹奏楽が練習に熱心なところだったので、テナーを吹く時間が長くなってしまって(笑)

── ステージでは青系の衣装や羽飾りが特徴的です。

青系が好きで…あと、身長が155cmしか無いんですね。それでテナーサックス持ってる自分とのバランスを見て、身体が大きく見えるように意識して衣装を選んでいます。

── 以前は海軍帽をかぶっていらっしゃいましたがあれはもしかして…

あれは個人的にちょっとかっこいいのが欲しいなと思って自分で買ったんですが、デヴィッド・マシューズさんと一緒にライブをしたことがあったので「ファンになったの?」って思われてるみたいで(笑)単にああいうのが好きで買ったんです。でもサイズが大きすぎてずれてきちゃうんで最近かぶってない(笑)

── 最近こだわりのファッションはありますか?

そうですね…ヘッドドレスとかで羽まみれにする(笑)でも時々はシンプルに全身真っ黒みたいのも好きです。


虫を食べている…?

── 話は変わりますが虫、食べていますよね(笑)

(笑)ツイッターで虫食べたいなってつぶやいたらお客さんが差し入れて持ってきてくださって。そこから続々と虫を頂くようになりまして(笑)単純に食べたことが無いたんぱく質に興味があっただけだったんですが。

── 栄養源(笑)

そうなんですよ(笑)それがなんだか虫が好きみたいになっちゃって(笑)

── 体力づくりや体づくりで他に心がけている事ってありますか?

運動ってほとんどしなくて…たまに夜歩いたりはするんですけど、ライブ後や打ち上げ後が多いので、ウォーキングというより深夜の徘徊…?(笑)サックスを吹いたり、ツアーをやったりで体力はつきますね。

── 普段どんな練習をしていらっしゃるんですか。前にデクスター・ゴードンの「I guess I'll hang my tears out to dry」って曲をフルコピーしてyoutubeに上げていらっしゃいましたよね。ソロって他にもやってらっしゃるのかなって。

最近は時間があるときにライブとは別の練習でやったりしますね、なかなかアップできないんですけど。

── 今のフュージョンとかエレクトリック系っていつごろからやってらっしゃるんですか。

元々好きなんですけど、高校ぐらいからですかね…聴くようになって。それまでは吹奏楽とジャズばかりだったんですが。


神戸はハイカラ!

── 色んなアーティストさんがツアーされる際に、東名阪が多いので神戸ってなかなか来てくださらないんですけど、選んでくださった理由ってあるんでしょうか。

元は先輩のミュージシャンに紹介頂いたのがきっかけなんです。せっかくなのでセッションでやりたいなという事で、このスタジオKIKIさんでは結構ツインドラムでやらせて頂けたり、お客さんとコミュニケーションをはかる時間が取れるので以前やらせて頂いたんです。今回はライブだけなんですけれど、色んな方と交流できるツアーになればいいなと思って。

── 今年2月にこちらでライブされていた時もお邪魔したんですが、セッションに参加したかったです!

わ、ありがとうございます!セッションって勇気いりますよね。何もできないで終わる…みたいな(笑)

── そうなんです。どうしよう…と思ってる間に終わらせてくれてた、みたいな。いつ頃からセッションやアドリブについて学び始めたんですか?

上京して音楽の専門学校に入ってからですね。そこで色々セッションの授業などでも学びました。地元の学校ではビッグバンドが無かったので一般のバンドに参加していたんですが、椎名豊さん、エリック・ミヤシロさん、チックコリアさんなどがゲストで来てくださっていて、凄い世界だったのに当時は中学生だったのでよく分かってなくて(笑)凄さが分からないから逆にフレンドリーにいけるって感じで。エリックさんの隣でソロを吹いてても全然緊張しないんですね、今だったら絶対無理!ってなるんですけど(笑)

── (笑)エリックさんは神戸のジャズイベントにもよくいらっしゃって、馴染み深い方です。米澤さんは神戸の街の印象っていかがでしょう。

ハイカラ!!街並みがどんどんおしゃれになっていて、ブランド力もあって凄いなぁと思います。今日お天気が良かったんでポートタワーの辺りを散歩してきました。綺麗な街ですよね。来年2月にまたツアーをするので来れたら良いな。

── 神戸でライブをされる際のお客さんの印象や特徴ってありますか?

神戸の方ってハイソでクール系のイメージだったんですが(笑)凄くフランクな雰囲気で声をかけてくださったりして、楽しくて凄く嬉しいです。


学生の皆さんへアドバイス

── KOBEjazz.jpでは若い世代の活動支援にも力を入れているんですが、プレイヤーを志す学生の皆さんへアドバイスなど頂けますでしょうか。

私も若輩者なのでおこがましいと思うのですが、仲間をたくさん作るのってとても大事だと思います。練習は勿論大切なんですが、それは皆さん分かっていると思うんです。仲間は、切磋琢磨しあったりこの先一緒に仕事をしたり、仲間から繋がりが広がって行く事でプレイヤーとしての世界が広がるんじゃないかなって。

── ありがとうございます。今後目指すところはどういった活動でしょうか。

個人的な技術や吹き方、ニュアンス、曲に多様性を持たせたいとは思います。どんどんマニアックになっちゃうんですが(笑)自分のやりたい事をあきらめない、という想いを大事にしたいです。47都道府県ライブツアーをしたいなという野望もあり…(笑)
来年は新しい感じのカヴァーアルバムを企画していて、そちらも楽しみにして頂きたいです。


47都道府県、是非お願いします!来年の活動もとても楽しみです。今日はどうもありがとうございました。

 

※黒デュコフ:非常に希少でなかなか手に入らないマウスピース。
※キャノンボール:アメリカの楽器メーカー。輪郭のはっきりした音が特徴。
※デヴィッド・マシューズ:アメリカのピアニスト。親日家で2013年に日本に移住。キャプテンハットがトレードマーク。
※デクスター・ゴードン:アメリカのテナーサックス奏者。(1923年2月27日 - 1990年4月25日)