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ジャズピープル

昭和音楽大学Lily jazz orchestra

学生による学生ビッグバンドを紹介する企画。今回は、昭和音楽大学Lily jazz orchestra(以下、リリー)です。創立4年目のまだ新しいビッグバンド。バンド名のリリーは昭和音楽大学のある小田急線「新百合ヶ丘駅」にちなんで命名されたそうです。メンバーは昭和音大の学生のみで構成されています。ただ、普段学んでいる音楽がジャズばかりではないため、それがリリーの音楽らしさにつながっているとか。コンサートマスター春木さんとバンドマスター伊藤さんにいろいろとお話しを伺いました。

interview

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メンバー1人ひとりがしっかり自分の音楽を持っている




──  昭和音楽大学リリーについて教えてください。

春木「昭和音楽大学リリーは、創立4年目とかなり新しいバンドで、現在メンバーは30人程度います。このバンドでは、1年生から4年生まで同じバンドに所属していて、Jr・Regがありません。」

伊藤「また、この昭和音楽大学にはジャズコースだけでなく、クラシックコースやポピュラー音楽コースなど様々なコースがあって、このサークルはジャズコースの人がメインですが、ポピュラー音楽コースやピアノ演奏コース、弦・管楽器コースなど、普段クラシック音楽を演奏している人も参加しているのが特徴ですね。」

──  そうなんですね、ジャズコースの人だけで構成されているのかと思っていました。普段クラシックをやっている人とジャズを演奏するのは面白そうですね。

伊藤「そうですね。リズム隊やサックスはジャズコースからメンバーが集まるのですが、金管はなかなかいなくて…笑 クラシックの子たちに頼っています。 練習は週に2回で、合奏のみです。」

──  練習はどこでやっていますか?

春木「この校舎(南校舎)の1階にアンサンブル室という部屋があり、その部屋を毎回借りて練習する形ですね。このサークル独自の部屋はありません。 」

──  普段どんな曲を演奏しますか?

春木「本当に様々なジャンルの曲を演奏しますね。メンバーそれぞれがやりたい曲をみんなで選びます。毎年固まってはいないのですが、なんとなく一貫したカラーがありつつ、いろんな曲に挑戦しています。」

伊藤「スウィング、ファンク、コンテンポラリー、何でもやります!笑」

春木「雑食バンドですね笑 」

──  どんな場所で演奏をしていますか?

伊藤「毎年決まった演奏機会は夏の山野BBJCだったり、1月のリサイタルだったり、これは音楽大学特有なのですが、8月に音楽大学の学バンが集まって一緒にライブをやる Jazz Conservatory という企画があります。洗足音楽大学さん、国立音楽大学さんのバンドと一緒に演奏します。また、大学の学祭で演奏しているのに加えて、Student Jazz Festivalという、山野の高校生版のような大会にゲストとして出演させていただいています。エリック・ミヤシロ先生や本田雅人先生とコラボして演奏させていただいたこともあります。」

──  今年度の活動の中で特に力をいれているのは?

春木「それだけ、というわけではないのですが、やはり山野が一番大きな本番になっていますね。その山野に向けて、元々ある曲のやり方を変えてみたり、いろんなことに挑戦したりしています。」

伊藤「今年は山野に向けて初めての挑戦として、夏合宿に行きます!今までよりも気合いを入れてやってみようという試みですね。ただ、リリーは山野を最終的な目標にしているわけではなく、山野も4年目なので更にスキルアップした演奏をしたい、そしてもっとバンドとしてまとまることができたらな、というのが一番の理由ですね。 」

──  お二人にお聞きしますが、普段の活動の中で楽しいと感じる瞬間はどのような時でしょうか?

春木「今年のバンドになって、私自身かなり一杯いっぱいになってしまって、楽しい瞬間がたくさんあるというわけではないのですが、、例えば毎回合奏をすると違って聞こえるのが面白かったり、リリーはサークルの時間にしか会わない人も多いのですが、合奏の中でどんな人なのかが見えるのが面白いです。 合奏って、みんなで会話しているということだと思うので、演奏しているのを聞いて、そういう人なのかな…って笑 あとは、合奏中に私だけではなくて、いろいろな人が意見を出してくれるじゃないですか、そんなときに、あ、みんなで音楽作ってるな、って感じられてとても楽しいです。」

伊藤「あーわかる、私も大体同じですね。特に音大っていうのもあるのですが、メンバー1人1人がしっかり自分の音楽観を持っていて、普段学んでいる音楽がジャズばっかりじゃないっていうのも、リリーの音楽らしさに出ているというか、例えばクラシック的な吹き方が上手い人からもっとこうした方がいいんじゃないか、という意見がいっぱい出てきて、それらの意見をまとめて音楽を作っていくというのが一番楽しいですね。 」

──  なるほど、じゃあ毎回で出てくる意見が違って、合奏のたびにいろんな発見があっていいですね!

春木「みんな意見をズバズバ言ってくれるので…笑 ここはこうしてみた!みたいな、それぞれが考えてきてくれたことを発信してくれるので、毎回が新鮮で楽しいですね。 」

──  今年度のバンド目標はありますか?

伊藤「あんまり決めてなかったね笑 」

春木「そうですね笑 えっと、みんな音大生なので、こうやってやりたい!っていうのが強いのですが、そればっかりじゃなくて、こっちが楽しんで演奏しないと聴いている方も楽しくないと思うので、私たちも楽しんでお客さんを楽しませることができるバンドにしたいな、って思います。」

伊藤「一応プロフィールにはエンターテインメントバンドを目指す、と書いているのですが、選曲や演出、衣装などを場所やお客さんに合わせて考えていて、本当にステージングっていうパッケージで考えるバンドにしたいんです。その中でいろんな曲を練習していて、どんな場面にも対応できるように頑張っています。 あとは、みんなと仲良くなりたいですね笑 特にリリーは昭和音大の人しかいなく、それぞれがレッスンに授業と忙しく、サークルの時間にしか顔を合わせないので、その短い時間にみんなの考えや気持ちを汲み取る必要があるのですが、やっぱり仲の良さって演奏に出ると思うので、単純にもっと仲良くなって、バンドサウンドにまとまりをもたせたいですね。 」

春木「演奏面もそうなのですが、性格面でも癖の強い人が多いので…笑」

──  そうなんですね(笑) 。じゃあさっき話されていた夏合宿はとてもいい機会になりそうですね!

伊藤「そうなんです!楽しみです!笑 夏合宿もそうですが、リリーはまだ4年目のバンドということで、新しいことばかりでなかなか大変なのですが、これからどんどん成長していっていいバンドにしたいです。」

──  最後に何かお伝えしたいことなどあればどうぞ!

伊藤「全国どこでも行くし、なんでもやりますのでお仕事をください!笑笑 」

春木「本当にそうですね!笑 私たちのパフォーマンスをいろいろな場所で披露したいです。 」

伊藤「あはやっぱり他の学バンさんとも仲良くしたいですし、もっと言えば音大とか普通の大学っていう垣根なしに、社会に出ていきたいです。まだまだ若いバンドなのでこれからですが、ぜひ応援していただけると嬉しいです!」

──  今日は本当にありがとうございました!

Written by Ryuta Uchida

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昭和音楽大学Lily jazz orchestra

[About us]
2015年結成。昭和音楽大学唯一のビッグバンドジャズサークルであり、ジャズコースのみならず、ポピュラー音楽コース、弦管打楽器コースより多くの学生が参加している。バンド名は昭和音楽大学のある小田急線「新百合ヶ丘駅」にちなんで命名。トラディショナルな楽曲から最新の楽曲まで幅広く挑戦し、メンバーによるオリジナル曲のレパートリーもある。結成して間もないながらも、3年連続で山野ビッグバンドコンテストに出場するなどエネルギッシュに活動中。百合の花言葉は「純粋」。日々純粋に楽器と音楽そして自分自身に向き合い、美しいサウンドを奏でることを目指し、さらに聴く人々を魅了できるようなエンターテイナーバンドを目指している。

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