バックナンバーページへ

ConcertReport・コンサートレポート

KWANSEI GAKUIN UNIVERSITY [K.G.SWING CHARIOTEERS 2011] RECORDING REPORT

関西学院大学 K.G.Swing Charioteers 2011 レコーディングレポート/2011年12月3日(土) 富士通テン本社「スタジオf(フォルテ)」

 昨年8月に開催された第42回山野ビッグ・バンド・ジャズ・コンテスト(以降、山野BBJC)において、関西学院大学 K.G.Swing Charioteers 2011がベストランクアップ賞を受賞。副賞として贈呈された、バリトンサックス奏者の長島一樹さんによるクリニック[ 野中貿易(株)提供 ]に続き、12月3日に富士通テン本社のレコーディングスタジオ「スタジオf(フォルテ)」で、メモリアルCDのレコーディングが行われました。

レポート
PAGE TOP

リハーサルから始まって、4時間にも及ぶレコーディング。

 クリニックで長島一樹さんの「リラックスして臨んで」とアドバイスを受けて、レコーディングの日を迎えた、関西学院大学K.G.Swing Charioteers 2011のメンバーたち。初めてのスタジオでのレコーディングに緊張と興奮は隠せない。当日は午後4時過ぎにスタジオ入りし、コンサートマスターの喜田一央さんの指揮のもと、6時過ぎまで念入りにリハーサルを繰り返します。

 そして、いよいよ本番。クリニックで指導を受けた「ライク・サンダー」と、「デル・コラゾン」の2曲を、それぞれ2テイクずつ収録して休憩に入ります。メンバーはコントロール室に集まり、各自が気になる部分をエンジニアと確認し、細かな修正をして後半に臨みます。後半は「マイナー・ワルツ」をバージョン替えで2テイク、「ライク・サンダー」と、収録は順調に進みますが、レコーディング開始からすでに2時間以上が経過し、メンバーの気力も体力も限界に近づいてきます。タイムリミットが迫るなか、6回目となるラストテイクで、喜田さんが「自分のミスで手を挙げるのはなしにしよう。もし、ダメなら俺が手を挙げるから」と、メンバーに呼びかけます。最後は見事な一発録りで「デル・コラゾン」を演奏し、レコーディングは終わりました。
「自分たちがめざしているものが、録れたかというと及第点レベルですが、今の私たちの状況を考えれば70点くらいでしょうか。1回1回の演奏をもっと大切にしていたら、もっとスムーズにできたかもしれません」と喜田さん。

 テイクを何度も繰り返し、スタジオ入りから4時間という長丁場になりましたが、最後はメンバー全員の笑顔で無事に終了。何もかもが初めての経験も収録を終えると充実感と達成感でいっぱい。レコーディングという貴重な時間をメンバーで共有し、またひとつ大きく成長したバンドのさらなる活躍と、アルバムの完成が楽しみです。

インタビュー
PAGE TOP

きれいなスタジオを見て、テンションが上がりました。

今回のレコーディングを終えて、コンサートマスターの喜田一央さん(Tp)にお話を伺いました。

——レコーディングを終えて今の気持ちは?

「トラブルがあって大変でしたが終わってホッとしました。うちのメンバーは気持ちにムラがあり、気を抜いたら違う方向に行ってしまうので、リハーサルのときからみんなの気持ちをまとめることに集中しました」

——納得できるレコーディングになりましたか?

「当初、収録は4曲を予定し、3テイクずつ録ってベストを選ぶつもりでしたが、時間が足りなくなってしまいました。最後に『デル・コラゾン』を選んだのは、この曲は場面転換が激しく集中力がいるのですが、最初の段階で録り続けても意味がないと思い、1回目を収録した時点で、もし、取り直すのであれば最後にしようと決めていました。気持ちの面で影響する曲なので、最後に集中してやろうと思いました」

——ご自身の演奏はどうでしたか?

「トランペットは高い音を出すとバテると言われますが、スタミナを使い切らないように吹き続けるのは大変でした。レコーディングは強い精神力がいるので、スタジオミュージシャンはすごいなと思いました」

——スタジオf(フォルテ)の印象はどうでしたか?

「機材の規模と質が全然、違いました。聴かせていただいた音もきれいで、音の広がり方もひとつひとつの音がクリアなので、1本1本の音が豊かでした。スタジオのレコーディングは未知の体験で楽しかったです」