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ConcertReport・コンサートレポート

STUDENT JAZZ FESTIVAL in HAMAMATSU ’11

スチューデント ジャズ フェスティバル イン 浜松 ’11/2011年10月15(土) アクトシティ浜松・中ホール[静岡県]

レポート
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音楽のまち・浜松で、小・中・高校生ジャズ・オーケストラが熱演

 音楽を中核とした都市づくりを目指す浜松市のイベント、ハママツ・ジャズ・ウィークは、今年で20周年を迎えました。2001年にその一環としてスタートした“スチューデント ジャズ フェスティバル イン 浜松”は、今年も地元を中心に日本各地の小・中・高校生のバンドが出演。中には10時間以上、バスに揺られて参加した学校も。また被災した東北から仙台市立仙台工業高等学校が招待され、全10校が若さあふれるのびのびとした演奏を披露しました。
講評はシャープ&フラッツのリーダー・原信夫氏とトロンボーン・プレイヤーの中路英明氏。

 出演した学校の中には、“ジャズ初心者”の学校もありましたが、子どもたちは臆することなく「仲間といっしょにやるからワクワクする」「ジャズはノリノリで楽しい」と、終始堂々とした演奏を聴かせます。
ジャズを始めて数ヶ月、という浜松市立開成中学校は、今回のイベントの2週間ほど前に、原信夫氏のクリニックに参加。フェスティバル当日は「わずかな時間でよくぞここまで上手くなった。上達の早さに驚かされます。」と原氏も絶賛。また市内11校から選抜された98名のメンバーによる浜松市小学校合同吹奏楽団も「音楽のまちにふさわしい、素晴らしい演奏」と好評でした。

 各学校の演奏終了後に、講評の両氏から送られるコメントは「もっと大きなノリでうたおう」「管楽器とリズム隊のバランスを考えて」(中路氏)など、どれも初心者や観客にとっても分かりやすく、また子どもたちへの愛情にあふれた内容が心に残りました。
最後は各学校の選抜メンバーによるバンドに、ゲストのチャリートさんと中路英明氏を迎え、『All Of Me』『The Chicken』など、5曲のスタンダード・ナンバーを披露してフィナーレを飾りました。子どもたちにとっては、年齢の違う他校の生徒や、プロとともに演奏するという、この催しならではの貴重な体験ができたのではないでしょうか。

 今回はハママツ・ジャズ・ウィーク20周年を記念し、優秀団体に3賞が用意され、『ヤマハ賞』は冨士学苑高校、『静岡放送・静岡新聞社賞』は羽黒高校、『浜松市長賞』は笹下中学校へ、それぞれ贈られました。
“スチューデント ジャズ フェスティバル イン 浜松”は、地域が「音楽のまち」としての誇りを持って、その教育に力を注ぎ、子どもたちを暖かく見守っている様子が全面に現れた大変好感の持てるイベントとして、今後も定着していくことでしょう。

コメント
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紺野光之さん(浜松市長賞受賞 横浜市立笹下中学校 SASAGE JAZZ ENSEMBLE ORCHESTRA 顧問)

さまざまなフェスティバルに参加させていただき、ジャズを演っている同年代の人たちと交流することによって、いろいろな刺激を受け、多くのことを学ぶことができます。
子どもたちは、フェスティバルに参加するごとに演奏会とはまた違った目標を持って練習に励んでいます。また、自分たちの練習の成果をプロの先生方に講評していただくことによって、新たな課題と目標を見つけられることが嬉しいようです。

出演バンド

  • 名古屋市立向陽高等学校 軽音楽部 Seven Sounds Jazz Orchestra
  • 羽黒高等学校 Haguro Persimmons(山形県)
  • 名古屋市立守山西中学校 ジャズアンサンブル部
  • 浜松市立開成中学校 吹奏楽部
  • 仙台市立仙台工業高等学校 ブラスバンド部
  • 浜松市小学校合同吹奏楽団 合同吹奏楽団
  • 伊丹市立伊丹高等学校 ICHI☆ITA JAZZ Ensenble
  • 横浜市立笹下中学校 SASAGE JAZZ ENSEMBLE ORCHESTRA
  • 和歌山県立日高高等学校 Hidaka Big Band
  • 富士学苑中学高等学校 Moon Inlet Sounds Orchestra

取材協力:BIGBAND!編集部