部活動に青春を捧げているのは高校球児だけでなく、ビッグバンド部の皆も同じ。神戸文化ホールで開催される中高ジャズバンドの祭典、スチューデントジャズフェスティバルが今年も8月21日22日の二日間に渡って開催されました。26回目となる今年は、過去最多となる39校が参加、ゲストも守屋純子さんや古谷充さん、グローバル・ジャズ・オーケストラと豪華な顔ぶれ。特にここ数年は関西圏以外からも、東京や愛知、広島、茨城など遠方からの参加も増えており、音楽イベントとしても年々パワーアップしている模様。
1校の演奏時間は12分。その12分間に、これまでの練習の成果をすべて出し切らなくてはいけないと気迫のこもったステージが続きます。この日のために夏休みを返上して猛特訓した部や強化合宿を行った部などもあり、特にこの舞台がこれまでの集大成となる3年生の熱演からは目が離せません。また、カウント・ベイシーからスタンダードナンバー、ラテンなどさまざまなセットリストやお揃いのTシャツ、ネクタイなどのステージ衣装も各校の個性が光り、会場を楽しませてくれます。
どれも甲乙つけ難いのですが、今年の神戸市長賞を勝ち取ったのは中学校の部は甲南中学ブラスアンサンブル(兵庫県神戸市)の皆さん。名門の名に恥じない堂々たるプレーでダニー・オキーフのGood Time Charlie、Crazy rhythm、Off the Hookの3曲を演奏してくれました。この日のために岐阜県で合宿、缶詰で練習してきたというから驚き。今日はその成果としての受賞、おめでとうございました!
そして高校の部は、強豪を勝ち抜いて兵庫県立高砂高等学校ビッグ・フレンドリー・ジャズ・オーケストラの皆さんに栄冠が輝きました。全国でもトップレベルのビッグバンド部とあって、演奏はさすがの一言。今年も素晴らしいステージで観客を魅了していました。
演奏中は大人顔負けのプレーを見せてくれた学生たちも表彰式では、中高生らしい天真爛漫な姿を見せてくれるのもこのフェスティバルの魅力。発表があるたびに笑顔や涙を流すひたむきな姿に心を動かされます。
今年も素敵な音楽とともに大きな感動を与えてくれました。参加した学生の皆さん、本当にお疲れ様でした!
受賞式で「富士通テン賞」と発表があったときに一際大きな歓声が上がったのが印象的な本城中学校の皆さん。チック・コリアの名曲SPAIN、Chilipepper Got Your Tongueを元気いっぱいに演奏してくれました。
「100%の力を出すことができました。素敵な賞をいただくことがでてき本当に嬉しいです。ありがとうございました」(部長/佐藤陽洋くん)
「本番を迎えるまで、言葉に出来ない程の苦難がありました。けれどもこうして素晴らしい結果を得ることができて本当にうれしいです」(顧問/城田則子先生)
名古屋市立工芸高校2008年にも富士通テン賞を受賞しており、なんと今年で二回目。「憧れてた先輩たちと同じ賞を受賞できて本当に嬉しい!」と部員みんなで大喜びしてくれました。
「毎日練習が本当に大変だったので、今日のステージは全部出そうって皆で言ってました。今日まで頑張った結果を受賞というかたちに残せて本当に嬉しいです!どうもありがとうございました!」(部長/日比野秀美さん)
「うちは工芸高校なので音楽室がないんですが、その中で子どもたちは毎日練習を頑張ってきた甲斐がありました。今年の子たちは本当によくまとまっていて、特に今日のステージは最高の出来だったと思います」(顧問/小川良枝先生)