コンサートレポート バックナンバー
KOBE NEXT JAZZ COMPETITION 2008
第2回 神戸ネクストジャズ・コンペティション[決勝ライブ]

2008年10月18日(土) あじさいホール(シーサイドホテル舞子ビラ神戸内)
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ジャズの街・神戸から新しい風が吹く
昨年より始まり、今年で2回目を迎える「神戸ネクストジャズコンペティション」。
このイベントは、次世代のジャズの担い手となる新人ミュージシャンの登竜門であり、さらなるジャズ文化の振興を目的として生まれたものです。音源による一次審査が実施され、一次審査を通過した14名のミュージシャンが決勝ライブで演奏を行います。グランプリ受賞者には賞金10万円の他、豪華副賞が用意されています。今年の決勝ライブは、あじさいホール(シーサイドホテル舞子ビラ神戸内)で開催されました。ここは海と山に囲まれた"これぞ神戸"と思わせる素晴らしい場所にあり、とてもきれいなホールです。審査員は5名。ジャズピアニスト小曽根実さん、フィリップ・ストレンジさん、安藤義則さん、サキソフォニストの宮崎隆睦さん(元T-SQUARE)、日本学校ジャズ教育教会事務局長の日下雄介さん。そして司会はFM COCOLO 「World Jazz Warehouse」のDJクリストファー・マイケル・ノットさん(以下クリスさん)。
クリスさんが「神戸ネクストジャズコンペティション決勝ライブを開催いたします。」という宣言の下このライブがいよいよ開演。さて今年はどんな才能を持ったミュージシャンが現れたのでしょうか。
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決勝ライブ本番。 今年のグランプリは?
会場はほぼ満員。トップバッターを務めたのは「ジャズ数珠つなぎ」のコーナーで以前ご紹介したヴィブラフォン奏者の影山朋子さん。なんとも堂々とした演奏で会場を沸かせます。
演奏は進み、ソロ部門でドラムでのエントリーしているこのライブの最年少プレイヤー中道みさきさん。若々しく力強い演奏を披露。年齢を聞いてびっくりのなんと14歳の現役中学生。こういう若い才能あるミュージシャンが出てくるのは本当に素晴らしいことですね。
後半戦に差し掛かり、バンド部門でエントリーの原巧一Trio。演奏曲は"Crossing"。オリジナル曲だそうで、なんでもサブタイトルは"つけ麺"。冷たい麺と温かいスープという一見アンマッチな組み合わせに見えるが、食べるとおいしい。そんな"ちぐはぐさ"を音楽を表現したかったそうです。あっと言う間の2時間半のライブでした。出演者一人一曲での演奏ですので、もっと聴きたいと素直に思った方も多かったのではないでしょうか。さて、今年のグランプリは「ジャズ数珠つなぎ」のコーナーでもご紹介したことのある高橋知道さんが受賞。準グランプリには杉山 悟史さん、福代 亮樹さん、特別賞に西田 仁さんが受賞しました。それぞれに賞状と賞金・副賞が授与され、受賞者は皆さん笑顔でした。どのミュージシャンの演奏も甲乙つけ難いくらい素晴らしい演奏でした。これからも皆さんの活躍が大いに期待されます。
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グランプリ高橋 知道さん
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準グランプリ杉山 悟史さん
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準グランプリ福代 亮樹さん
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特別賞西田 仁さん
出演者 / 演奏曲
1.影山朋子 ソロ部門(ヴィブラフォン)/My Romance
2.岩本裕司 ソロ部門(ギター)/ Body and Soul
3.高見浩之 ソロ部門(トランペット)/Summer Time
4.田澤良介 ソロ部門(トランペット)/Four
5.横尾昌ニ郎 ソロ部門(トランペット)/Old Folks
6.中道みさき ソロ部門(ドラム)/Oleo
7.鳥羽優羽 ソロ部門(ドラム)/ It Could Happen To You
  8.原巧一Trio バンド部門 /Crossing
9.西田仁 ソロ部門(ピアノ)/ I Hear A Rhapsody
10.杉山悟史 ソロ部門(ピアノ)/ But Not For Me
11.中島朱葉 ソロ部門(アルトサックス)//Marmaduke
12.塚本奈加 ソロ部門(テナーサックス)/ My one and only love
13.福代亮樹 ソロ部門(テナーサックス)/ Grandfather's Waltz
14.高橋知道 ソロ部門(テナーサックス)/Have You Met Ms.Jones
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ゲストによる豪華演奏
全ての出演者の演奏が終了し、いよいよ審査に入ります。審査発表までの時間2組のゲストによる演奏が披露されました。
この決勝ライブをさらに盛り上げるべく。"ジャズ発祥の地"と言われているニューオリンズから若手実力派ミュージシャンのサリヴァン・フォートナー(ピアノ)、マーチン・マサコウスキ(ベース)の二名がゲストとして登場。そこに昨年度の準グランプリ浅井良将さん(ソロ部門/サックス)も参加し、神戸とニューオリンズを代表する若手ミュージシャンのコラボレーションが実現。最後は、昨年度グランプリの大友孝彰さん(ソロ部門/ピアノ)、準グランプリ受賞の浅井良将さん(ソロ部門/サックス)、宮上啓仁さん(ソロ部門/ベース)らによる豪華演奏が披露されました。
TACOTACO JAZZ FESTIVAL 2008~魅惑のラテンミュージック~
タコタコジャズフェスティバル2008

2008年10月13日(月祝)  メイン会場/兵庫県立明石公園・西芝生広場特設ステージ            サブ会場/明石・魚の棚商店街内「ギャラリーであい」
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今年で3回目を迎え、 今や秋の明石の風物詩 「TACOTACO  JAZZ FESIVAL 2008」が 開催されました。
昨年までは魚の棚商店街で開催されていました、「もっと多くの人に良い音楽を聴いて欲しい」との想いから明石公園内西側にある芝生広場に特設ステージを設けて行われました。明石城をバックに壮大で雄大なビッグバンドサウンドはとてもよく似合っています。ステージの周辺は芝生が広がっており、レジャーシートを敷き、お弁当を広げてジャズを楽しむ家族連れや、犬の散歩途中なのでしょうか芝生に犬とともに座りこみジャズを楽しむお客さんなど多くのお客さんで芝生は一杯でした。男性VOCALあり、ラテン系ボサノヴァがあり、大人の雰囲気漂うバラードのナンバーありと各バンドそれぞれの個性豊かな演奏を楽しむことが出来ました。その他に明石周辺に住み、学校にビッグバンドのクラブがない学生達が集まり結成されたTACOTACOジュニアビッグバンド。そこにゲストの元T-スクエアでアルトサックス奏者の宮崎隆睦さんがゲスト参加。学生達はプロミュージシャンとの共演にとても緊張していた様子でした。トリを務めたのははS.F.BIGBAND。なんとゲストの宮崎さんが一メンバーとしてアンサンブルの輪に参加し、演奏していました。あっという間の5時間のステージ。野外ステージという開放感もあってとても楽しく、心地よいステージでした。
出演バンド メイン会場/兵庫県立明石公園・西芝生広場特設ステージ
1.Twinkle Jazz Orchestra
4.EVERGREEN JAZZ ORCHESTRA
7.S.F.BIGBAND
2.川重JAZZ BAND
5.TACOTACOジュニアビッグバンド
ゲスト宮崎隆睦
3.ブルーサウンズ135°
4.EVERGREEN JAZZ ORCHESTRA
出演バンド サブ会場/明石・魚の棚商店街内「ギャラリーであい」
セッションホスト ピアニスト川瀬健
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最後に主催者のTACOTACOジャズフェスティバル2008 実行委員長を務めた藤原祥二さんにこのイベントについて感想をいただきました。
藤原 祥二さん
TACOTACOジャズフェスティバル2008 実行委員長 藤原 祥二さん

●このイベントを開催するまでの苦労は?

今年は、昨年まで開催していた魚の棚商店街でのメイン会場の使用が会場警備等の問題から困難と判断し、別会場を探すことになりました。もともとTACOTACOジャズフェスティバルの「TACOTACO」は、5年前に明石フェリー(愛称TACOフェリー)乗り場のレストランで始まった「TACOTACOライブ」からその名をとり「TACOTACO~」という文字からも連想されるように瀬戸内の近海で獲れた魚が並ぶ「魚の町明石」というイメージで魚の棚商店街の近くで明石のど真ん中「明石駅周辺」にこだわり、「広さ」と「利便性」を兼ね備えた場所を探すことに苦労しました。また、当日のPA設備もわれわれ実行委員の手作りPAで、前日夕方から当日使用するすべての音響機材を借りに回り、音を出しても迷惑にならない場所で、本番を想定し、実際音を出してチェックしたりもしました。実行委員会を始め、出演者、ボランティアの皆さんとの協力があったからこそ、こういった手間のかかったことも苦労とは思わず、楽しむことができました。本当に皆さんに感謝しています。
●次回のTACOTACOは・・・

まだまだ発展途上の未成熟なイベントですので、毎年継続していくことがある意味実績作りにつながると思うので試行錯誤を繰り返しながら少しずつステップアップしていきたいと思います。今後は、ジャズファンのみならず明石市民の皆様にTACOTACOジャズフェスティバルを知ってもらい、明石の秋を感じさせるイベントとなるようにしていきたいですね。