Denso Ten

Concert Report

第38回 神戸ジャズストリート
2019年10月13日(日) 三宮・北野町・トアロード界隈[神戸市中央区]

Report

取材・文:小島良太(ジャズライター/ジャズフリーペーパーVOYAGE編集長)

様々な世代が躍る、神戸の秋の風物詩

神戸の秋の風物詩、ジャズファンの方にとってもお馴染みの「KOBE JAZZ STREET」が今年も北野町・トアロード周辺の全9会場を中心に開催されました。残念ながら12日は台風19号の影響で中止となりましたが、翌日は無事開催、多くのお客様で各地賑わいました。
音楽顧問を務めるピアニストの秋満義孝さん、毎回和やかなステージで楽しませてくれるクラリネットの北村英治さんは今年で共に90歳を迎えられ、益々壮健。
北村さんのソネでのステージにはカウント・ベイシーオーケストラで活躍したトロンボーン奏者のデニス・ウィルソンさんが参加し、本場のサウンドで観客を魅了。貴重な時間となりました。デニスさんだけでなく、今年も海外より多数のゲストミュージシャンが来神。フランスのトロンボーン奏者、バティスト・テッシャーさんやドイツのティモ・ニズテロックさん(コルネット)など若きスウィンガー達もジャズストのステージ、日本のミュージシャン達との共演を大いに楽しんでいました。

ディキシーランドジャズ、スウィングジャズだけでなく、モダンジャズの演奏、さらにはブルーグラスなどのステージもあり、「KOBE JAZZ STREET」はジャズのみならず様々なアメリカ音楽、またその発展を神戸で体験できる貴重な場となっている事を感じました。
大御所、ベテラン、海外勢の大いなる活躍と同じくして、中堅、若手も奮闘。中でも若さ際立つのは、「KOBE YOUTH JAZZ ORCHESTRA」。神戸市の中高生を中心に結成されたビッグバンドです。学生から大人まで幅広く「ジャズ」という音楽で一つのイベントに集うのもまた「ジャズの街 神戸」ならではでしょう。
さらに神戸ジャズストリート本編とのコラボレーションイベントも開催。北野の異人館「風見鶏の館」や「ラインの館」、北野町広場でのステージ、他にも10月5日にオープンした百貨店、「神戸阪急」の誕生を祝う「KOBE HANKYU MEETS JAZZ」が開催。
道行く人々がそれぞれのステージに足を止め、生演奏の迫力を楽しんでいました。神戸の中心部がジャズの音に溢れ、彩られる1日となりました。
当日配布されたパンフレットに掲載されている、「Well Meet Again」の歌詞のように、来年は両日晴れた日に開催され、陽気なジャズ、そしてミュージシャンと出会いたいものです。