Denso Ten

Concert Report

Spring Jazz Cruise

■2019年6月16日 神戸ハーバーランド/カルメニ・umie・Mosaic

Written by Mika Ogura

神戸の港にフレッシュなジャズが響く、学生イベント。

Swing Jazz Cruiseは、ジャズサークルなどに所属している大学生たちが自分たちで運営する神戸の野外イベント。神戸ハーバーランドに設置された複数のステージで、春はコンボを中心に、秋はビッグバンドで賑やかに、ジャズの音色で街を彩ります。12年目となる今年も、6月16日に春イベントとして「Spring Jazz Cruise」が開催されました。 野外イベントは天気が命、当日は暑いくらいの晴天に恵まれて3ステージが一斉スタート。それぞれ違う会場で同時に3組のバンドが演奏しているので、ハーバーランドのどこにいても生バンドの音色が聴こえてきます。一つのステージに腰をすえてじっくり聴くのもよし、それぞれの会場を渡り歩くもよしと、ちょっとしたフェス気分で気軽に楽しめるのがSwing Jazz Cruiseのいいところ。 モザイクガーデンの前にある「光の広場」ステージでトップバッターを務めたのは、メンバーが50代から70代というバンド「宇治金時」。なんと3年前にこのイベントの公募を見たのをきっかけに結成されたそうで、バンドマスターは楽器歴51年という大ベテラン。「今年で3回目の参加となります。大学生の皆さんは若いのに上手でびっくり。とても楽しいイベントなので、参加させてもらえて嬉しい」とのこと。大学生からシニアまで、幅広い年齢層の参加バンドがいるのも長く続いているイベントだからこそ。神戸らしい「海の見える街(魔女の宅急便)」や「コーヒールンバ」をはじめボサノヴァやジャズのスタンダードなど、耳馴染みの良い選曲が心地よく、観光やショッピング中のお客さんも足を止めて聴き入ります。

移動して、Mosaicの入口下にある「希望の広場」では、2組目の「Sophomore Jazz Quintet Next」が演奏中。「Sophomore(2年生)」という名前だけに、メンバー全員が違う大学に通う2年生というユニークなバンド。2年生とは思えない演奏の上手さに、関西の大学ジャズのレベルの高さがうかがえます。広場の隅では、演奏に合わせて陽気に踊るおじさまおばさまの姿もあり、なんともピースフルな光景。演奏終了後、バンドリーダー兼イベントスタッフでもある横山司さんが「学生は演奏できる場を探しているので、こういったイベントはありがたいです。ジャズを好きな人も、知らない人も、足を止めて聴いてくれるのは嬉しいですね。ずっと続いてほしいです」と話してくれました。 次のバンドに後ろ髪を引かれつつ、Mosaicからumieを抜けて、神戸新聞社の隣にあるカルメニへ。ステージでは大阪音楽大学と甲陽音楽学院の在校生と卒業生による男女混合バンド「炎のゴブレット」が熱演。このイベントに出演するために結成したというバンドとは思えない、息のあったサウンドに惹かれて人が続々集まってきます。「すごくいいイベントですよね。せっかく出会ったメンバーなので、このバンドは続けていきたいと思います!」とトランペットの新納百恵さん。 炎のゴブレットのステージが終わるやいなや、先程の晴れ模様が嘘のように大粒の雨が突然降り出し、屋根のない客席は一次避難。次のバンド「PACM」が準備をしながらベースで「荒城の月」などを奏でて場をもたせてくれます。雨は数分でやんだものの、機材の関係で屋根のない光の広場は演奏中止に。このハプニングにも、予定を見直し、出演予定だったバンドを別のステージに誘導し、速やかに周知する運営スタッフの皆さん。スタッフは変われども、12年間続けてきたイベント経験が息づいています。 再び希望の広場に戻ると、トロンボーン、サックス、トランペットの三管が華やかな「にしけんインストバンド」が。雨も上がり、すっかり晴れ渡った空の下で聴く、ハンタートーンズや上原ひろみの「サマーレイン」は最高です。そして最後は光の広場に出演予定だった「デッドデーモンズデデデデキルモン」は、ウェス・モンゴメリーやセロニアス・モンクなど、渋いチョイス。アンコールまでしっかりやって、イベントは無事終了。 3つの会場を渡り歩いて気づいたのは、どのステージの客席にもじっくり聴いているお客さんが多かったこと。神戸はジャズの街と言われるとおり、神戸の人のジャズ好きは本物だと実感しました。

イベントを終えて、「私自身、初めての実行委員でしたし、途中には雨のハプニングもありましたが、無事終わってほっとしました。皆さんとてもよく聴いてくださって、出演バンドも力が入ったと思います。春はコンボ中心なので和やかな雰囲気で楽しんでいただけたと思いますが、秋は一段とすごいイベントになると思います!」と12代目実行委員長の渡邊 愛理嵯さん。既に秋の「Swing Jazz Cruise」に向けて、運営スタッフの皆さんは準備を始めているそうで、今から秋が楽しみです。

Comment

12代目実行委員長 渡邊 愛理嵯さん

イベントを終えて、「私自身、初めての実行委員でしたし、途中には雨のハプニングもありましたが、無事終わってほっとしました。皆さんとてもよく聴いてくださって、出演バンドも力が入ったと思います。春はコンボ中心なので和やかな雰囲気で楽しんでいただけたと思いますが、秋は一段とすごいイベントになると思います!」と12代目実行委員長の渡邊 愛理嵯さん。既に秋の「Swing Jazz Cruise」に向けて、運営スタッフの皆さんは準備を始めているそうで、今から秋が楽しみです。