Denso Ten

Concert Report

THE TRIO 神戸公演
JAZZ ON A SUMMER NIGHT!

■2019年6月22日(土) 神戸ラピスホール

取材・文 小島良太(ジャズライター・ジャズフリーペーパーVOYAGE編集長)

益々円熟味を増す名手達の妙技に感嘆!

山口武さん(ギター)、ルイス・ナッシュさん(ドラムス)、そしてジャズの歴史に欠かす事のできない偉大なベーシスト、ロン・カーターさんによる“THE TRIO”の公演が今年も昨年同様、神戸ラピスホールで開催されました。
主催は「神戸アート&ミュージックの会」が今年も務めました。また、音楽を愛する有志の方々の協賛によって開催が実現した、まさに待望の企画!年々注目が高まる中、今回も多数のお客様で席は即座に埋まっていきました。当日の開場は17時からでしたが待ちきれず、それより早い時間に来られているお客様も!このライブへの期待の高さの表れがそういった所からも感じました。そしてお待ちかねの3人が会場に現れると万雷の拍手で早速お出迎え。山口さんから「リラックスして楽しんでください!」とアナウンスもあり、演奏が始まるとそれぞれの熱演にお客様から自然と拍手や掛け声が。会場が瞬く間にジャズクラブのような熱気に包まれました。 山口さんが丁寧に音を紡ぐと、ロンさんとルイスさんがこれ以上ないリズムをつけてサウンドを豊潤に形成、ステージ上で丁々発止のやり取りが鮮やかに展開されていきます。

山口さんのオリジナル、「I’m On Your Side」や「Mojito」といったリズミカルな曲ではロンさんとルイスさんがさらに活き活きと音を発していました。またバラードナンバー、「If You Could See Me Now」では山口さんのギターに柔らかく寄り添う渋い演奏。幾多のキャリアを重ねたからこその音の厚みを感じました。さらに今年も披露してくれたロン・カーターさんのベースソロは、この日何度も盛り上がった中でも一際盛り上がったシーンでした。このベースソロを堪能できた当日のお客様は何物にも代えられない経験ができた事でしょう。ジャズギターの巨人、ウェス・モンゴメリー作曲の「Jingles」での山口さんのジャズギターの王道を往く貫禄のプレイ、「Night in Tunisia」でのルイスさんのブラシを巧みに使っての“魅せる”ドラムソロなど、一流の妙技をたっぷりと堪能できた一夜でした。終演後、山口さんにお話を伺うと、今回のツアーでは会場ごとに曲目を変えているとの事。1つ1つのライブに対して、いかにお客様に楽しんでもらえるかを意識したプロフェッショナルの意識の高さを垣間見ました。またルイスさんにお話を伺うと、この日のお客様は「ファンタスティック!」であったとの事。筆者も会場に実際いて、そう感じました。またルイスさんは今年3月に故郷のフェニックス(兵庫県姫路市と友好都市)に山口さんを招聘し、今回のトリオでライブ出演。日米ジャズシーンの友好、交流の機会も積極的に作られており、発展に尽力されています。 関西のジャズファンもこの「THE TRIO」のライブが毎年の風物詩となりつつありますので、今年残念ながら来場できなかった方、そして読者の皆様は是非来年の再演に期待しましょう。

セットリスト

曲名後()内は作曲者

〈1st Set〉
1.I'm On Your Side(山口武)
2.Charade(Henry Mancini)
3.After Hours(Avery Parrish)
4.Mojite(山口武)
5.里の秋(海沼実)
6.Jingles(Wes Montgomery)

く2nd Set〉
1.Blues for D.P.(Ron Carter)
2.If You Could See Me Now(Tadd Dameron)
3.Hopping the Steps(山口武)
4.ロン・カーター ベースソロ
5.アランフェス協奏曲(Joaquín Rodrigo)
6.Night in Tunisia(Dizzy Gillespe)

アンコール
Tequila(Chuck Rio)