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コンサートレポート



6大学BIGBAND JAZZ CONCERT
■2017年10月7日(土)相模原市民会館

レポート

歴史ある関東6大学ビッグバンドコンサート
豪華ゲストとの競演

 本イベントは、数多くある大学ビッグバンドのイベントの中で最も長い歴史を持つイベントであり、今年で第52回目を迎えます。早稲田大学の他に慶応大学、明治大学、法政大学、中央大学、日本大学が毎年出演しています。またゲストとしてプロの方を毎回お招きし、それぞれの大学から選出された6大学ピックアップバンドと共演します。今回はトロンボーン片岡雄三氏を招きました。

 ハイソはこの日一番目の演奏。一曲目に演奏したのは「Inspiration suite for jazz orchestra part4 Dameron」です。スライドハンプトン氏作曲のこの曲は全4楽章で構成されている組曲で、それぞれJohn coltraneの「Giant steps」をモチーフに作曲されています。そのうちの4楽章目であるこの曲は、現代らしい、またスライドハンプトンらしい美しく重厚なハーモニーと疾走感の溢れるセクションプレイが魅力的な一曲です。一番初めからハイソの本気の演奏を聴くことができ、会場は一気に緊張感に包まれました。

 続く2曲目に演奏したのは、デュークエリントンの、アルトサックスフィーチャーのナンバー「The midnight sun never sets」です。一曲目とは打って変わって、古き良きスウィング時代のバラードナンバーを持ってきました。フィーチャーはリードアルトサックス木村聖人。彼の甘く切ない音色で、会場の雰囲気をガラリと変えました。エリントンの世界に包まれた会場からは、演奏直後歓声が上がりました。

 そして早くも次が最後の曲。最後に演奏するのはジム・マクニーリーの「The Life of riley」です。再び、2曲目とは全く違う現代的な響きで聴衆を魅了します。複雑な変拍子、ハーモニー、フィールの変化など、息をするのを忘れるほど最後まで緊張感いっぱいのこの難曲を、ハイソはさすがの腕前で演奏します。トロンボーン冨永悟のソロの見事でした。最後の一発のラストノートの後、緊張から一気に解き放たれた会場からは拍手と歓声が溢れました。

 最新のものからエリントン時代まで幅広く扱い、その世界に引き込んでくれるハイソの素晴らしいステージを堪能することができました。

Written by Chitaka Musashi

お知らせ

[早稲田大学 High Society Orchestra]


About us
 ハイソサエティ・オーケストラは早稲田大学唯一のビッグバンド(大学公認サークル)として1955年に創立しました。ハイソの名で親しまれ、学生ビッグバンドジャズ界を代表する存在としてその名を広く知られています。その60年に渡る歴史の中で、プロミュージシャンや放送および音楽業界へ数多くの人材を輩出してきました。
 ハイソが取り組む楽曲はCount Basie,Glenn Miller,Duke Ellingtonといった古き良き名曲を重視しながらも、コンテンポラリーなものではMingus Big BandやVanguard Jazz Orchestra、Buddy Rich、UNT one o'clock lab band、西欧のJazz Orchestra of the ConcertgebouwやBohuslan Big Bandなど幅広く、レパートリーは60曲を超えます。またハイソ出身のミュージシャンによるオリジナル譜面も多数存在し様々な場面で好評を得ています。
​ 近年はフラメンコやアラブ諸国の音楽、ゴスペルなどジャズの枠を超えたジャンルを取り入れることに挑戦しており、2016年度山野ビッグバンドジャズコンテストでは大会史上初であるタップダンスとの共演を実現させました(Blue Rondo a la Turk/comp.Dave Brubeck/arr.Yoichi Uzeki)。伝統に根ざしながらも新しさを追究するスタイルは創立当時から今日まで変わらず、その独自の世界観が多くの音楽ファンを魅了しています。

Performance
・過去LP2作、CDアルバム5作を発表。(2014年最新作Sweet'n'Hotは現在発売中)
・1960年代からアメリカ、インド、中国への演奏旅行を数回に渡り実現させるなど、国内に留まらず精力的に活動。TVやラジオ,雑誌などのマスメディアにも多数登場。
・YBBJC全日本山野ビッグバンドジャズコンテスト最優秀賞10回(最多受賞)、2016年大会では第2位優秀賞を受賞。
・早稲田大学学生褒賞の中で最も名誉ある賞、小野梓記念賞の芸術賞を受賞(2012年、2014年)。
・2017年1月1日、ABC朝日放送「芸能人格付けチェック」にアマチュアのジャズバンド代表として出演(プロのジャズバンド=角田健一ビッグバンドと聞き比べのクイズを出題する企画)、全国放送される。
・2017年3月4日民放BS5局共同特別番組「ハレブタイ!ゆずとハタチでつくる"ありがとうコンサート"」にてフォークユニットゆずと共演(3月20日放送)。

近年主な出演は山野ビッグバンドジャズコンテスト(YBBJC 8月)、川越ジャズフェスティバル(9月)、3大学浅草ジャズフェスティバル(10月)、太田市大学ジャズフェスティバル(10月)、早稲田祭(11月)、定期リサイタル(3月)..その他企業パーティーや地域イベントなど。

​近年の主な共演者はDuke Ellingtonオーケストラ在籍Mr.Stafford Hunter(tb)、宇関陽一氏(pf)との共演ライブ("Yoichi Uzeki meets High Society Orchestra")を定期開催、昨年度はさらに吉田治氏(T.sax)をゲストに迎える。
2016年度9月より新宿Jazz Spot Jにてライブ「ハイソ+スペシャルゲストシリーズ」を開催、vol.1で池田篤氏(A.sax)と共演、vol.2で片岡雄三氏(Tb)と共演。国内では他に梶原まり子氏(vo)、寺井尚子氏(violin)、海外ではMr.Steve Wilson(As)、Mr.Eric Marienthal(As)、Mr.Randy Brecker(Tp)、Mr.Wayne Bergeron(Tp)、Mr.Gordon Goodwin(Big Phat Band leader)、Jazz Orchestra of the Concertgebouwなど。

Live Information
●11/23木 青山ジャズ・イニシャティブ2017 @青山学院大学ガウチャー記念礼拝堂
●11/26日 三田祭ハイライト対バン @慶応大学三田キャンパス
●12/2土・3日 太田市大学JAZZ FESTIVAL (ハイソは3日 ~)
●3/3日 早稲田大学ハイソサエティオーケストラ 第62回リサイタル
 @日本教育会館一ツ橋ホール 入場料一般¥800/学生¥500


[ リンク ]
早稲田大学 High Society Orchestra:Website  twitter