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コンサートレポート



早稲田ハイソ+スペシャルゲストシリーズ
■2017/6/24(土) LIVE at J ハイソ+スペシャルゲストシリーズVol.3!!! with近藤和彦

レポート

豪華ゲストとの共演
プロも認める早稲田大学ハイソサエティー・オーケストラ

 ジャズの老舗、新宿『JAZZ SPOT J』にて恒例となりつつある企画が6月24日に開催されました。その名も「ハイソ+スペシャルゲスト」シリーズ。学生ビッグバンド界を長きにわたりリードしてきた早稲田大学ハイソサエティー・オーケストラと国内の最前線で活躍するゲストミュージシャンとの共演はとても注目度が高く、ジャズファンから現役の学生まで毎回たくさんのお客さんにご来場いただいております。

 第3弾となるこのシリーズ、今回のゲストは国内アルトサックス奏者のファーストコール、近藤和彦氏です。ちなみに第1弾はアルトサックス池田篤氏、第2弾はトロンボーン片岡雄三氏を迎え、どちらも満員御礼でした。

 1st ステージはハイソのみの演奏です。1曲目は現代ジャズシーンを代表するドラマー、Eric Harlandのナンバーで「Treachery」。疾走感あふれるこの曲で勢いよくライブが始まりました。そしてTbセクションをフィーチャーした「Tribute to J.J.Johnson」、Count Basieのナンバーより「Easy Money」、「The More I See You」とオールドな4ビートが続きます。さらに趣向を変えてWeather Reportの「Havona」では圧巻のベースソロ、最後にはVanguard Jazz Orchestraの「Frame For The Blues」で感動的なステージとなりました。

 2nd ステージではいよいよ近藤和彦氏の登場です。近藤氏のソプラノサックスの独奏からから次々とバンドメンバーが増えていき、お送りしたのは近藤氏自らのリクエストで先日来日もしましたMaria Schneider Orchestraのアレンジ、「The days of wine and roses」。心なしかバンドメンバーの気合もさらに増していきます。続いて近藤氏の師であるPhil Woods氏の作編曲による「My Man Benny」。このステージではMCも近藤氏が務めPhil Woods氏との貴重なお話をして下さいました。

 ここでこのシリーズでは初の試みでコンボ演奏を致しました。曲はラテン調のスタンダードナンバー「Star Eyes」。リズムセクションと近藤氏が即興で反応しあい、とても盛り上がりました。そして会場を一旦落ち着けるべく次は珠玉のバラード「Skylark」。こちらも近藤氏からのリクエストで、Vanguard Jazz Orchestraではリードアルトサックス奏者のDick Oatts氏をフィーチャーしています。

 Dick Oatts氏も近藤さんの師であり、今年11月に来日する際に近藤氏との共演もあるそうでそれを記念して演奏でした。会場が感動に包まれたところでクライマックスに向かっていきます。Mingus Big Bandの「Gunslinging Bird」ではメンバー全員がアドリブで演奏しヒートアップします。

 さらにこの曲ではハイソのアルトサックス津田亮輔と近藤氏とのバトルソロも大変白熱しました。勢いそのままに最後の曲、ハイソOBであります宇関陽一氏のアレンジで「Development」。転調と変拍子が入り乱れる曲に近藤氏の熱いソロが拍車をかけとても感動的なフィナーレです。鳴りやまない拍手にアンコールはハイソの定番曲「I’ll Never Smile Again」で幕を閉じました。

 近藤氏は明治大学ビッグサウンズソサイエティ―出身で学生時代からハイソとの交流があったようで当時の思い出話もあり、マニアにはたまらない一夜となりました。

Written by Yuto Sasaki





[Other Report]
Stafford Hunter with早稲田大学ハイソサエティオーケストラ/2017/5/27(土) 調布Ginz


 毎年恒例となっているStafford Hunter氏とハイソの共演ライブ。毎年会場を変えていますが、今年は調布にある老舗Ginzにて開催されました。
 1stセットはハイソの単独ステージ。Stafford氏は2ndセットで登場します。Count Basieの明るい名曲This could be the start of something big で華やかにオープナーを飾ります。
 そしてTake the A train、Satin Dollと続きます。近年のハイソは古い曲にも敬意を示し、昔のスウィング感を体にしみこませようと尽力しています。続く4曲目はSlide HamptonのFlame for the blues。重厚なハーモニー、強いスウィング感と美しくも難易度の高い一曲ですが、見事な演奏でした。続いては一気に趣向を変えて、Chick KoreaのRhumba FlamencoをハイソOBのピアニストである宇関陽一氏のアレンジで演奏。過去にハイソが山野ビッグバンドジャズコンテストで取り組んだ難曲です。古い曲も新しい曲もなんでもやるのがハイソの魅力。素晴らしい演奏でした。
 1stセット最後の曲は、Stafford氏が今年発表したアルバム「Continuum」からWalk in Bari。本人もサプライズで登場し、圧巻の演奏で締めくくりました。
 20分の休憩をはさみいよいよStafford Hunter氏が登場。氏はDuke Ellington Orchestraの一員であり、NYを中心に活躍するトロンボーン、ほら貝奏者です。
 3拍子の心地よいAfter the morningで始まり、続くSymphony in Riffsは軽快なスウィング。3曲目のA madではStafford氏がほら貝で吠え、トロンボーンで唸り、会場が一気に熱くなりました。次の曲は氏も初めて挑戦する曲だというバラードThe more I see you。先ほどとは打って変わって、暖かく深みのある美しい音色で会場を包みました。
 いよいよライブも終盤。次の曲はCharles MingusのGunslinging Birdです。この曲ではなんとソリストが決まっておらず、その場でStafford氏が指名することになっているそうです。指名された学生は驚きながらもさすがのソロプレイで魅せます。ソロの裏ではStafford氏の指示でどんどん新しい展開に。楽譜にとらわれない、ジャズ本来の魅力を十分に感じることができる一曲でした。
 楽しい時間はすぐに過ぎてしまうもので、ついに本ライブ最後の曲In my soulが始まります。ゆるやかで美しい3拍子のメロディ、エモーショナルなソロプレイ最後にふさわしい一曲です。曲の終盤では、会場のGinzが19周年という事で、なんと会場にいる全員でHappy Birthday to youを合唱。みんなの気持ちが一つになった、素晴らしい締めくくりでした。
 鳴りやまない拍手の中始まったアンコール曲は、ブルースのThings ain’t what they used to be。トロンボーン全員でソロを回しこれ以上ないところまで盛り上がりました。

Written by Chitaka Musashi

お知らせ

[早稲田大学 High Society Orchestra]


About us
 ハイソサエティ・オーケストラは早稲田大学唯一のビッグバンド(大学公認サークル)として1955年に創立しました。ハイソの名で親しまれ、学生ビッグバンドジャズ界を代表する存在としてその名を広く知られています。その60年に渡る歴史の中で、プロミュージシャンや放送および音楽業界へ数多くの人材を輩出してきました。
 ハイソが取り組む楽曲はCount Basie,Glenn Miller,Duke Ellingtonといった古き良き名曲を重視しながらも、コンテンポラリーなものではMingus Big BandやVanguard Jazz Orchestra、Buddy Rich、UNT one o'clock lab band、西欧のJazz Orchestra of the ConcertgebouwやBohuslan Big Bandなど幅広く、レパートリーは60曲を超えます。またハイソ出身のミュージシャンによるオリジナル譜面も多数存在し様々な場面で好評を得ています。
​ 近年はフラメンコやアラブ諸国の音楽、ゴスペルなどジャズの枠を超えたジャンルを取り入れることに挑戦しており、2016年度山野ビッグバンドジャズコンテストでは大会史上初であるタップダンスとの共演を実現させました(Blue Rondo a la Turk/comp.Dave Brubeck/arr.Yoichi Uzeki)。伝統に根ざしながらも新しさを追究するスタイルは創立当時から今日まで変わらず、その独自の世界観が多くの音楽ファンを魅了しています。

Performance
・過去LP2作、CDアルバム5作を発表。(2014年最新作Sweet'n'Hotは現在発売中)
・1960年代からアメリカ、インド、中国への演奏旅行を数回に渡り実現させるなど、国内に留まらず精力的に活動。TVやラジオ,雑誌などのマスメディアにも多数登場。
・YBBJC全日本山野ビッグバンドジャズコンテスト最優秀賞10回(最多受賞)、2016年大会では第2位優秀賞を受賞。
・早稲田大学学生褒賞の中で最も名誉ある賞、小野梓記念賞の芸術賞を受賞(2012年、2014年)。
・2017年1月1日、ABC朝日放送「芸能人格付けチェック」にアマチュアのジャズバンド代表として出演(プロのジャズバンド=角田健一ビッグバンドと聞き比べのクイズを出題する企画)、全国放送される。
・2017年3月4日民放BS5局共同特別番組「ハレブタイ!ゆずとハタチでつくる"ありがとうコンサート"」にてフォークユニットゆずと共演(3月20日放送)。

近年主な出演は山野ビッグバンドジャズコンテスト(YBBJC 8月)、川越ジャズフェスティバル(9月)、3大学浅草ジャズフェスティバル(10月)、太田市大学ジャズフェスティバル(10月)、早稲田祭(11月)、定期リサイタル(3月)..その他企業パーティーや地域イベントなど。

​近年の主な共演者はDuke Ellingtonオーケストラ在籍Mr.Stafford Hunter(tb)、宇関陽一氏(pf)との共演ライブ("Yoichi Uzeki meets High Society Orchestra")を定期開催、昨年度はさらに吉田治氏(T.sax)をゲストに迎える。
2016年度9月より新宿Jazz Spot Jにてライブ「ハイソ+スペシャルゲストシリーズ」を開催、vol.1で池田篤氏(A.sax)と共演、vol.2で片岡雄三氏(Tb)と共演。国内では他に梶原まり子氏(vo)、寺井尚子氏(violin)、海外ではMr.Steve Wilson(As)、Mr.Eric Marienthal(As)、Mr.Randy Brecker(Tp)、Mr.Wayne Bergeron(Tp)、Mr.Gordon Goodwin(Big Phat Band leader)、Jazz Orchestra of the Concertgebouwなど。


[ リンク ]
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