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コンサートレポート

H ZETT M ピアノ独演会2017「夏の大三角の陣」
■2017/7/7(金) 神戸新聞松方ホール(神戸市中央区)

レポート

きらめく音の粒が降りそそぐ、
2017年7月7日、七夕の夜

 7月7日は星に願いをこめて短冊を吊るす七夕の日。そんな、初夏の心地よい夜に神戸新聞松方ホールにて、H ZETT Mさんのピアノ独演会2017「夏の大三角の陣」が開催されました。6月21日に3枚目となるソロアルバム「共鳴する音楽」を発売したばかりのH ZETT Mさん。ピアノの美しさや楽しさが詰まった楽曲を生演奏で楽しみたいとチケットはソールドアウト、当日はお子さんから年配の方まで幅広いファンが会場に集まりました。

 グランドピアノが中央に置かれたステージに、リラックスした感じでMさんが登場。ニューアルバム「共鳴する音楽」でも1曲目に配置された「ショーがはじまる」でステージの幕が上がります。タイトルどおり始まりを予感させてくれる美しい旋律が魅力の一曲ですが、グランドピアノの生音、しかもコンサートホールでとなるとその魅力がさらに倍増。音の一粒一粒がきらめくように響き、スタートから観客を魅了します。あらかじめ録音された音源と生演奏の掛け合いが巧妙で、ステージのパフォーマンスから目が離せません。

 挨拶のMCを挟んで「嬉しさを抱きしめて」と「ネクタイしめて」。ジャズテイストで思わずステップを踏みたくなるような軽妙で弾むメロディが続きます。そして「2017年7月7日、777…」というこの日ならではの一曲「たなばたさま」を独自アレンジで披露。H ZETT Mさんの手にかかると童謡も珠玉の一曲に。続けて生命保険のCM曲でおなじみの「あしたのワルツ」。優しくしっとりとした旋律に思わず涙ぐむお客さんも。

 一転して「ボギー大佐」では、H ZETT Mさん独特の世界観が炸裂。いろんな昔話が混ざったユニークで不思議な不思議なボギー大佐の物語と楽しい演奏で会場は笑いに包まれます。「争う不可思議」「反骨マーチ」の追いかけっこするようなピアノや現代音楽的なリズムを楽しませてくれた後は、H ZETTRIOのラテンジャズナンバー「Fiesta」と陽気なハイブリットチューン「Z ディスカバリー」をピアノソロで。トリオ編成のときとはまた違ったアレンジが聴けるのも独演会ならではの魅力です。続いてもH ZETTRIOの曲から「Wonderful Flight」。壮大な空の旅を思わせるダイナミックな演奏でステージはクライマックス。本編ラストは流れるようなイントロが美しい「星は教えてくれる」、そして「共鳴する音楽」から「喜びのテーマ」で爽やかに、初夏の夜を美しいピアノで彩ってくれました。アンコールでは「新しいチカラ(2017ver)」、イントロでお客さんの喜びの歓声が漏れたPE'Zの「AKATSUKI」とアグレッシブな2曲に加えて、しっとりと「確かな日々」で終幕。

 言葉がなくても美しい音楽でうっとりとさせてくれたり、笑わせてくれたり、泣かせてくれたり、H ZETT Mさんの指先から紡がれる音楽は多彩な色を持っていて、ステージ全編を通して音楽の素晴らしさを実感させてくれる素敵なコンサートでした。




  • "嬉しさを抱きしめて" performed by H ZETT M 【Official MV】

約4年半ぶりとなるピアノ1つでの可能性を最大限に引き出したアルバムをついに完成させた。超絶技巧で予測不能な旋律に挑戦した「未来の音楽」(2012年)、一転して柔らかな旋律や喜怒哀楽を混ぜ1つの物語を生み出した2作目「魔法使いの音楽」(2013年)と、これまでにピアノ1台で挑戦してきたシリーズとして、今作は3作目にあたる。グランドピアノと電子音で、クラシックから現代音楽、JAZZ、POPSとジャンルの垣根を越えた音楽性が詰まっている。まるで映画を見ているような情景が頭に浮かんでくる。収録曲の中には、誰もが耳にしたであろう「あしたのワルツ」のソロバージョンも収録されている。シンコペーションの効いた陽気でユニークなハイブリッドチューン。絶妙にハネたビートとトリッキーなピアノプレイでファンキーでパーティー な世界へと誘(いざな)ってくれる。

インタビュー

H ZETT M インタビュー
コンサート終演後にH ZETT Mさんからお話をうかがいました。
――コンサートお疲れ様でした。すごく素敵でした!神戸新聞松方ホールとピアノ、どうでしたか?

H ZETT M「ありがとうございます。独演会ではピアノの響きを大切にしているので、神戸新聞松方ホールも音の響きが良くて演奏していて気持ちよかったです。ピアノも鍵盤が結構しっかり手応えある感じでいい音でした」

――H ZETTRIOで演奏されるときと独演会ではやっぱり違いますか?

H ZETT M「全然違いますね。一人だとまかせる相手もいないのでずっと頑張らないとっていうのもありますけど(笑)。トリオだとライブハウスで演奏することが多いので、そういう意味でもホールコンサートは新鮮です」

――今回の「夏の大三角の陣」という名前はMさんが考えられたんですか?

H ZETT M「そうですね。七夕にちなんで、自分で」

――今日は「たなばたさま」もですが、「星は教えてくれる」も聴けて嬉しかったです。なんとなく「星」や「宇宙」のイメージがあるのですが、お好きですか?

H ZETT M「好きですね。映画も『インターステラー』がすごく好きですし。星とか宇宙ってわくわくしますよね」

――今回もですが、H ZETT Mさんのコンサートやライブにはお子さん連れの方も多いですよね。Mさんの演奏を聴いてピアノを始められる人も多いのだとか。

H ZETT M「嬉しいですよね。なんらか影響というか刺激を少しでも感じていただけるのはありがたいというか…ピアノは楽しいので、そのきっかけになるというのは本当に嬉しいです。その楽しさを忘れないで、音楽をずっと楽しんでくれたらとも思います」

――6月21日に発売になった新譜「共鳴する音楽」は全26曲の2枚組の大作ですね。

H ZETT M「構想からそれくらいのボリュームになるだろうなとは思っていました。前のアルバムから4年半も空いてますし。日常的に作曲しているので、それもひっくるめてという感じのアルバムになっています。いろんな曲が入っているので、楽しんでいただければと思います」

――トリオにソロ、そしてプロデュースとご多忙なMさんですが、夏はフェス、秋は独演会とライブのご予定も目白押しで、今後のご活躍も楽しみです。今日はどうもありがとうございました。

お知らせ

[ H ZETT Mライブ情報 ]

9/24 (Sun) 東京 文京シビックホール 大ホール ピアノ独演会2017秋 -共鳴の陣-
SOLD OUT
11/17 (Fri) NEXT MUSIC LIFE vol.6 ピアノ独演会2017 金沢芸術の陣
OPEN 18:30 / START 19:00
石川 金沢市アートホール
チケット:前売¥4,000 / 当日¥4,500
 ※tax in、全席指定
 ※3歳以下入場不可
  ローソン
  チケットぴあ
  石川県立音楽堂チケットボックス
  金沢市アートホール


H ZETTRIOライブ情報
H ZETTRIO IN TOKYO ~秋の大感謝祭~ (H ZETTRIO)
 10/14(Sat) OPEN16:00 / START17:00東京  昭和女子大学人見記念講堂
夏の終わりのH ZETTRIO ~北海道にやってくる!ya!ya!ya!~(H ZETTRIO)
 9/16(Sat) OPEN16:00 / START17:00 苫前町公民館
 9/18(Mon)OPEN17:30 / START18:30 由仁町文化交流館ふれーる
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO (H ZETTRIO) 石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
 8/11(Fri)・8/12(Sat) ※H ZETTRIO出演日は8/11(土)16:30-@RED STAR FIELD
 11日 Open 10:00 / Live Start 15:00 / Live End 23:00 予定
 12日 Open 10:00 / Live Start 12:30 / Live End 05:00 (13日)予定
The 16th TOKYO JAZZ FESTIVAL(H ZETTRIO)
 2017/9/2 (Sat) OPEN 17:00/START 18:00
 【the HALL】NHKホール FROM SHIBUYA TO THE WORLD
blowin’ in the west(H ZETTRIO)
 9/23(Sat) Umeda CLUB QUATTRO
 ※出演アーシスト:neco眠る、toconoma
取手音楽の日 取手JAZZ DAYz!2017(H ZETTRIO)
 2017/9/30 取手市民会館大ホール
Nothing’s Carved In Stone【Hand In Hand Tour 2017】(H ZETTRIO)
 10/07(Sat) OPEN 17:30 / START 18:00 熊本B.9 V1

その他、最新情報、H ZETTRIOライブ情報については公式webサイトをご覧ください。



[ H ZETT Mリリース情報 ]

2017.6.21(水) Release 共鳴する音楽
Tracks
<Disc1>
1.ショーがはじまる / Showtime starts
2.極秘現代 / Confidential Modern
3.踏み出すニュー / Step on New
4.すました日常 / Primly Days
5.水の流れ / Flows of Water
6.高貴な連帯 / Honorable Connection
7.果てしないカーブ / Endless Curve
8.争う不可思議 / Battle of Mysterious
9.クジラが泳ぐ / A whale swims
10.雫の模様 / The pattern of drops
11.地平線 / Horizon
12.確かな日々 / Credible Days
13.新しいチカラ(2017 ver.) / NEW ENERGY(2017 ver.)

<Disc2>
1.未完成ワールド / Uncompleted World
2.忘却の彼方 / Into Oblivion
3.ランドスケープ / Landscape
4.永遠は見つからない / Can’t Find Eternity
5.DO浮遊サマータイム / “DO” Floating Summer Time
6.ほろ酔いバランス / Balance of Tipsy
7.嬉しさを抱きしめて / Hold on the Happiness
8.ネクタイしめて / Tighten the tie
9.あしたのワルツ / Tomorrow’s Waltz
10.反骨のマーチ / Rebellious March
11.宙に消えた / Disappear into the air
12.Wonderful Flight / Wonderful Flight
13.喜びのテーマ / Theme of Joy
品番:APPR-3014/3015 販売価格:¥3,000(tax out) 全26曲収録2枚組
正統派ピアニストとしての一面を持ちつつも、奇想天外なアイデアで遊び心あふれる作品を多く生み出す中で、今やお茶の間にまで確実に認知度を上げている彼が、ピアノ1つでの可能性を最大限に引き出したアルバムをついに完成させた。超絶技巧で予測不能な旋律に挑戦した「未来の音楽」(2012年)、一転して柔らかな旋律や喜怒哀楽を混ぜ1つの物語を生み出した2作目「魔法使いの音楽」(2013年)と、これまでにピアノ1台で挑戦してきたシリーズとして、今作は3作目にあたる。グランドピアノと電子音で、クラシックから現代音楽、JAZZ、POPSとジャンルの垣根を越えた音楽性が詰まっている。まるで映画を見ているような情景が頭に浮かんでくる。収録曲の中には、誰もが耳にしたであろう「あしたのワルツ」のソロバージョンも収録されている。
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出演

H ZETT M (エイチ・ゼット・エム)

ピアニスト/エンターテイナー/音楽家。”PE’Z”のヒイズミマサユ機、またもや椎名林檎が率いた”東京事変”第一期の鍵盤だった「H是都M」なのではないかという憶測が飛び交うも、本人はぼんやりと否定。その超絶技巧に加え、”無重力奏法”と形容される超人的パフォーマンスは実験音楽と高度な芸術性が融合している。2007年、1stアルバム『5+2=11』(ゴッタニ)を携えデビュー。2010年に突如行った台湾でのゲリラ・ストリートライブでは2000人以上の観客が集まり、台湾で青鼻ブームを巻き起こす。2011年、初となる台湾ホールワンマンライブを成功させ更に話題となる。2012年・2013年、この時代だからこそ生身の人間の可能性を追求し、ただひたすらに音楽を奏でるというテーマのもと、グランドピアノ1台と彼の体だけでの全26曲レコーディングを収録した『未来の音楽』を発表、続いて新たな可能性への一歩となった『魔法使いのおんがく』を発表。これらの作品を機に始まったピアノ1台だけでの”独演会スタイルライブ”は全編2時間以上ながらもユーモアセンスのある基本的な性格も表れ、音楽とともに彼の一挙手一投足にまで満員の観客を釘付けにすることからも各方面から好評を得ている。新たな活動としてクラウドファンディングを活用した子ども番組の立ち上げなど、幅広い世代に愛され続けられている。

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