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コンサートレポート

慶應義塾大学ライト・ミュージック・ソサイェティ日本ツアー
■2017/1/21(土) 神戸市産業振興センターハーバーホール(神戸市中央区)

レポート

最先端のビッグバンドを追求。神戸、名古屋、東京の3都市を巡るライト日本ツアー

 2015年、2016年と山野ビッグバンドジャズコンテストを2連覇した慶應義塾大学ライト・ミュージック・ソサイェティ(以下、ライト)がシアトル出身のピアニスト・作曲家アーロン・パークス氏、モントリオール出身のフランキー・ルソー氏、スイス生まれのドラマーアーサー・ナテックらゲストを引きつれ、神戸、名古屋、東京でのコンサートを開催。大学生ビッグバンドとしては、異例の豪華全国ツアーとなりました。

 今回の公演のきっかけは2012年、フランキー・ルソー氏の作品をライトが取り上げた事に始まるそうです。ライトと言えば、コンテンポラリーな楽曲演奏で有名。もちらん彼らも最先端のビッグバンド作品の演奏をモットーとしており、そんな中、新進気鋭作曲家としてデビューしたフランキー・ルソー氏に出会い、彼の作品「Facebook generation」を山野ビッグバンドジャズコンテストで演奏したところから交流が始まった。その後、2014年9月に彼(フランキー・ルソー氏)と一緒に日本でライブを行うなど交流をさらに深めたそうです。そして、2016年にライトはNewYorkツアーを敢行した。
ジャズミュージシャンの登竜門とも言われるJazz Galleryでのライブなど様々な経験を重ね、そこでも彼とそのバンドによる最先端のラージアンサンブルを肌で体感。偶然、世界的ピアニストアーロン・パークス氏がそのライブを観ていたことがきっかけで、この日本ツアーでの共演実現につながったそうです。

 今回の公演では、普段のビッグバンド編成に加え、Fl(フルート)、Cl(クラリネット)、Flh(フリューゲルホルン)やGlocken、Voice、Electronic Pianoを使った楽曲を披露。楽曲だけでなく、編成も含めて、常に最先端を目指すその姿勢は、大学生ビッグバンドの頂点に君臨するバンド所以。アーロン・パークス氏、フランキー・ルソー氏の未発表の作品を中心に演奏。今回の公演にあたり、未発表の作品ということもあり、譜面とMIDI音源を基に、メンバー全員で表現を確認。その後、skypeなどを使ってアーロン・パークス氏やフランキー・ルソー氏とリアルタイムに確認し合い作品を仕上げていったそうです。学生ビッグバンドとは思えないレベルにあるのが良くわかります。今回の演奏曲では、明るく賑やかなビッグバンドサウンドとは異なり、さながらクラシックを聴いているかのような穏やかで心地よく、美しいサウンド。アーロン・パークス氏のピアノが際立っていたのも、ライト全員のサポートがあればこそ。また世界的ピアニストの演奏をしっかり支えるアンサンブルや各パートのソロは学生ビッグバンドとは思えない完成ぶり。

 ライトのスケール・技術のレベルの高さを証明する公演となりました。関西で関東の大学生ビッグバンドを観る機会は限られています。是非ともこういう素晴らしいツアーは継続して欲しいものです。その他に、バンドマスターの吉田圭佑さんと安井一輝さんに今回のツアーのことやライトについて色々とお話を伺いました。

インタビュー

バンドマスター 吉田圭佑さんと安井一輝さんに今回の公演やライトについて幅広くお話をお伺いしました。
神戸に来られたのは初めてですか?
阪大ニューウェーブや同志社サードハードさんとは、交流があって、神戸やこの周辺でコンサートをやったことがあります。東京以外だと実は神戸が多いんですよね。毎年、同志社大学と対バンをする機会がありまして。東京と大阪で1年交代でイベントをやっているんです。入れ違いでやるということをしています。

今回のツアーは誰が企画したものなんですか?
今回は初めての試みでして、きっかけは昨年にニューヨークツアーをやりまして、そこでアーロン・パークスさんと出会いまして。その時いつか共演したいという話をしていまして、今回ご縁があって実現しました。それも1公演だけだともったいないので、神戸・名古屋でもコンサートをやろうということになりました。ニューヨークツアーに行った際、ライトのオリジナル曲をお願いしているフランキー・ルソーという方のバンドと対バンする機会がありまして、そのライブをアーロン・パークスさんがお客さんとして来られていたんです。僕らの演奏を見て、一緒に出来たらおもしろいんじゃないかというとで。そういうつながりがあって実現したものです。

ニューヨークでコンサートをやったのですか?
行きました。OBの先輩方からの協力をいただき実現したものです。それもきっかけがあって、リサイタルにゲストを呼ぶのですが、だいたい6年くらい前からニューヨークから呼んでいまして。2年前のゲストがライアン・ケバリーというマリア・シュナイダー・オーケストラのトロンボーン担当の方なんですが。その方と日本でコンサートをやった時にとても喜んでくれて、是非ニューヨークでやりましょうとお誘いを受けたんです。それでニューヨークツアーが実現したんです。

今回の公演ではアーロン・パークスさんのオリジナルをやるわけじゃないですか?どうやってアンサンブルを組み立ててきたのですか?特に新曲だと誰も演奏したことがないと思うのですが。
MIDI音源は事前にいただけたので、だいたいはそれからつかめるのですが、表現はそこから実際にみんなで合わせていってコンサートマスターが判断しながら調整していきましたね。あとは、今回、コンポーザーがいたので、録音したものを送って、アドバイスをもらったりもしました。

そのやりとりはどのくらいかかりましたか?
3回くらい、録音したものを送りましたね。山野に出場する際も、最近はオリジナルに取り組んでいて、スカイプなどを使って、質問や相談などをしています。

話はそれますが、山野の楽曲選びはどうしているのですか?
今年度の山野でしたら、挾間美帆さんに作曲を依頼しました。作曲依頼にあたって、1曲目は既存の曲を選び、その曲を基に2曲目に映えそうな曲を作っていただけないかと依頼しました。関西では、オリジナルをやっているのは珍しいようですね。

ライトについておしえてください。歴史あるバンドとうかがいましたが。
そうですね。今年で71周年を迎えます。1945年創立です。これまでの歴史の中で、多くのミュージシャンを輩出しています。ルパン三世のテーマを作曲した大野雄二さんとか神保彰さんとか北村英治さんなどが出身なんです。70周年を記念して帝国ホテルでパーティをやりまして、現役の私達からOBの方々まで皆さんが集まってくださって、現役との共演をさせていただきました。

普段の練習はどうしていますか?
合奏は週3回やっています。1回2時間くらいの練習時間ですね。今回のツアーのような大きなイベントがあると毎日練習するようにしています。パート別の練習は各自で取り組んでやっています。ただ、メンバーによっては個別に活動している方もいるので、時間調整が難しいですね。12月中はドラムがいなくて、メトロノームだけで練習したりとか。結構パートがいないとか、ありますね。ビッグバンドで活動していく上での一番の苦労ですね。

出演

■慶應義塾大学ライト・ミュージック・ソサイェティ
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