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コンサートレポート

コウベオールザッツジャズ
2016年10月29日(土)~11月6日(日) 三宮・元町界隈[神戸市中央区]

レポート

中学生バンドから新スタイルのジャズまで、
神戸・元町がジャズに染まる9日間

 神戸・元町で毎年開催されている元町イーストジャズピクニックが14年目にしてリニューアル。神戸元町イーストジャズピクニックの開催日を含む10月29日〜11月6日の9日間を「コウベオールザッツジャズウィーク」として、関連イベントや路上パフォーマンス、ジャズライブなどを開催、神戸の街をジャズの音色で彩りました。

 11月5日にはCafe Fish!にて「コウベオールザッツジャズSPECIAL LIVE」を開催。「ジャズをもっと自由に」というテーマのもと、JAZZ JAPAN AWARDを受賞したfox capture planと2015年に惜しまれつつ解散したPE'ZのOhyamaさん率いるBimBomBam楽団、DJにKenichiro Nishiharaさんという豪華共演ということもあり、遠方から聴きに来られた人も多く、お客さんもバラエティ豊か。
 まずは「暮らしの中に音楽を」をコンセプトに2015年からダイニング形式のライブを展開しているマヌーシュ(ジプシー)ジャズをベースにしたバンド、BimBomBam楽団の登場。軽快かつ細やかで情熱的なロマ音楽とジャズが融合した、新しい大人の音楽をこの日も披露してくれました。最後はいつものライブでも必ずラストを飾るという「ユキミチヲユケバ~~Teshidai Samba~」。いい音で奏でられる落ち着いた大人のサンバ曲、贅沢なひとときを楽しませてくれました。そしてfox capture planは「現代版ジャズ・ロック」という、こちらも新しいジャズ観を聴かせてくれる3人組のバンドです。疾走感溢れるサウンドがたまらないとデビュー当時から人気爆発。ライブで見るとやはり岸本さんのプレイは圧巻、会場の熱も演奏を重ねるたびに上がっていきます。そしてプレイスタイルと対照的なマイペースなMCにも笑いが起きます。ラスト曲の「RISING」、そしてアンコールは「疾走する閃光」。濃密であっという間に時間が過ぎたという印象のスペシャルライブでした。

 翌日の11月6日にはメインイベントとなる「神戸元町イーストジャズピクニック」。南京町ステージで未来のジャズ界を担う中高生や大学生による生演奏をはじめ、元町1番街ではBLITZ AND SQUASH BRASS BANDによるジャズパレード、大丸神戸店前では日野皓正さんによるスペシャルトークライブなど、盛りだくさんな内容で、まさに街がジャズ一色に。街行く人々が思わず足を止めて聴き入る姿が印象的でした。
 全てのイベントを締めくくるのはスペシャルトークライブに学生を指導するジャズクリニックにと一日大活躍の日野皓正さんとドラムの高橋信之介さんをお迎えしてのライブイベント「THE PARTY!!!!@Café Fish!」。軽食を味わいながらざっくばらんにステージを楽しむ、打ち上げのような雰囲気で会場のムードは終始和やか。一日を振り返り、日野さんは「最近の若い人はみんなすごい。中学生でも充分すごいし、大学生ともなるとアンサンブルはプロ並み。こうやって神戸で毎年ジャズイベントが開催されるのは嬉しいね」とのこと。高橋さんと日野さんのセッションでは「Jon Kyeong」とデューク・エリントンの「Caravan」を演奏、短いながらもドラムとトランペットの力強い音に会場は魅了されました。
「ジャズが日本に渡ってきて2023年で100周年になります。この7年間でジャズの街、神戸をもっと盛り上げていきたい」と実行委員会の方々、パワーアップして来年もますます楽しみなイベントです。