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コンサートレポート

レポート

全ての世代に熱いJAZZ

 晴れやかな秋の日曜日、今年のTACOTACOジャズフェスティバルは、おかげさまで11回目を迎えました。10年という節目を終えての、新たな一歩と言えます。
 近年このフェスティバルは、明石市立西部市民会館を会場として、明石の西部地域の活性化を目的に、出演バンドは近隣地域(神戸西~姫路)を活動拠点としている方々にお願いしてきました。
 お客様も地元を中心に多くのご来場があり、普段は夜間にライブハウスへ出かけることがないという方々にもお越しいただいてジャズの魅力を愉しんでいただいております。
 そこで私たちTACOTACOジャズフェスティバル実行委員会では、新たに一歩となる11回目の開催に際し、この地域の方々の中でもより幅広い年齢層にジャズの魅力に触れていただけるよう、若者も年配の方もジャズという音楽を通じてつながることができるよう、優れた若年層のウェルカム演奏を取り入れ、各バンドのメンバーの年齢層の幅広さをアピールしました。
 まずそのウェルカム演奏では、石井陽太(As)永井海翔(Pf)那須陽(Ds)という近隣地域の中高生のメンバーが今回のためだけにコンボを結成。
 10代とは思えない大人の選曲で才能あふれる正統派のジャズを奏でてくれました。このバンドを聴きに来られたお客様も多く、地元に若きジャズの才能が生まれていることを実感していただきました。
 さて、プログラムのトップバッターは、[POCHI BIG BAND]。バラード・ボサノバ・サンバ・ロックが原曲のものも含めて、さまざまな年代のお客様によく知られているバラエティ豊かなナンバーで会場を魅了しました。このバンドでは男性ボーカルも登場し、スタイリッシュで大人の香りの歌声を聴かせていただきました。
 次のバンド、[ブルーサウンズ]は80歳の現役プレイヤーも演奏する16年目のバンドですが、2~30代のメンバーも大活躍。今回の“闘牛士のマンボ”ではアルトサックスソロの若い魅力のある演奏で、これまでの落ち着いたイメージをリニューアルされていました。ボーカル曲“Love is Here to Stay”の選曲を含め、全メンバーに若々しくいききとした演奏に惹きつけられました。
 3番手の[Twinkle Jazz Orchestra]は、10代から70代のメンバーのほとんどが毎週土曜日の練習に集うという団結力抜群のバンドです。
 その練習量をもとに新譜にもいろいろ挑戦されているので、今回も昨年とは違った新しいナンバーを演奏していただけました。柔らかな音色の曲目から始まり、パワフルで盛り上がる曲へ至るこだわりの選曲も素敵でした。
 ここで第二部になり、演奏順は42年の歴史をもつ老舗バンド[メイトジャズオーケストラ]へ。明石を中心に長年活動されているのでお客様の中になじみの方も多かったご様子。こちらのバンドも学生から年配の方までメンバーは幅広い世代にわたり、その豊かな音色を活かした華やかな選曲とレベルの高いアンサンブルが見事でした。スタンダードをベースに難しい曲もさらりと聴かせていただきました。
 次は、昨年からご出演いただいている姫路の[Saturday Night Gang]。ディズニーナンバーでスタートした、明るく楽しくスピード感のある演奏は、お客様にジャズの面白さをより明確に印象づけたと思います。さまざまな職業の方が在籍する社会人バンドのためそれぞれが個性豊かで、パワフルなトランペットのソロなどにも心躍るひとときでした。
 そして最後は、[S. F. Big Band]。若手を中心にスタートし20年近くの年月を経て、従来のパワーとスピードに加えて深みのある演奏で素晴らしいトリをつとめていただきました。ジャズファンならずともさまざまな世代のお客様がよく知っているスタンダードナンバーを中心に、今回のTACOTACOジャズフェスティバルの最後にふさわしく、大盛り上がりでエンディングを迎えました。
 終演後、会場を後にするお客様の晴れやかな表情を拝見し、多くの方から心温まるご感想をいただきました。
 次回も幅広い世代の方々へ素敵な時間をお届けできるよう頑張りたいと思います。

(レポート:TACOTACOジャズフェスティバル実行委員 森谷里加)

出演バンド

  • 01. POCHI BIG BAND
  • 02. ブルーサウンズ135゜
  • 03. Twinkle Jazz Orchestra
  • 04. メイトジャズオーケストラ
  • 05. Saturday Night Gang
  • 06. S. F. BIG BAND