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グラミー賞ノミネート作品を聞いてみよう!
毎年ビッグバンドCDがグラミー賞にノミネートされています。今年、2006年にノミネートされた作品の一つを今回ご紹介したいと思います。ぜひ聞いてみては如何でしょうか?
NO BOUNDSCHRIS WALDEN BIG BAND
ドイツ出身で作・編曲家、トランペッター、Chris Waldenの3枚目のBig Band Album。彼の作品はどちらかと言うと、ジャズよりもポップスが多く、TVや映画音楽を得意としています。今までに Michael Bolton, Christoper Cross, Olivia Newton-John, Barbra Streisand, Diana Krall, John Pizzarelli等に作品を提供し、それらの作品がグラミー賞にノミネートされた事もあります。

1999年からはロサンゼルスのトップ・ミュージシャン(Wayne Bergeron, Carl Saunders, Kim Richmond, Andy Martin, Gregg Field 等々)からなる自身のBig Bandを結成し、度々活動を始めました。前作の「Home Of My Heart」と言う、Star Warsのテーマや、Cherokee, Stolen Momentsを含むアルバムは、お世辞にも良いとは言えない内容だったが、この新作では一皮も二皮も剥けた素晴らしいアルバムです。

1.「Winter Games」は、カナダ人のプロデューサー、作・編曲家David Fosterの作曲した、1988年のカナダ、カルガリー・オリンピックの公式テーマ曲です。出だしのブラスのアンサンブルから新鮮なサウンドがいっぱいで、このアルバムの成功を暗示しています。
2曲目はお馴染みのディズニーの「星に願いを」。いじくり回し過ぎず、しかもしっかり自分のサウンドを出しているところに感心させられます。Kim Richmond(as)のアレンジの意図をしっかり理解したソロが素晴らしい!
3曲目の「No Bounds」はこのアルバムのタイトルになった彼のオリジナル。この曲ではホルンやストリングスも加わり、見事な音の絵物語を繰り広げます。ゲスト・ピアニストのFrank Chastenierの控えめですが、内容の濃いソロが印象的です。
4.「Pepple Will Say We're In Love」はロジャース、ハーマーステインのコンビによるスタンダード・ナンバーです。複雑なのにスッキリしたリズム・パターンにゲスト・ヴォーカリストのTierney Suttonが絡んで行きます。
5.「Clax's Theme」は トランペッターのTill Bronnerの作曲で、彼自身ををフィーチュアしたバラッド。彼も今年35歳のドイツ出身。日本でも 「Love」というアルバムで、1999年のスイングジャーナル誌選定に選ばれたので、ご存知の方も少なくはないでしょう。この曲を聴くだけでも、このアルバムを買う価値があります。
6.「In The Doghouse」、7.「Try Harder」はどちらもChrisのオリジナルで、4ビートのオーソドックスな曲。「In The Doghouse」で本人のフリューゲル・ホーンのソロが聴けます。
8.「Smile」はチャーリー・チャップリン作曲で有名です。
9.「Someday My Prince Will Come」と11.「It's A Small World After All 」はどちらもディズニーのヒット曲。おなじみのメロディー、ハーモニーがどんどん展開し、新しい世界に引き込んで行きます。どう処理されているかは聴いてのお楽しみ!
10.「Otterkam」はChrisが90年代半ばにドイツのテレビに書いたオリジナルで、チェロ(電気の)がフィーチュアされています。

これは今年最高とも言える、久しぶりに現れたしっかり自分のサウンド、匂いをもった、本当に素晴らしい才能を持った作・編曲家のアルバム。演奏も録音もとても良く、全てのビッグバンド・ファンに推薦いたします。
収録曲
1. Winter Games [ David Foster / arr. Chris Walden ]
2. When You Wish Upon A Star [ Leigh Harline and Ned Washington / arr. Chris Walden ]
3. No Bounds [ Chris Walden ]
4. People Will Say We're In Love [ R. Rogers and O. Hammerstein / arr. Chris Walden ]
5. Clax's Theme [ Till Bronner / arr. Chris Walden ]
6. In The Doghouse [ Chris Walden ]
7. Try Harder [ Chris Walden ]
8. Smile [ Charles Chaplin, John Turner and Geoffrey Parsons / arr. Chris Walden ]
9. Someday My Prince Will Come [ Frank Churchill and Larry Morey / arr. Chris Walden ]
10. Otterkam [ Chris Walden ]
11. It's A Small World After All [ Richard & Robert Sherman / arr. Chris Walden ]
著者Profile
DAVE鈴木
1962年生まれ。まっとうな会社員だったが、ビッグバンドの世界にのめり込み楽譜やCDの個人輸入にはまり脱サラ、ミュージックストア・ジェイ・ピー設立。現在に至る。
どこで買えるの?
ここで、ご紹介したCDは、DAVE鈴木の運営するミュージックストア・ジェイ・ピーのホームページ http://www.musicstore.jp/
index.php?afid=kobe
で購入出来るほか、山野楽器銀座本店、ヤマハ銀座店CD売り場、タワーレコード全店、ジュージヤ梅田ハービスENT店などでご購入いただけます。
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