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ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.80
キャロル

歌の魂は音にもあり。
@兵庫・加古川

そう、例えばこんなことがあるじゃないか。
おいしいコーヒー豆があるのに、コーヒーを入れる器具がないとか。
その器具があってもおいしい入れ方を知らないとか。

歌にとって、特に外国語の歌詞を持つ歌にとって、それは正しい発音を知らないってことかもしれない。
加古川にあるmusic&cafe、キャロルでは、その正しい発音を身につけましょうというレッスンが定期的に行われている、ということでお邪魔してみることになったんである。
講師は、神戸学院大学准教授の中西のりこ先生。ご専門は英語教育学・英語音声学というから本格的だ。なんでも中西センセは、自分の発音が子供っぽくなるのが恥ずかしく、それをなんとか直そうとして発音・発声の方法を学んだということだ。

うかがったときにはすでにレッスンの真っ最中。
熱心な生徒さんがつめかけている。テキストには課題曲の歌詞が色分けされて載っている。この色分けは、歌詞の音の強さなどの種類が一目で分かるようになっていて僕なんかにもわかりやすい。例えば、ここまでは弱い音が続いているけどここで急に強い音が出てくる。さてその効果や意味は…?というわけだ。
そういえば、日本の歌は長いあいだ音律や韻律ということをないがしろにしていたような気がする。「言霊」の国なのに、だ。そして、その復権をしたのがサザンオールスターズやミスチルだったりするわけだけど、英語の歌では音としての言葉の大切さがずっと受け継がれていたように思えるんですね。
たしかに、韻律は意味ではない。それがなくたって意味は伝わるんだけど、どうかすると伝わるのが意味だけになったりするんだなあ。中西センセのレッスンは、言葉が持つ音の力を自分が歌の力に加えようとしているようだ。

生徒さんは大半が女性、それぞれが自分のノートを作ったり、予習・復習にもとても熱心なようだ。
レッスンは歌詞を声に出して読みながら、先生の解説によって理解を深めるといった感じ。とても気さくでなごやかな雰囲気である。これなら初めて参加する人でもすぐになじめることだろう。

オーナーの有冨由実さんも歌を歌われるということで、歌詞の理解の大切さはよくよくご存知のようだ。だからこそこのレッスンを企画されたのでしょうね。
生徒さんが必ずしもプロをめざしているわけではないけど、きっとこのレッスンは歌以外のいろんなことの理解も助けてくれるにちがいない。
よろしいか、男性のみなさん、油断していてはいけません。多くの女性は、こんなふうにして人生をより豊かにしているのです。
男性も女性も、歌を歌う人も聴くだけの人も、音を通してその豊かさをもっともっと感じ取れるようになりませんか。
それはきっと人生そのものを輝かせてくれる方法のひとつなのです。
キャロルではライブを聴くことも。ホームページをチェックして行くべし!