お店のコンセプトは?とお聞きすると、
「楽しくジャズを聴いてもらうことですね。初心者の方が来られても充分に楽しんでもらえるように考えています」と田中さん。
そう、この感じなんですよ。
以下は、あるインタビューの受け売りなんだけど、その中で田中さんはこう語っている。
「とにかく世の中を明るくしたいーということですね。表現のベースは明朗さです。明るさの中に美しさがあり、優しさや激しさもある、そんな表現でありたいと思います。 ~中略~ 40歳を過ぎてから演奏を通じて人を喜ばせてあげたい、元気にしてあげたいと強く思うようになりました」
僕の好きな作家の一人も、作中の人物に「本当にいいものは光の方を向いているものだと思うよ」と語らせている。そして僕は、強さや激しさ、深さも、明るさの中にこそあるんだ、と確信している。
ピアニストとしての田中さんやセント・ジェームスというお店に感じる穏やかさや優しさは、こういう考え方から来ているに違いない。 |