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レコードの数はざっと6000枚。え?どこにそんな数のレコードが…?とお聞きすると、カウンターを回り込んだお店の奥、入り口近くからは見えないところにありました!ぎーっしりとLPレコードが並んだ棚が!これ見よがしに飾ってないあたりがいいですねえ、実に奥ゆかしいというか(笑)。
50年代のジャズを中心に、シナトラとかペリー・コモなんてところもかかるらしい。レコードは、気分とかなりゆきとかではなく、かなり計画的に選ぶそうだ。
「いろんな変化を持たせて、その上でなるべくクセのない選曲にしています」と村田さん。
毎日通って、開店から閉店までずっとコーヒー飲んでるとすると(笑)一年でだいたい2000枚から3000枚のレコードを聴けることになるそうだ。
ふーむ、村田さん、かなりの理論派と見ました。 |
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じつは村田さん、お店だけでなく、プロデューサー的な活動も精力的になさっているんである。ジャズ関係のいろんなイベントも企画・開催してこられたとのこと。あのハンク・ジョーンズを招聘したこともあるそうだ。
この取材の少し前にも、ピアノとベースだけという組み合わせでのレコーディングを終えたところなのだそうで、「これが聴きたい!という音源がないから、じゃあ作りましょうということでやってるんです」
にこやかに語る村田さんだけど、かなりミュージシャン好みというか玄人好みというか…、マニアなコンセプトのレコーディングもあるようで話の種はつきない。村田さんにとってのジャズは、いつまでも楽しめるオモチャのようなものなのだろう。
その楽しさと明るさは、 このお店の空気によく似合っている。 |
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さてVoiceのお隣は、真空管アンプがディスプレイされたえらくアンティークなオーディオショップなんである。
たくさんのLPレコードがぎっしりで、こりゃまたお似合いのお店が並んだもんだなあ…と思っていると、こちらは村田さんのお父様のお店なのだとか。古いオーディオを修理(!)したりしているうちになんとなくお店になってしまったという、こちらはお父様の「オモチャ箱ですわ(笑)」。
ふと見ると、カウンターの上には古い古いレコードプレーヤーが鎮座している。お話をうかがっている間に持ち込まれたものらしいけど、「どこに置くねん!」と太さんのツッコミを受けながらもお父様はニコニコである。いや、お気持ちはわかります。 |
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真空管アンプの柔らかい音と、ちょっと古めのジャズ。
新しい音楽やオーディオが劣っているわけではもちろんないけれど、アットホームで、ちょっとクラシックな感じがなんとも心地よい。
なんというか…、カップボードも飾られたレコードジャケットも、こころもちセピア色に溶けあっているけど、空気の底がはんなり光っているとでもいうか。
音楽もコーヒーも、いいものだけを静かに提供してくれる。
茶房Voiceはそんなお店である。 |
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