- vol.134
- 100BAN Hall
旧市街の中で新しいジャズを聴く
@神戸・江戸町
オフィス街のど真ん中…というより、旧居留地といったほうがいいかな。
ピカピカのビルの中にも古い、趣のある建物も多く見れる。
そして中華系の人が多いのもこの街の特徴。
今日訪ねるお店にも、いかにも中華系ですよというお札がたくさん貼ってある。このビルの名前は旧居留地時代の番地の名前から来てるんですね。
大理石に囲まれたエレベーターに乗って上階へ。ドアを開けると、ずいぶん広く、天井の高いお店。店名に「ホール」とあるのもナットク。なんでもこのスペースも元は服屋さんの倉庫兼事務所だったとか。
コロニアル様式というのかな、手すりのついた二階席があり、この席が音響的には一番いいそうである。
ピアノはスタンウェイ、ドラムセットはもちろん(←当然?)他にも常備の楽器があるみたい。
この建物内には、このホールの他にも楽器のレッスンやダンスの練習に使えるスタジオがあるようだ。ぜひ問い合わせてもらいたい。
なーんて話しながら迎えてくださったは、ご自身ピアニストでもある李祥太さん(CDもリリースされてます!)。甲南系のご出身で、ある意味、神戸ジャズメンのエリートコースでありますね。とはいうものの、「ジャズだけでなく他のジャンルも受け入れていきたい」とおっしゃる、フトコロの深いミュージシャンでもあります。
ニューヨークに音楽留学されたこともあるのだろうか、「アイデンティティを持つべきだ」とも。国際人ならではの言葉です。自分が何人でどこで産まれてどこに住んでいるのだとか、どんな音楽を作ろうとしているのだとか。
それは自然に産まれてくるものでもあり、後から作られるものでもあるのだろう。ただ、それはきっと国際的に通用する音楽を作ることには絶対に必要なことだろう。せっかく音楽という国際語を持っているのだから、それを無視するのはいかにももったいない。
留学経験のある李さんならではの言葉だろう。つまり「自分がどういう人間か」ということである。
ゆったりした席で、のんびり音楽を聴くってのはいいなあ、とてもリラックスできる時間だ。今日のライブも昼下がり、ピアノとサックスだけという静かな演奏。
ジャズのライブというと「夜」というイメージだけど、このお店では昼間のライブもある。夜はちょっと残業が…という人もこれならイケますね。
古い街並みを眺めながら歩くだけでも楽しいこの界隈。ふと立ち寄ってみるのも悪くない。ナニ、ライブのスケジュールは、表に貼ってあるフライヤーを見れば解る。入ってみて閉まってるなんてことはないはずだ。
散歩がてら。
あるいは好きなミュージシャンの演奏を真剣に聴くために、この街を歩くのも悪くない。歴史のある街って、こういう所がいいんだなあ。